ニュース

さいたま市の教職員6000名に「お助け学校AI」を提供、教育ネット

校務の負担軽減や教員の働き方改革の効果を検証

生成AIの校務支援・学習支援サービス「お助け学校AI」をさいたま市の小中学校と特別支援学校に導入する実証事業を開始

株式会社教育ネットは、教育機関・学校現場に特化した生成AIの校務支援・学習支援サービス「お助け学校AI」をさいたま市の市立小学校と中学校、特別支援学校に導入する実証事業を開始した。

同事業は、さいたま市が推進する「さいたま市スマートスクールプロジェクト(SSSP)」の一環として、教育ネットとさいたま市が共同で実施するものである。

同事業では、さいたま市内の市立小学校、中学校、特別支援学校における約6,000名の教職員を対象に「お助け学校AI」が校務の負担軽減や働き方改革、創造的な活動の推進にどのように貢献できるかを検証する。具体的には、管理職や各教科の担当教員、学級担任、事務職など、さまざまな立場の教員がAIを活用できる環境を整備し、その効果を実証する予定となっている。

教育ネットは、さいたま市教育委員会と連携し、SSSPの一環として市内の教職員100名以上を対象に、生成AIの理解を深めるための研修会を8月5日に実施した。さいたま市は、今後も業務改善に取り組む複数の市立学校において、全教職員向けに生成AIを使った業務改善研修を実施する予定だ。

さいたま市内の教職員100名以上を対象に、生成AIの理解を深めるための研修会を8月5日に実施

さいたま市では、2024年3月に公表したSSSPの成果を「SAItame(サイタメ)情報サイト」に取りまとめ、授業と校務で生成AIを活用する方針を打ち出している。現在同サイトでは、小中学校の国語と小学校の総合の授業で活用する例のほか、生成AIを教育活動に利用する場合の留意事項やチェックリストなどを掲載している。

小中学校の国語や小学校の総合の授業における生成AIの活用例を掲載

文部科学省の調査では、教育現場における教員の約6割が月45時間以上の時間外労働を行っており、教員志望者の減少や採用試験倍率の低下といった問題が深刻化している。こうした背景から、文部科学省は2025年度までに生成AIの校務活用を50%とするKPIを示しており、教育ネットは「お助け学校AI」を通じてその達成に寄与することを目指す。

教育ネットは、さいたま市での実証事業を皮切りとして、今年度下半期において数百校規模での「お助け学校AI」の導入を進めていくという。