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進研ゼミが進化 小学講座は「褒めて伸ばすAI」、高校講座は「定期テスト対策AI」を活用

株式会社ベネッセコーポレーションが「進研ゼミ 小学講座・高校講座」リニューアル記者発表会を2026年3月24日に開催

 株式会社ベネッセコーポレーションが、2026年3月24日に「進研ゼミ 小学講座・高校講座」リニューアル記者発表会を開催した。子供たちを取り巻く環境が大きく変化する中、学習実態の変化とテクノロジーの進化を掛け合わせ、約10年振りとなる大規模リニューアルを果たした2講座について、その背景や狙い、リニューアルポイントを紹介する。


生成AIの活用で「子供を取り巻く環境の変化」に対応

株式会社ベネッセコーポレーション 取締役副社長 兼 CPOの山口文洋氏

 まず、ベネッセコーポレーション 取締役副社長執行役員兼CPOの山口文洋氏が登壇し、進研ゼミ 小学講座・高校講座のリニューアルの背景と狙いについてプレゼンテーションを行った。

 山口氏は、約55年間にわたる進研ゼミの歴史と、延べ920万人の会員数を持つことに触れ、小学生や高校生を取り巻く環境が変化しており、その環境に対応するためにリニューアルを行ったと述べている。

 小学生へのアンケート結果では、10年前に比べて じっくり考える力や論理的に考える力を得意とする子供や、「勉強が好き」と答えた子供の割合が減っている 現状を説明。さらに、ゲームやスマートフォンの利用時間が増え、共働きが増えたこともあり、保護者の「子供の勉強」に対する悩みも増えているという。

小学生へのアンケートから、生成AI時代に求められる学力である、じっくり考える力、論理的に考える力を得意とする子供が減っていることがわかる
10年前に比べて、勉強が好きと答えた子供の割合も減っている

 以上の環境の変化を踏まえた、小学講座のリニューアルのポイントは 「子供たちがやりたくなるUI/UX」「子供たちが取り組みやすい学習教材」「子供をほめられる環境構築」 の3点となっている。

小学講座のリニューアルのポイントは「子供たちがやりたくなるUI/UX」「子供たちが取り組みやすい学習教材」「子供を褒められる環境構築」の3点

 高校生については、大学入試が変化し、総合型選抜や学校推薦が増えたため、内申点が大学合否に大きく影響するようになったほか、アルバイトやボランティア、趣味などで高校生の毎日がより多忙になっている。さらに、すでに高校生の半数が生成AIを利用しているという環境の変化もある。以上を踏まえた、高校講座のリニューアルのポイントは 「定期テストが重要」「タイパ・コスパを重視」「生成AIも味方に」 の3点である。

大学入試が変化し、内申点が大学合否に大きく影響
アルバイトやボランティア、趣味などで高校生はより多忙に
高校講座のリニューアルのポイントは「定期テストが重要」「タイパ・コスパを重視」「生成AIも味方に」

 小学講座、高校講座とも2026年3月25日からサービスを開始している。なお、中学講座についても、リニューアルを検討中とのことだ。


小学講座ではゲーミフィケーションとAIを採用、子供が取り組みやすい教材へ

株式会社ベネッセコーポレーション 小学生事業部 本部長の水上宙士(みずかみ ひろし)氏

 次に、ベネッセコーポレーション 小学生事業部 本部長の水上宙士(みずかみ ひろし)氏が登壇し、小学講座リニューアルポイントについて説明した。

 アンケートによると、進研ゼミの会員は非会員に比べて、勉強好きな子が多いという結果が出ている。

進研ゼミ会員は非会員に比べて、勉強が好きな子が多い

 進研ゼミは「子供がやりたくなる」→「取り組みやすい学習教材」→「学習結果をほめられる」というサイクルで勉強が好きな子を育てることができるが、「UXの設計が古い」と「赤ペン先生のフィードバックが月1回のみ」という課題があった。そこで 「ゲーム×学習」と「人×AI」というコンセプトで、「勉強が好きになる」メソッド をアップデートしている。

