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Apple、iPad活用の先に見えてきた、Macを活用する学習環境

――第13回教育総合展「EDIX東京」展示会場レポート③

5月11日から13日にかけて開催された第13回教育総合展「EDIX東京」。ここまで日本マイクロソフトやGoogleのブースを紹介してきたが、本稿では、MacやiPadなどApple製品を中心に扱う株式会社Tooのブースを紹介しよう。

第13回 EDIX(教育 総合展)東京レポート 目次

  • ・学校が変わり始めた!先生と子どもが幸せに学ぶために、テクノロジーが実現できること――EDIX東京 日本マイクロソフトブース 特別レポート[SPONSORED]
  • ・幼稚園や保育園も進むIT化。連絡帳から学習ロボットまで、ITツールがどんどん身近に
  • ・【動画で見る】なぞるだけで自動翻訳&発語するペン型スキャナー辞書「NazoritAI Pro」、サインウェーブ
  • ・【動画で見る】教室の電子黒板で校内放送を視聴、Zoomと連携した遠隔アプリとプログラミングロボット、エルモ
  • ・【動画で見る】学校にプロ向け配信環境を!撮影・編集・配信をトータルで提案するBlackmagic Design
  • ・【動画で見る】AIとデータサイエンスを駆使して個別最適な学びを実現する学習支援、コニカミノルタのtomoLinks
  • ・【動画で見る】授業クラウドでGoogle Classroomの教材を他校の教員と簡単に共有できる、チエルのInterCLASS Learning Share
  • ・【動画で見る】自動出欠確認や課題提出、ハイフレックス授業をサポートするZoomの拡張機能「Class」
  • ・マイクラ、micro:bit、ロボット、EDIX東京で見たプログラミング教材を紹介
  • ・オンライン授業で学生の画面を見ながら指導できる、ワッセイ・ソフトウェア・テクノロジー
  • ・教育向けに長距離 Wi-Fi「IEEE 802.ah」を参考出品、太陽光パネルでカメラも稼働、フルノシステムズ
  • ・自動採点・記憶定着・進捗管理はデジタルでサポート、EDIXで見た今どきの個別教材
  • ・Apple、iPad活用の先に見えてきた、Macを活用する学習環境
  • ・Google、教師用Chromebookや連携ソリューションを充実、新しい学びに向かって
  • ・日本マイクロソフト、これからの「学び方・教え方・働き方」に必要な教育ソリューションを展示
  • ・EDIX東京 今年の会場案内図
  • まず注目したいのが、iPadではなく、Macを使った学習を提案する「Empowers your education」コーナー。

    私立中高などでiPadを導入している学校では、活用が進むにつれて、動画編集やプレゼンテーションといった表現・創作活動が増えている。しかも、生徒がつくる制作物も進化しており、より本格的に創作できる環境を求めて、コンピューター教室などにMacを導入する学校が増えつつあるようだ。

    「Empowers your education」コーナー

    そうした動きに伴い、Appleでは高校生などがMacを使って高度な内容を学んだり、創作できるような学習環境を用意。そのひとつとして、ブースでは、Mac&Xcode&機械学習APIでコードレスでARコンテンツを作成するところをデモしていた。

    デモでは、靴の写真を50枚ほど集めてそれを元にAppleのAPI「Object Capture」で3Dモデルを作成。その3Dモデルを開発ツールXcodeに取り込み、コードの雛形にアクションを追加することで、iPhoneのARアプリを作ってみせた。

    靴の写真からAppleのAPI「Object Capture」で3Dモデルを作成
    Xcodeでコードの雛形
    アクションを追加
    iPhoneのARアプリを作成

    このようにARによって三次元の教材やアウトプットが作成できるようになると、教師や生徒の学習体験は大きく変わりそうだ。

    また、iPadでひろがるクリエイティビティのコーナーでは、iPadを学校教育で活用する方法として、Appleが無料で提供している学習支援ツール「スクールワーク」や「クラスルーム」アプリ、さらには文書アプリ「Pages」やプレゼンテーションアプリ「Keynote」、動画編集アプリ「iMovie」や「Clips」などの標準アプリを用いて実践できる利用例を紹介していた。

    iPadでひろがるクリエイティビティのコーナー

    ちなみにAppleでは、教育現場におけるクリエイティブな活動を支援するために、「Everyone Can Create」「Everyone Can Code」というカリキュラムも用意している。

    また先日は、iPadの活用事例やヒントをまとめた教育サイトも公開。GIGAスクール構想の取り組みで培った知見や実践例などの情報を提供している。

    Apple製品をさらに活かせる教育サービス

    ブースの一番目立つところでは「VTuber先生セット」が展示されていた。VTuberのようにバーチャルキャラクターがリアルタイムで話すオンライン授業のために、必要なハードウェアやソフトウェア、サービスなどをセットにしたものだ。

    オリジナルキャラクター2種に、実際の人間の動作を元にアニメーションを作る「Adobe Character Animator」、映像をリアルタイム合成する「Blackmagic ATEM Mini Pro」などをセット。レクチャーなども行なうという。

    ブースでは実際に、リモートの説明員がバーチャルキャラクターで説明し質問に答えていた。

    VTuber先生セット

    また、ブースの奥ではBlackmagic Designの製品などを組み合わせたリモート授業の支援ソリューションを実演。

    リモート授業支援のソリューション
    ATEM Miniシリーズ上位の「ATEM Mini Extreme ISO」と、Macから操作する「ATEM Software Control」

    そのほか、映像編集ツールの「DaVinci Resolve」や、画像や動画を簡単に作成できるクリエイティブツール「Adobe Creative Cloud Express」などについても展示していた。

    DaVinci Resolveの展示
    Adobe Creative Cloud Expressの展示

    このように、これからの学びは、児童生徒がよりクリエイティビティを発揮できるような学習環境が求められる。学校現場では、iPadだけでなく、本格的な制作に取り組めるMacとの併用がさらに増えていくだろう。