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教育向けに長距離 Wi-Fi「IEEE 802.11ah」を参考出品、太陽光パネルでカメラも稼働、フルノシステムズ
――第13回教育総合展「EDIX東京」展示会場レポート⑤
2022年5月19日 06:35
第13回教育総合展「EDIX東京」で見た、編集部が注目する製品・サービスを紹介したい。今回は、株式会社フルノシステムズ。同社のブースでは、「Wi-Fi 802.11ahで広がる未来」と題したコーナーで、IEEE 802.11ahの製品を参考出品し、応用例を紹介していた。
第13回 EDIX(教育 総合展)東京レポート 目次
IEEE 802.11ah(Wi-Fi HaLow)はWi-Fi技術の一種だが、Wi-Fi 6(802.11ax)やWi-Fi 5(IEE 802.11ac)などとは性質や使い方が異なる。通常のWi-Fi規格が高速大容量を目指したのに対し、1kmほどの長距離や低消費電力を特徴としている。周波数は920MHz帯を使う。
その特徴から、農業や災害対策、社会インフラ監視、製造業など、センサーからの信号を送信する用途などが想定されている。教育の分野でいうと、学校の校庭などを含んだ全域をカバーすることから、学校校門の防犯や、学校の戸締まり、体育館などにも使えるとブースでは説明されていた。
サブGHz帯を使った長距離と低消費電力の無線通信としてはLPWAの各技術もある。ブースでは、一般的なLPWAではできない点として、ライブ映像配信をデモしていた。IEEE 802.11ahでは帯域幅に1MHz幅、2MHz幅、4MHz幅の3種類がある。デモでは、1MHz幅と4MHz帯の2種類でライブ映像を配信し、1MHz幅では動きがぎこちないが防犯レベルなら問題ないこと、4MHz幅なら普通に見えることを見せていた。
ブースでは、フルノシステムズのIEEE 802.11ah対応アクセスポイント(参考出品)に、親会社の古野電気が開発中の高感度カメラ(参考出品)を組み合わせ、さらに太陽光パネルと組み合わせた映像配信をデモしていた。
そのほか、IEEE 802.11ah通信の付いた温湿度CO2センサーや、通信試験用の他メーカー製IEEE 802.11ah対応タブレットなども展示していた。
なお、IEEE 802.11ahはまだ国内で認可されていない。ブースの説明では、2022年夏に法令化する予定で、その後の秋ごろに商品化を考えているという。