現状の課題は「UXの設計が古い」「赤ペン先生のフィードバックが月1回のみ」の2点
「ゲーム×学習」と「人×AI」というコンセプトで、「勉強が好きになる」メソッドをアップデート

 「ゲーム×学習」では、画面デザインやもらえるアイテムなどをイマドキのゲームのような世界観にフルリニューアル。問題を解くことで、ゲームをプレイできたり、ガチャを回すといったゲーミフィケーションを全面的に取り入れており、専門家である東京大学藤本教授の監修を受けている。

「ゲーム×学習」では、画面デザインやもらえるアイテムなどをイマドキのゲームのような世界観にフルリニューアル

 「人×AI」では、 これまでに添削した4.2億枚の答案を学習 させ「赤ペン先生」をデジタルで実装。これにより、365日毎日、デジタルの赤ペン先生が「褒め」コメントや「認め」コメントを付けてくれるので、子供にやる気が生まれるという。さらに従来通り、毎月1回、人間の赤ペン先生による丁寧な添削指導も行う。水上氏は、「小学講座を通して約100万人の小学生がもっと勉強を好きになる世界を実現したい」と語った。

「人×AI」では、これまでに添削した4.2億枚の答案を学習させ「赤ペン先生」をデジタルで実装

 小学講座は12カ月分一括払いの場合39,600円であり、1カ月あたり3,300円となる。小学講座は専用タブレットで提供され、タブレットもこの料金に含まれる。


高校講座は定期テストの成績を効率良く上げる「テスパ神」へリニューアル

株式会社ベネッセコーポレーション 高校生事業部 本部長の永田祐太郎氏

 続いて、ベネッセコーポレーション 高校生事業部 本部長の永田祐太郎氏が登壇し、高校講座のリニューアルポイントについて説明した。

 新「高校講座」のコンセプトは 「テスパ神」 。これは定期テストの成績を効率良く上げるテストパフォーマンスという意味の造語である。山口氏の発表にもあったように、大学受験の在り方が変わってきており、以前にも増して内申点の重要性が高まっているという。

新「進研ゼミ 高校講座」は「テスパ神」がコンセプト。テスパとは定期テストの成績を効率良く上げるパフォーマンスのことで、ベネッセの造語

 そのため、内申点に直結する定期テストの成績を効率良く上げる、「テスパの高い学習教材」として、生成AIをフル活用した新機能を搭載した。テスパを上げるための新機能「AIテスパ機能」は、 定期テスト範囲のプリントを撮影するだけで、一人一人の学校や教科書・学力に応じた最適な学習計画を提案 する機能だ。

「AIテスパ機能」は、定期テスト範囲のプリントを撮影するだけで、一人一人の学校や教科書・学力に応じた最適な学習計画を提案

 また、テスパを上げるためのもう1つの新機能が 「AI質問しまじろう」 である。17歳になったしまじろうがナビゲーター役となり、問題のプリントを撮影するだけで、その問題の解き方の流れを解説してくれる。グラフや図などを生成して解説する「ビジュアル解説」は日本初となるという。また、生成AIはGemini3をベースに、ベネッセが独自でカスタマイズしたものだ。

17歳になったしまじろうがナビゲーター役となり、問題のプリントを撮影するだけで、その問題の解き方の流れを解説

 さらに、学習量や取り組み状況に応じて貯まるコインをamazonギフトカードやPayPayポイントなどに交換できる「おこづかい機能」も新たに搭載。いわゆるLearn to earnの一種だが、高校生にとって大きなモチベーションになるだろう。

 高校講座は専用タブレットではなく、手持ちのタブレットやスマートフォンで動作し、7教科24科目が学び放題で、月額9,980円(税込)である。生成AIを活用した機能についても、利用制限はないとのことだ。


スペシャルゲストとしてかまいたちの2人が登場! 新しくなった進研ゼミを体験

 次に、スペシャルゲストとしてかまいたちの山内健司さんと濱家隆一さんが登場。2人とも、4歳と7歳の子供がおり、進研ゼミには興味があるという。山内さんは、中学時代に進研ゼミ中学講座を受講していたそうだ。

