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小学生の読書感想文 親の65%が手伝いも、AI活用は約6割が抵抗感ありと回答

株式会社DeltaXが運営する塾選びサービス「塾選」が、保護者と読書感想文の関わりやAI活用に関する調査結果を公表

株式会社DeltaXが運営する塾選びサービス「塾選」は、「小学生の読書感想文」に関する調査結果を2025年8月13日に発表した。

アンケート調査概要
調査対象:小学生の子供を持つ保護者(有効回答数100名)
調査時期:2025年6月
調査機関:自社調査
調査方法:インターネットを使用した任意回答
調査レポート名:「小学生の読書感想文2025」についての調査
※複数回答形式のアンケートは、合計が100%を超える場合がある

同調査によると、「子供が読書感想文を書くのを手伝いましたか?」という質問に対し、65%の保護者が「はい」と回答しており、子供が読書感想文を一人で書き上げることが難しいと感じている保護者が多いことがわかった。

65%の保護者が「小学生の読書感想文を手伝う」と回答(塾選ジャーナル調べ:「小学生の読書感想文2025」についての調査」)

最も多いサポート内容は「誤字脱字や表現のチェック」(58.5%)で、次いで「構成のアドバイス」や「感想を引き出す質問」(49.2%)が多い。単なる文章の添削だけでなく、感想文の核となる「自分の意見や感想」を形にするため、保護者が対話を通じて子供の内面を引き出そうとしている様子がうかがえる。

サポート内容は、「誤字脱字や表現のチェック」(58.5%)、「構成のアドバイス」、「感想を引き出す質問」(49.2%)が上位に(塾選ジャーナル調べ:「小学生の読書感想文2025」についての調査」)

「子供が選んだ本を読みましたか?」という質問には、51%の保護者が「はい」と回答しており、半数以上は親子で読書に取り組んでいることがわかった。

保護者の半数以上が読書感想文の題材となる本を読んでいる(塾選ジャーナル調べ:「小学生の読書感想文2025」についての調査」)

読書感想文にAIを使うことに対しては、「使ったことがなく、使うことに抵抗がある」が53%、「使ったことはあるが、使うことに抵抗感がある」が12%となり、合わせて約65%の保護者が否定的な姿勢を示した。

読書感想文でのAI利用は、約65%の保護者が「抵抗感あり」と回答(塾選ジャーナル調べ:「小学生の読書感想文2025」についての調査」)

読書感想文の書き方については、「AIを参考にした」の回答がわずか5%にとどまり、「読書感想文の書き方の本」(38%)や「インターネット上の記事記事」(32%)が参考にしたものの上位になっている。

読書感想文で参考にしたのは「読書感想文の書き方の本」(38%)が最多(塾選ジャーナル調べ:「小学生の読書感想文2025」についての調査」)

保護者からは、「読書感想文の目的は、子供が自分の言葉で表現力を養うこと」「AIに頼ると思考プロセスや表現力を養う機会が失われる」「一冊の本と向き合い、自分自身の言葉で表現しようと四苦八苦する経験そのものも目的」といった意見が寄せられている。一方で、「構成のヒント程度なら参考にしてもよい」「将来のためにAIに慣れることも必要」といった柔軟な考え方も見られた。

最後に、読書感想文を書き終えるまでの日数を聞いたところ、最多は「2~3日」(33%)で、「4~5日」「6~7日」が21%という結果となった。今回の調査では、短期間で書き上げている子供の割合も多く、子供たちのやる気をいかに引き出し、最後まで集中力を保たせるかという、モチベーション維持に課題があることも浮き彫りになっている。

読書感想文を書き終えるまでの日数の最多は「2~3日」(塾選ジャーナル調べ:「小学生の読書感想文2025」についての調査」)

多くの保護者は、子供が感想文でつまずくポイントとして「何を書けばいいかわからない」「書き方がわからない」「本を読むのが苦手」を挙げており、「『感情』に焦点を当てた問いかけ」「構成の型を教える」「メモを活用して考えを整理」といった工夫をしていることが明らかとなった。

保護者からは、以下のような声も寄せられている。

  • 何を書いたらいいか、また「感想って何?」状態だったので、感想文の概念の理解に苦労していた
  • 家にある「子供が読んだことがある本」の感想文を書いてお手本を見せた
  • 読書が嫌いなので、本を読むこと自体に苦戦していた
  • 感想が「面白かった」「楽しかった」「良かった」しか出てこず、「こういうことを書いてほしい」と思うことがなかなか出てこないのが大変だった
  • 誤字を書き直すと途端にやる気をなくすので、モチベーションが下がったら次の日に持ち越してリフレッシュさせた
  • なるべく親の文章にならないように書く内容や構成を教えることが難しかった

塾選は、子供の「心の声」を引き出す対話や、感想文の構成を簡単な言葉で説明し、書き出しやまとめ方のヒントを与えることが有効としている。また、読書感想文を一度に終わらせようとせず、小さな目標設定や適度な休憩、「ご褒美」の活用などで、子供のやる気を引き出し、保護者も一緒に取り組む姿勢を示すことで、子供が安心して課題に向き合えるとまとめている。