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マイクラの世界でロケットを飛ばそう!宇宙に関する2つのワールドが新たに公開

Switchでも無料で楽しめるロケット・ビルドは感動もの

教育版マイクラの背景動画もアルテミス計画推しに

Minecraft Educationは、NASA(アメリカ航空宇宙局)およびChallenger CenterとのパートナーシップによるSTEM教材「ARTEMIS MISSIONS(アルテミス・ミッション)」を2023年3月に発表し、2つのワールドを新たに公開した。

NASAが2025年を目標に、再び人類を月に送り込む「アルテミス計画」を題材にしたもので、マイクラ世界の中で子供たちが月面探査計画に参加できるという、ワクワクする内容だ。どのようなワールドか簡単に紹介しよう。

NASAが進めるアルテミス計画とは

アルテミス計画とは、アメリカ合衆国連邦政府が出資する有人宇宙飛行(月面着陸)計画のこと。少し前のニュースになるが、日本のJAXAから14年ぶりとなる2人の日本人宇宙飛行士候補が発表され、「アルテミス世代」の宇宙飛行士候補として紹介されていた。これは、まさにNASAが現在進めているアルテミス計画に合わせたもので、日本のJAXAもこの計画に協力している。

アルテミス計画は、最初のロケットであるアルテミス1号が2022年11月に無人飛行に成功。無事にカプセルが地球に帰還している。次のステップとして、2024年にアルテミス2号による有人ミッションが予定されており、月を周回し地球に帰還するという。そして2025年のアルテミス3号は有人月面着陸のミッションに挑戦。さらにその先には、火星への有人探査計画という壮大なビジョンが描かれている。

今回リリースされたのは、そんなアルテミス計画をテーマにした「アルテミス:ロケット・ビルド」と「アルテミス:月への帰還」の2つのワールドだ。

「アルテミス:ロケット・ビルド」
「アルテミス:月への帰還」

2つのワールドへのアクセスは、いつもと同じ。主題ライブラリの「科学」-「追加レッスン」に収録されているほか、執筆時では「新作・注目作品」にも取り上げられている。

ワールドへのアクセスは、主題ライブラリの「科学」-「追加レッスン」か、「新作・注目作品」から

自作ロケットをマイクラの世界で飛ばせる「ロケット・ビルド」

まずは、地上で打ち上げ用ロケットを建造するワールド「アルテミス:ロケット・ビルド」からのぞいてみよう。執筆時点で、こちらのワールドは既に日本語化もされているので、自分のペースで進めやすいと思う。

ワールドを生成すると、インストラクターのNPCが待っている。彼の案内に従って、アルテミス計画の概要、ロケット科学の基礎を教室で学び、ロケットの建造へと進んで行こう。

ロケット・ビルドでは計画の概要を学び、ロケット建造に進む

まず、3つの主要パーツを予算内で選び、十分な推力と搭載能力をもつようにシミュレーションを行う。

どんなロケットが作れるのか、シミュレーションしてみよう

続いて、ロケットを打ち上げるカプセルをデザインし、最後にロケット全体に色を塗って完成だ。

カプセルをデザイン
スプレー缶を使ってロケットに色を塗る

ロケットができあがれば、なんと実際に自分で作ったロケットがマイクラの世界の中で打ち上げられるのだ。このシーン、なかなかの感動ものである。ロケットは小型のもので、まず練習し、続いて月を目指す大型ロケットを作ることができる。大型ロケットは何度も作って飛ばすことができるので、いろいろなデザインを見せ合うこともできそうだ。

センスが問われそうだが、クリーパー風ロケットも作って打ち上げられる

このロケット・ビルドは統合版やSwitchのマーケットプレイスでも無償提供されている。自宅のSwitchなどでもロケット作りが楽しめそうだ。

マルチプレイのプログラミングでミッションに挑戦「月への帰還」

無事にロケットが打ち上がったところで、もうひとつのワールド「アルテミス:月への帰還」も見てみよう。こちらは、執筆時点ではまだ英語のみだったが、今までの流れを考えると日本語が用意されるのも時間の問題だと思われる。

ロケット・ビルドとは異なり「月への帰還」は、いくつかのミッションをプログラミングでクリアしていく流れ。Hour of Codeのシリーズと構成はよく似ている。新しい試みとして、マイクラのマルチプレイを使って1つのワールドに4人までが同時参加できる仕様になっている。

この4人は月に向かう宇宙船オリオンのクルーとしてミッションに参加する。1人ずつが異なるミッションにチャレンジしたり、メンバーで協力しないとクリアできないミッションもある。

月への帰還はマルチプレイが可能。オリオンのクルーとなって月へのミッションを進めていく
1人ずつが異なるミッションにチャレンジ

たとえば、ミッションの1つ、スペースデブリ(宇宙ごみ)の回収では、エージェントをプログラムしてゴミを拾わせる。ほかにも、オーロラの撮影、鉱物サンプルの収集、月の南極探索、乗組員のための食事づくりなど、さまざまなミッションが用意されており、チームで協力しながらクリアしていく。

ミッションの1つ、スペースデブリの回収
エージェントをプログラムして拾わせる

いくつかのミッションをこなし一定時間経過すると、オリオン宇宙船のカプセルが地球に降下していく動画がはじまる。無事ミッションは終了だ。他のミッションもやってみたければ、繰り返し挑戦することもでき、また、修了証書も貰える。授業やワークショップのグループ活動で取り入れてみると楽しめそうだ。

無事に帰還したところ。何度でも追加で体験できる

宇宙という題材を使って深い学びへとつなげよう

今回の2つのワールドは、アルテミス計画という壮大なミッションを教育版マインクラフトで疑似体験できるという、ワクワクする内容だ。宇宙という題材を使うことで、ロケット科学、人類と宇宙の歴史、アポロ計画、月と地球の関係など、幅広い領域につなげて子どもたちの興味・関心を引き出せるのではないかと思う。

なお、今回のワールド2つを実際に使った授業向けのライブレッスンが3月から4月にかけて開催されている。日本時間でも参加しやすい時間枠がいくつかあり、現在申し込み受付中である。先生が代表して申し込めば学級単位で参加できるようだ。興味のある方は、ぜひ参加してみてほしい。

「Artemis Missions」の紹介動画

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