かまいたちの2人がスペシャルゲストとして登場。2人とも子供を持つ親として、進研ゼミに関心があるという

 まず、山内さんが実際に新しくなった進研ゼミ 小学講座を体験。4つの質問に答えると、自分に合った赤ペン先生が3人表示されるので、その中から気に入った先生を選ぶ。続いて、小学2年生の算数の引き算に挑戦。スムーズに解いて、ご褒美として「トレジャーパス」をゲット。このトレジャーパスがあれば、さまざまなゲームや楽しいコンテンツで遊べる「トレジャーランド」に行くことができる。

4つの質問に答えることで、自分に合った赤ペン先生を選択できる
テストをクリアすると「トレジャーパス」をもらえる

 ここで濱家さんに交代し、トレジャーランドで遊べる「すうじオバケ」ゲームにチャレンジ。表示される数字を小さい順に素早くタップするという脳トレ系ゲームだが、見事Sランクの高得点をゲット。得点に応じてもらえるコインで、着せ替えなどのアイテムがもらえるガチャを回したところ、ノーマルの「けしゴムジェット」が出た。今度は山内さんがガチャを回すと、なんとスーパーレアの「そらとぶウミガメごう」が出てきて、山内さんが大喜び。

ゲームをプレイした濱家さんが高得点を出し、ドヤ顔でアピール
山内さんがガチャを回すと、スーパーレアの「そらとぶウミガメごう」が登場

 ガチャで出たアイテムは、主人公の着せ替えに使ったり、画面内に登場させることができる。こうしたゲーミフィケーションに基づく工夫も、子供の学ぶ意欲をかき立ててくれそうだ。


リニューアルされた小学講座と高校講座を筆者も体験

 会場には、「進研ゼミ 小学講座」と「進研ゼミ 高校講座」を体験できるスペースも用意されていた。小学講座の専用タブレットも一新されており、実際に触ってみたが、画面の見やすさやペンの反応なども良好であった。小学講座の教材は、プレゼンテーションの通り、 ゲーミフィケーションが随所に取り入れられており、子供たちが積極的に取り組むことが期待できそう だ。

「進研ゼミ 小学講座」専用タブレットの実機を触ることができた
画面も明るく、見やすい。これは小学2年生用の教材。メインとなるレッスンランドにも、ゲーム感覚で学べる工夫が多数凝らされている
ペンで答えを書き込むスタイルで、ペンの反応や使い勝手も良好

 高校講座についても、目玉機能である「AI質問しまじろう」と「AIテスパ機能」を実際に試すことができた。

 AI質問しまじろうは、問題のプリントを撮影して送信することで生成AIが解析し、ステップバイステップで丁寧な解き方を解説し、さらに類題や解説動画も提示してくれるという、至れり尽くせりの機能だ。

「進研ゼミ 高校講座」の新機能「AI質問しまじろう」は、紙のプリントを撮影して送信することで、生成AIが問題の解き方を丁寧に解説してくれる画期的な機能
タブレットやスマートフォンを使って、プリントを撮影
生成AIが問題を解析した後に問題を選択すると、右に解き方のステップが表示される
[解説へ]をタップすると解説が表示される。さらに詳しく解説してほしいときは[詳しく教えて]をタップする
グラフなどの図解も表示。このビジュアル解説は、家庭学習向け生成AI活用アプリにおいて日本初となるという

 AI質問しまじろうとAIテスパ機能を利用すれば、自分だけのAI家庭教師がそばについて教えてくれる感覚でテスト対策を進められる。 定期テストの成績を上げたいと考えている高校生にぴったりのサービス といえるだろう。問題やテスト範囲の解析にかかる時間も数秒から20秒程度で、ストレスなく学習を行える。

石井英男

PC/IT系フリーライター。ノートPCやモバイル機器などのハードウェア系記事が得意。最近は3DプリンターやVR/AR、ドローンなどに関心を持ち、取材・執筆を行っている。子どもを持つ父親として、子どもへのプログラミング教育やSTEM教育にも興味があり、CoderDojo守谷のメンターとして子どもたちにプログラミングを教えている。