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Switchでも無料!マイクラでBBC Earth「Frozen Planet II」の凍った世界を探検しよう
教育版マインクラフト ワールド紹介その⑨
2023年1月24日 12:03
豊富なレッスンプランやワールドテンプレートが随時追加されている教育版マインクラフト。今回は教育版だけでなく、統合版やSwitchのマーケットプレイスでも無料配布されている英国BBC Earthスタジオ制作の番組「Frozen Planet II」シリーズをベースにしたワールドを紹介しよう。全部で5つのワールドがリリースされているが、本稿では「Frozen Worlds(凍った世界)」を中心にお届けする。
このワールドは、北極と南極、その周辺の厳しい環境の中で暮らす生き物たちについて、マインクラフトを通して学習・体験するというもの。プレイヤーは、ミニゲームの中で3種類の生き物の暮らしを体験し、さらにカメラマンとなってその地域の生き物を記録していく、という流れになっている。
凍った世界の探検に出かけよう
それでは、いつものようにワールドを開いていこう。今回紹介する「Frozen Worlds」は、主題ライブラリの「気候と持続可能性」の中にある。本稿執筆時において、タイトルや説明の一部が英語のままであるが、中身はほとんど日本語対応しているので安心して欲しい。
新しいワールドを作成すると、部屋の中からスタートする。画面には注意書きとして、もともと一人称視点でスタートした状態を「三人称視点に変更してください」と指示する英語のメッセージが表示されている。
パソコンで操作している場合は、「F5」キーで視点が切り替えられるのでやってみよう。ファンクションキーがないタブレットの場合は、一度ゲームを中断し、[設定]-[ビデオ]から視点を変更しておこう。
ドアを開けて外に出るとムービーがはじまる。しばらくすると、ホッキョクグマの姿になって北極海の氷山の上に出現した。ここからがゲームのはじまりだ。画面には、このホッキョクグマゲームについての説明が表示されるので読んでおこう。
ミニゲーム①:母グマになって子グマを連れて移動しよう
まわりを見渡すと、近くに子グマが2頭いる。母グマとして、この子グマたちを連れて餌場まで移動するのがこのミニゲームのゴールだ。通過ポイントが、空に向かって光るビーコンで示されているので、そこを目指して進もう。
途中には、子グマを襲ってくる雄グマの姿もちらほら。ホッキョクグマの雄は、我が子以外の子グマを襲う習性があるという。この雄グマを威嚇して撃退し、さらに途中で遊びに行ってしまう子グマたちを呼び寄せながら進んで行かなければならない。
雄グマに子グマが襲われてしまったり、子グマが海に落ちてしまうなどトラブルが発生すると、直前の通過ポイントまで戻されてしまう。心折れずに進むにはなかなか厳しいゲームである。
カメラマンになって生き物を記録する研究ゲーム
ミニゲームがクリアできると、続いてはカメラマンとして研究ゲームに参加する。教育版マイクラの人気アイテムの一つ「カメラ」が、このゲーム中ではグレードアップしてプロが使う一眼レフのような外観に。カメラを使おうとすると、ファインダーを覗いたときのような表示になるが、スマホに慣れている子どもたちにとっては、珍しい体験かもしれない。
広大な北極には、ホッキョクグマの他にアザラシもいて、生き物を見つけたら撮影しよう。すると、日誌に記録される。何種類かの生き物を撮影してミッションをクリアしたら、次のミニゲームがはじまる。
ミニゲーム②:南極海のシャチのリーダーになってアザラシを狙え!
