ニュース
256校・約16万人が利用、コニカミノルタが「都立AI」を提供
2025年5月13日 08:30
コニカミノルタジャパン株式会社は、東京都が提唱する「2050東京戦略」の一環として、全都立学校の児童生徒と教職員が利用する生成AIサービス「都立AI」の提供を2025年5月12日から開始した。
2050東京戦略は、2050年代に目指す東京のビジョンを実現するため、2035年に向けて取り組む政策を東京都が取りまとめたものである。教育においては「子供・若者が希望を持って自ら学び、育ち、未来を創造」を掲げ、生成AIを利用する都立高校生の割合を100%とすることを政策目標としている。
東京都は2023年度に9校、2024年度に20校を「生成AI研究校」として指定し、教育現場における生成AIの効果的な利活用について研究を進めている。今回、生成AIの利用対象を全都立学校256校へと広げるにあたり、同社は約16万人が利用する教育用生成AI基盤を1カ月で構築した。
都立AIは、OpenAI社の軽量版モデル「GPT-4o-mini」以上に対応し、GPT-4と比べて高速かつ低コストでの応答を可能とした。生成AIやアプリケーションはクラウド上にある東京都専用の利用スペースで動作。児童生徒が入力したデータは生成AIの学習に使用せず、不適切な発言を防ぐフィルタリング機能も備えている。
主な機能として、生成AIとの対話や画像の入力ができる「①チャット機能」、専用データと「振る舞い」を元にした生成AIを利用できる「②カスタムAI機能」、さまざまなプロンプト(依頼文)の例文を表示する「③プロンプトテンプレート機能」を利用可能だ。
都立AIの活用例としては、授業での利用のほか、探究テーマの情報収集・整理・分析・発表資料作成など、AIの伴走による児童生徒の効果的な学習が想定されている。また、AIが校務における定型文書のドラフトを作成。教員の業務負荷を軽減することで教育活動に集中できる環境を作る。
同社は、生成AIやデータ分析を活用した学習支援サービス「tomoLinks」を2019年より展開。個別最適な学びを提案する「先生×AIアシスト」や、協働学習と探究学習で利用できる対話型生成AI「チャッともシンク」などを提供している。今後も児童生徒一人ひとりの力を最大限に引き出す個別教育の実現を推進する方針だ。