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コニカミノルタ、多言語翻訳「KOTOBAL」を教育現場に展開

コニカミノルタジャパン株式会社が、多言語通訳サービス「KOTOBAL(コトバル)」において、教育現場での本格展開を開始

 コニカミノルタジャパン株式会社は、多言語通訳サービス「KOTOBAL(コトバル)」が教育現場での本格展開を開始したと2025年7月3日に発表した。4月から開始しており、教職員と外国人児童生徒とその保護者、児童生徒同士のコミュニケーションの課題を解決するため、大阪市の全小中学校、東京都板橋区の一部の中学校などで活用が始まっている。

 KOTOBALは、最大32言語に対応し、AIによる機械通訳とオペレーターを介したビデオ通訳、音声筆談・手話通訳を利用できるハイブリッド型通訳サービス。リアルタイムAI通訳は23言語、ビデオ通訳はプランにより12~20言語、さらに24時間365日対応では5言語に対応する。これまでは宿泊施設や自治体などに導入されてきたが、今回、教育現場への展開を開始した。

学校での利用シーン

 教育現場での展開開始にあたっては、従来のアプリ版だけでなくWebブラウザ版を提供開始、GIGAスクール端末などで多くの学校や児童生徒がKOTOBALを利用可能にした。

 KOTOBALを使うことで、一斉授業で先生が話す内容をGIGAスクール端末上でリアルタイム翻訳ができる。また児童生徒から教員、児童生徒同士でも活用でき、対話的な学びにも活用可能。外国人児童生徒が授業の内容を理解しやすくなるほか、休み時間も友達と過ごすことができ、学校生活における精神的な負担が軽減、学校生活のあらゆる場面で双方向のコミュニケーションを円滑にするという。

KOTOBALの利用例

 保護者面談で通訳者を依頼するケースでは、通訳者と保護者のスケジュール調整に時間がかかることもある。KOTOBALは、翻訳機能のほかに専門の通訳オペレータによるビデオ通訳にも接続できるため、通訳者や日本語指導員がいない場合でも意思疎通が可能になり、教職員の時間的負担を大幅に軽減可能だ。

 なお、文部科学省の「令和5年度日本語指導が必要な児童生徒の受入状況等に関する調査結果の概要」によれば、日本語指導が必要な児童生徒数は約6.9万人に達し、約10年間で1.9倍に増えている。コニカミノルタジャパンでは、今回の展開は、教育現場での喫緊の課題に応えるためだとしている。