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日本マイクロソフト、これからの「学び方・教え方・働き方」に必要な教育ソリューションを展示
――第13回教育総合展「EDIX東京」展示会場レポート①
2022年5月12日 08:34
第13回 EDIX(教育 総合展)東京レポート 目次
第13回教育総合展「EDIX東京」が、5月11日からスタートした。今年は昨年に比べて、教育関係者の出足も好調で初日から賑わいを見せた。13日(金)まで東京ビッグサイト西展示棟で開催されている。
GIGAスクール構想によって、1人1台端末の活用が当たり前になった教育現場。現在は、さらにICT活用を進めるインフラ整備や教員の働き方改革、ハイフレックス授業など児童生徒の多様な学びの実現に向けた対応が求められている。日本マイクロソフトのブースでは、Microsoft 365 関連のサービスやSurfaceシリーズを中心にさまざまなソリューションが展示されていた。
TeamsのEducation Insightsを使った児童生徒のケア
これからの学びに求められるのは、多様な子どもに合わせた学習支援。「公正な教育実現先生」のコーナーでは、Microsoft TeamsのEducation Insightsを使った児童生徒のケアなどについて展示していた。1つめは心のケア。たとえばReflectによって「今日の気持ち」を定期的に5段階から選ばせることで、教師が小さなSOSに気付き、個別にケアできるようにするという。
また、課題提出状況やリフレクションの状況など児童生徒の学びのプロセスを教師が把握できるようなダッシュボードも展示。普段のコミュニケーションをさらに深めるのに役立ちそうだ。
Microsoft 365を活用して生徒の能力を引き出す
「子どもの能力引き出し先生」のコーナーでは、Microsoft 365をはじめとするMicrosoftの機能を活用して生徒の能力を引き出す提案を展示。
たとえば、Microsoft FormsとMicrosoft Teamsを使ってオンライン授業をしている最中にクイズ形式で問題を出してリアルタイムで集計する例や、Microsoft Formsで集めた児童生徒の意見、感想、振り返りなどの文章からテキスト分析でよく使われている単語を可視化する例、音声読み上げ機能のイマーシブリーダーにより自分のペースでリスニング学習をする例などが紹介されていた。
文科省のガイドラインを実現するセキュリティ
1人1台端末の活用をさらに広げたり、新しい学びにチャレンジしていくためには、教師が安心して教えられるセキュリティーの整備も必要だ。セキュリティのコーナーでは、教育向けMicrosoft 365ライセンスに含まれるセキュリティ機能、特に最上位のMicrosoft 365 Education A5に含まれるセキュリティ機能を展示していた。
背景にあるのは、文部科学省が2022年3月に提示した「教育情報セキュリティポリシーに関するガイドライン」の改訂。これにより、アクセス権限を適切に設定することで、校務系PCと学習系PCを使い分けなくてもよくなった。
ブースでは、Web上の安全でないサイトをブロックする機能や、安全でないファイルのダウンロードをブロックする機能、安全でないファイルを実行させない機能、機微情報ファイルにラベルを設定してUSBドライブなどへのコピーを禁止する機能などをデモ。こうしたアクセス権限を設けることで、教師は1台のPCで授業と校務をできるようになり、業務効率化も大きく進みそうだ。
Microsoft 365を活用して教師の働き方を改善
校務DXのコーナーでは、Microsoft 365を活用して教師の働き方を改善する提案が展示された。
たとえば従来の欠席・遅刻連絡は、決まった時間に電話で行なうため、保護者も教師もその時間に用意しなければならなかった。そこでMicrosoft FormsとPower Automateを使い、保護者がいつでもインターネット経由で入力し、フォームに入力されると教師に通知されるようにする例だ。これにより、教師の電話当番の負担が軽減したという。
また、体温など健康観察を紙のカードで毎朝提出していたのを、同様にMicrosoft Formsで入力できるようにしてデジタル化。Microsoft Excelに蓄積して教師みんなで共有できるようにした。特定の気になる項目についてアラートを設定することで、個別に声かけ対応もできるようになった。
そのほか、保護者面談の調整で、各自に第5希望まで紙に記入して提出してもらったものから調整していたのを、Microsoft Bookingで“美容院の予約システムのように”オンライン調整できるようにしたことで、教師も保護者も負担が減ったという。
現行Surfaceシリーズを展示
「Surface Experience Center」コーナーでは、現行のSurfaceシリーズ製品をすべて並べて展示。一部はタッチ&トライできるようになっていた。
中でも教育用として前面に置かれていたのが、教育機関限定で2万円台からの価格で販売している「Surface Laptop SE」だ。クラウドファーストのOS「Windows 11 SE」を搭載。展示では、教育版マインクラフトが軽快に動く様子がデモされていた。Microsoft TeamsやWord、PowerPointなど学習で多く利用するアプリも快適に動き、かつ、Officeアプリはオフラインでも使用できる。
また、2021年に発売された2-in-1パソコン「Surface Pro 8」も前面に展示され、特にペンの書き心地をデモしていた。学校現場では、小学校、中学校、高校と手書きのニーズも高く、Surface Pro 8は紙に書いているような感覚でペンを動かすことができる。
そのほか、グループ活動や協働学習に活用しやすいデジタルホワイトボード型で50インチの「Surface Hub 2S」も展示されていた。
大塚商会:AVD導入やPCプロビジョニングなどを支援
大塚商会のコーナーでは、学校のICT導入や活用の支援について展示していた。
1つめはMicrosoftのDaaS(Desktop as a Service)である「Azure Virtual Desktop(AVD)」。PC教室のある学校で検討が始まっているという。
2つめは、多数のPCをまとめてプロビジョニング/キッティングするWindows Autopilot。山口県教育委員会では、Autopilotにより4か月で25,500台のSurfaceを一斉導入したという。
3つめは、Microsoft 365の利活用推進サービス「FastTrack」。大塚商会はMicrosoft認定のFastTrack Ready Partnerとして支援している。
Sky:SKY MENU Cloudを展示
Skyのコーナーでは、学習活動端末支援Webシステム「SKY MENU Cloud」を展示していた。Web上で教師と生徒がつながり、各自のフォルダを持って教材を配布したり作品を提出したりでき、授業ノートなどの機能もある。