続いては、南極の海に移動する。次なる生き物は海の王者とも呼ばれ、知性が高いシャチだ。シャチは母親を中心とした群れで生活しており、そのリーダーとなって、餌となるアザラシを狙うというゲームだ。仲間を連れて海中を移動して、アザラシを発見し狩りを成功させなければならない。
途中、シャチのことを「クジラ」と呼んでいるテキストも出てくるが、シャチは英語で「killer whale(キラーホエール)」でクジラの仲間には違いないので読み替えて見て欲しい。水中に現れる輪をくぐって仲間を集め、アザラシが休んでいる流氷の近くに移動したら一気に群れで移動して狩りをする。
シャチは、1頭あたり1日1匹のアザラシが餌として必要らしい。群れが大きいと狩りも大変である。このゲームは3回狩りに成功するのがゴール。
シャチゲームが終わると、南極の観測体験がはじまる。ここでも写真を何枚か撮って記録していく。
ミニゲーム③:ツンドラ地帯のラップランドマルハナバチになって卵を守る
続いては、ツンドラ地帯に移動する。この地域では、短い春の期間に植物が一斉に花を咲かせ、さまざまな生き物たちが活発に活動する。
このミニゲームに登場するのは、ラップランドマルハナバチという珍しいハチである。筆者もこのワールドを体験するまで、そんなハチが地球上で暮らしていることを知らなかったのだが、かなり面白い生態をしているようだ。
ゲームでは、女王蜂になって自分の食事である蜜を補給しつつ、ときどき巣に戻って自分の卵を温めるという作業を繰り返す。卵が冷えて死んでしまうのを防ぐためだ。
ゲーム中では制限時間3分で、この作業を繰り返しながら、蜜も決まった数集めなければならない。ゲームとしてはシンプルなのだが、やってみると慣れるまで結構時間がかかってしまった。卵は守れても、蜜が集まらないとクリアにならないので頑張って欲しい。じっくり取り組めるだけの時間を確保して臨むのがおすすめだ。
余談だが、教育版マイクラの中にはハチになって蜜を集めるワールド「クリエイティブクラッシュ:働きバチ」(通称「はちみつカップ」)を筆頭に、ハチに乗ってミツバチの生活を学ぶワールド「ハチと建築」といった、ハチを題材にしたものも少なくない。生態系の維持に重要な役割を果たしているハチについて、楽しく学んで欲しいという教育者たちの思いがあるのだろう。
このミニゲームも終了後に研究ゲームがはじまる。何枚か写真を撮り終わったら観測所に戻り、リサーチャーに資料を渡そう。リサーチャーからは、生き物たちの環境が大きな変化にみまわれていることが伝えられ、彼らの暮らしを守るためにがんばろうというメッセージを最後に、ワールドの体験は終了する。
全てのミッションが終了すると、修了証の代わりとなるスクリーンショット用画像が表示される。是非記念に撮っておきたいところ。
他4つのワールドには、さらに多様な生き物たちが
英国BBC Earthの番組「Frozen Planet II」シリーズをベースにしたこのワールド。繰り返しになるが、全部で5つのワールドがリリースされており、残りの4つのワールドもぜひ挑戦してほしい。
5つの全タイトルは、以下の通り。なぜか「凍結の頂き」だけ日本語タイトルで表示されているが、それ以外は全部英語表記である。いずれも「気候と持続可能性」カテゴリーにあるので探してみて欲しい。
・Frozen Worlds(本稿)
・Frozen South
・Frozen Land
・Frozen Ocean
・凍結の頂き(Frozen Peak)
今回登場した、ホッキョクグマ、シャチ、ラップランドマルハナバチは、別のワールドにも登場する。加えて、お馴染みのペンギンや、珍しいカメレオンの仲間なども登場してくるので、子どもたちは楽しめるはずだ。
なお、一連のワールドはマルチプレイには対応していない。各自の端末でマイペースに取り組むことになるが、クリアがむずかしい部分は仲間で協力し、戦略を共有しながらやるのも面白いと思う。また一定の時間取り組んでみて、最後に気に入った生き物について追加で調査し、まとめを発表をし合うといった使い方もできそうだ。
また英語になるが、教師用のプレゼンテーション資料もわかりやすい物が提供されている。英語の授業に取り入れるのもよいかもしれない。
ちなみに、このFrozen Planet IIシリーズの5つのワールドは、教育版だけでなく、統合版向けもマーケットプレイスを通して無料配布されている。ご家庭のSwitchなどでもすぐに遊ぶことが可能だ。
ミニゲームを通して生き物の暮らしを体験し、さらに環境問題やSDGsにもつなげられるこのワールド。学校、家庭など多くの場でぜひ体験して欲しいと思う。
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