【連載】5分で読める 親子のためのネットの常識

「Google=ネット」じゃない!検索サイトってなに?

スマホは使うけどネットやデジタルの知識には自信がない。でも、今の子供たちはネットやパソコンを使うのが当たり前だから、もう少し分かるようになりたい。そんな保護者の方に向けて、AI時代に知っておきたいネットの常識や役立つ情報を紹介します。

今回は、検索サイトってどんなものなのかについての基礎知識です。当たり前に使いすぎて意外と知らない検索サイトの背景をおさえておきましょう。

必要な情報を見つけ出す「検索サイト」

インターネット上にはものすごい数のウェブサイトがあり、誰でも自由に公開することができます。また、ウェブページの住所であるURLがわかれば、ウェブブラウザーを使って、誰でもそのページを見ることができます。

でも、URLがわからないとウェブページが見られないというのでは、せっかく情報を公開しても、誰にも気づいてもらえないということになってしまいます。

そこで活躍するのが、Googleなどの検索サイトです。検索サイトもウェブサイトのひとつなのですが、膨大なウェブ上の情報から必要な情報を見つけ出す機能があります。

検索サイトはいろいろな会社が作って提供していて、グーグル社の「Google」、マイクロソフト社の「Microsoft Bing(マイクロソフトビング)」、LINEヤフー社の「Yahoo! JAPAN」などがあります。それぞれの検索サイトのURLをウェブブラウザーで入力すれば誰でも使えます。検索サイトは検索エンジンと呼ばれることもあります。

代表的な検索サイト

検索サイトでウェブページが表示される順番は、何で決まる?

検索サイトでキーワードや知りたいことを入力すると、それに関連性が高いと判定されたウェブページのリストが表示されます。では検索サイトはどうやってウェブページを選んで順位をつけているのでしょうか。

例えばGoogleで検索をするとき、検索した瞬間にウェブ上のすべてのデータをぐるりと見に行って結果を返しているというわけではありません。Googleはふだんからクローラーと呼ばれるソフトウェアでウェブ上の膨大なウェブページのリンクをたどって巡回していて、その情報を数千億ページという規模でテータベースに蓄積しています。このデータベースが検索のもとになっています。

検索画面で入力された言葉をもとに、Googleの独自の手順で関連性が高いと評価されたウェブページが選ばれ、順位が決まりリスト化されて検索結果として表示されます。検索結果が選ばれる手順のように、ある目的を実現する処理手順のことをアルゴリズムと言いますが、Google検索のアルゴリズムを正確に知ることはできません。アルゴリズムは日々進化していて、現在ではそのページの内容やコードの質だけでなく、さまざまな要素について高度な処理と総合的な判定がされています。

どのようなことが検索結果を決める要素になっているかはGoogleが説明しているページがあるので、興味がある方はチェックしてみてください。

検索サイトによって検索結果は違う!?

インターネットやウェブの仕組みというのはどこかの会社が一元的に管理しているわけではありません。ですが、検索サイトはどこかの企業が運営しているサービスで、それぞれ独自のアルゴリズムで検索結果を出しています。

検索サイトによって検索結果は違うので、例えばGoogleとBingで同じ検索キーワードを入れて検索結果を比べると、リストされるウェブページには違いがありますから試してみてください。なお、Yahoo! JAPANはGoogleの検索アルゴリズムを採用しているのでリストされるウェブページは基本的には同じですが、検索サイト独自に提供している情報や関連情報などには違いがあります。

検索サイトはインターネット上の情報にたどりつくための大切な入口で、どの検索サイトを使うかは自由です。いつも自分がどの検索サイトを使っているのか是非この機会に確認してみてください。

「Google=インターネット」ではない!

現在は検索サイトではGoogleのシェアが大きいので、Googleがインターネットを管理していると思っている人もいるかもしれませんが、そうではなく、Googleのような検索サイトはウェブ上の情報をフィルターする役割をしているだけです。検索結果を見るときは、情報を発信しているのはその向こう側にいるひとつひとつのウェブサイトの制作者なんだということをイメージしておきましょう。

検索結果の一番上に来ているウェブページを1つ見れば正しく十分な情報が得られるかというと、そうとは限りません。検索サイトの向こう側には膨大な数のウェブページの海が広がっていますから、そこからどうしたら、より確かな情報を見つけられるのか、今後の連載記事でお話ししていきたいと思います。

次回は、検索サイトの利用時に見落としがちなウェブブラウザーと検索サイトの関係について紹介します。

狩野さやか

教育ICTライターとして、学校や家庭のICT活用について各種媒体で多くの記事を執筆している。プログラミング教育を含む情報教育や特別支援の領域に詳しく、デジタルリテラシーに関する講座等も行う。株式会社Studio947の「知りたい!プログラミングツール図鑑」、「ICT toolbox」の運営責任者。著書に「デジタル世界の歩き方」(ほるぷ出版)他。