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教育版マインクラフト、平和をテーマにした新ワールド「Active Citizen」を公開

ノーベル平和賞受賞者の軌跡から学ぶ

新ワールド「Active Citizen」は、世界112カ国、29言語で提供される

米マイクロソフトは2022年3月1日、同社のブログで、Mojang Studiosがノーベル平和センターと非営利団体 Games for Changeと提携し、教育版マインクラフトに新しいワールド「Active Citizen」をリリースしたと発表した。

「Active Citizen」は、過去と現在のノーベル平和賞受賞者をマインクラフトの世界に登場させ、行動によって平和が達成されるという学びを提供する。ゲームを通して、学習者は民主的、平和的にポジティブな変化をもたらすために、どのようなスキルが必要なのか、理解を深め、自分たちも平和へのビジョンを持ち、そのビジョンをマインクラフトの世界で実現させていく。

具体的には、ワールドに用意されたノーベル平和センターで、ノーベル本人と4人の平和賞受賞者の活動について学べるようになっている。

マイクラ世界に再現されたノーベル平和センターへ

「Active Citizen」のワールドは、教育版マインクラフトのライブラリ―にある「主題キット」-「社会的情動」の中に入っている。

ワールドに入ると、プレイヤーはノーベル平和センターの前に出現する。迎えてくれるのは「アルフレッド・ノーベル」その人である。ノーベルといえば、マイクラの人気アイテムの1つ「TNT」より前にダイナマイトを発明した化学者としても知られている。平和センターの中にも、TNTに関するちょっとした展示が用意されているようだ。

アルフレッドノーベルに迎えられる
ノーベル平和センターの中にもTNTが展示されている。ボタンがあやしい

平和センターの中には4人のノーベル平和賞受賞者が展示されている。パキスタンにおける女性の教育平等を訴えた人権活動家 マララ・ユスフザイ 氏、ケニア出身の女性環境保護活動家 ワンガリ・マータイ氏、ノルウェーの極地探検家で、難民支援の先駆者 フリチョフ・ナンセン氏、チベット問題の平和的解決に尽力したチベット仏教最高指導者 ダライ・ラマ14 世についての展示があり、それぞれ見て歩くことができる。

マララ・ユスフザイ 氏
ダライ・ラマ14 世
ワンガリ・マータイ氏
フリチョフ・ナンセン氏

また各受賞者の展示スペースにあるボタンを押すと、ノーベル平和センターのポータルサイトで公開されている動画コンテンツへジャンプし、さらに深く学べるようになっている。YouTubeの動画なので、自動翻訳で日本語を選ぶことも可能。教室での視聴もしやすいだろう。

各受賞者の展示スペースにあるボタンを押すと…
動画コンテンツへジャンプする

さらに展示を見るだけでなく、各受賞者が、当時置かれていた立場や解決のための活動について、それぞれの世界にプレイヤーが飛び込んで手助けをするアクティビティも用意されている。例えば、グリーンベルト運動の創設者であるワンガリ・マータイ氏の場合、あちこちで荒れ果ててしまった土地に植樹をしていくお手伝いをすることになる。

世界に飛び込んでお手伝い。この世界では、植樹が必要らしい

他の受賞者にも、それぞれのアクティビティが用意されており、受賞者たちが取り組んできた活動についての理解を深めていく。

これに加え、プレイヤーはビルディングチャレンジ用の別の会場に向かうこともできる。学んだことを生かし、自分なりの新しいビジョンをこの場所で表現するのだ。今後、ノーベル平和センターでは、このビルディングチャレンジの展示会も計画しているという。

ビルディングチャレンジ用の会場。あなたは何を作りますか。学んで得た自分なりのビジョンを表現しよう

ちなみに、「Active Citizen」のワールド公開に合わせて、ノルウェーのノーベル平和センターより30分ほどのウェビナーが開催された。

筆者はこのウェビナーをライブ時間で視聴したが、ノーベル平和センター、ノーベル財団、教育版マインクラフトチームのリーダーといった関係者からのメッセージが寄せられており、最後にノルウェーの教育担当大臣トンジ ・ブレナ (Tonje Brenna) 氏もコメントされていたのが印象的だった。非常に強力なパートナー関係で、新しいワールドが生み出されたようだ。ウェビナーでは前述した4人の平和賞受賞者の様子も流れ、映像の濃厚さに我知らず涙ぐみかけていたのは内緒だ。

ノルウェーの教育大臣トンジ ・ブレナ (Tonje Brenna) 氏からもコメントが寄せられていた

このウェビナーは、教育版マインクラフト公式サイトの「Active Citizen」から見ることができる。

今回の「Active Citizen」のワールドやウェビナーを覗いてみて、子どもたち、そして大人たちが、教育版マインクラフトを通して体験し学ぶことで、1人1人が能動的に活動する市民として振る舞い、社会に変化を起こせるかもしれないと思った。

この月末にも、アカウントなしで利用できる無料のデモレッスンとして、提供される予定だそうだ。2022年4月からの新しい年度に向けて、ぜひ、学校の中でも実際に試して、授業に活用してほしい。