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Apple、iPad活用の先に見えてきた、Macを活用する学習環境
――第13回教育総合展「EDIX東京」展示会場レポート③
2022年5月17日 06:35
5月11日から13日にかけて開催された第13回教育総合展「EDIX東京」。ここまで日本マイクロソフトやGoogleのブースを紹介してきたが、本稿では、MacやiPadなどApple製品を中心に扱う株式会社Tooのブースを紹介しよう。
第13回 EDIX(教育 総合展)東京レポート 目次
まず注目したいのが、iPadではなく、Macを使った学習を提案する「Empowers your education」コーナー。
私立中高などでiPadを導入している学校では、活用が進むにつれて、動画編集やプレゼンテーションといった表現・創作活動が増えている。しかも、生徒がつくる制作物も進化しており、より本格的に創作できる環境を求めて、コンピューター教室などにMacを導入する学校が増えつつあるようだ。
そうした動きに伴い、Appleでは高校生などがMacを使って高度な内容を学んだり、創作できるような学習環境を用意。そのひとつとして、ブースでは、Mac&Xcode&機械学習APIでコードレスでARコンテンツを作成するところをデモしていた。
デモでは、靴の写真を50枚ほど集めてそれを元にAppleのAPI「Object Capture」で3Dモデルを作成。その3Dモデルを開発ツールXcodeに取り込み、コードの雛形にアクションを追加することで、iPhoneのARアプリを作ってみせた。
このようにARによって三次元の教材やアウトプットが作成できるようになると、教師や生徒の学習体験は大きく変わりそうだ。
また、iPadでひろがるクリエイティビティのコーナーでは、iPadを学校教育で活用する方法として、Appleが無料で提供している学習支援ツール「スクールワーク」や「クラスルーム」アプリ、さらには文書アプリ「Pages」やプレゼンテーションアプリ「Keynote」、動画編集アプリ「iMovie」や「Clips」などの標準アプリを用いて実践できる利用例を紹介していた。
ちなみにAppleでは、教育現場におけるクリエイティブな活動を支援するために、「Everyone Can Create」「Everyone Can Code」というカリキュラムも用意している。
また先日は、iPadの活用事例やヒントをまとめた教育サイトも公開。GIGAスクール構想の取り組みで培った知見や実践例などの情報を提供している。
Apple製品をさらに活かせる教育サービス
ブースの一番目立つところでは「VTuber先生セット」が展示されていた。VTuberのようにバーチャルキャラクターがリアルタイムで話すオンライン授業のために、必要なハードウェアやソフトウェア、サービスなどをセットにしたものだ。
オリジナルキャラクター2種に、実際の人間の動作を元にアニメーションを作る「Adobe Character Animator」、映像をリアルタイム合成する「Blackmagic ATEM Mini Pro」などをセット。レクチャーなども行なうという。
ブースでは実際に、リモートの説明員がバーチャルキャラクターで説明し質問に答えていた。
また、ブースの奥ではBlackmagic Designの製品などを組み合わせたリモート授業の支援ソリューションを実演。
そのほか、映像編集ツールの「DaVinci Resolve」や、画像や動画を簡単に作成できるクリエイティブツール「Adobe Creative Cloud Express」などについても展示していた。
このように、これからの学びは、児童生徒がよりクリエイティビティを発揮できるような学習環境が求められる。学校現場では、iPadだけでなく、本格的な制作に取り組めるMacとの併用がさらに増えていくだろう。