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楽天ブックス、読書感想文に関する調査結果を発表──AI活用には半数以上が反対

楽天グループ株式会社が、オンライン書店「楽天ブックス」において、小学生の読書感想文に関する調査結果を発表

楽天グループ株式会社は、オンライン書店「楽天ブックス」において、小学生の読書感想文に関する調査結果を2025年7月17日に発表した。

この調査は、小学生の子供を持つ楽天ブックスのユーザー1,348人を対象に実施したもので、読書感想文が夏休みの宿題として出る頻度や、親世代と現在の違い、AIなどのツール利用への意識などをまとめている。

■調査概要
調査エリア:全国
調査対象者:「楽天ブックス」ユーザー
回収サンプルサイズ:1,348サンプル
調査期間:2025年6月13日(金)~2025年6月22日(日)
調査実施機関:「楽天ブックス」
※同レポートでは小数点第2位以下を四捨五入しているため、合計値が必ずしも100%とならない場合がある

調査によると、読書感想文が夏休みの宿題に「毎年出る」と答えたのは約4割で、「出ない」「ほとんど出ない」とした回答も約4割に上った。読書感想文用の本を選ぶ方法では、「公共の図書館で選ぶ」が最も多く37.1%となった。

「毎年出る」は40.9%。「出ない」と「ほとんど出ない」の合計は、38.6%
読書感想文が「毎年出る」のは小学5年生が最多
「公共の図書館で選ぶ」「学校や先生から指定された本を読む」「書店で選ぶ」が上位に

また、読書感想文が「苦手」だとする子供を持つ保護者は全体の約6割にのぼり、「文章作成のサポート」が役に立つと考える人が8割以上に達した。親の支援状況については、「かなり手伝う」(28.1%)と「少し手伝う」(29.1%)の合計が過半数を占めており、家庭での支援が重要であることがうかがえる。

約6割の保護者は、自分の子供が読書感想文を「苦手」と回答
最も役立つのは「文章作成のサポート」
半数以上の保護者が子供の読書感想文を手伝う

親世代との比較では、44.9%の保護者が「とても変わったと思う」「少し変わったと思う」と回答。特に、「出題の頻度が減った」と感じる人が52.6%で最も多く、「本選びの自由度が上がった」などの回答も見られた。

44.9%の保護者が「とても変わったと思う」「少し変わったと思う」と回答
「出題の頻度が減った」と感じる人が52.6%で最多

一方で、読書感想文へのAIツール活用については、「反対」「どちらかというと反対」が全体の約6割となり、「自分で考える力が身に付かないから」といった意見が多く寄せられている。

64.9%がAIなどのツール活用をしないと回答
「反対」「どちらかというと反対」と回答した保護者が約6割

同調査では、小学生におすすめの本として『モモ』『赤毛のアン』『エルマーのぼうけん』を紹介しており、名作を通して子供たちの読書意欲を高める意図がうかがえる。

『モモ』(出版:岩波書店)

『モモ』(出版:岩波書店)

著:ミヒャエル・エンデ(著)、大島かおり(訳)
内容紹介:町はずれの円形劇場あとに迷いこんだ不思議な少女モモ。町の人たちはモモに話を聞いてもらうと、幸福な気持ちになるのであった。そこへ、「時間どろぼう」の男たちの魔の手が忍び寄る……。「時間」とは何かを問う、エンデの名作。小学5・6年以上におすすめ。

『赤毛のアン』(出版:新潮社)

『赤毛のアン』(出版:新潮社)

著:モンゴメリ(著)、村岡花子(訳)
内容紹介:ちょっとした手違いから、グリン・ゲイブルスの老兄妹に引き取られたやせっぽちの孤児アン。初めは戸惑っていた2人も、明るいアンを愛するようになり、夢のように美しいプリンス・エドワード島の自然の中で、アンは少女から乙女へと成長してゆくー。愛に飢えた、元気な人参あたまのアンが巻き起す愉快な事件の数々に、人生の厳しさと温かい人情が織りこまれた永遠の名作。

『エルマーのぼうけん』(出版:株式会社福音館書店)

『エルマーのぼうけん』(出版:株式会社福音館書店)

著:ルース・スタイルス・ガネット(著)、わたなべしげお(訳)、ルース・クリスマン・ガネット(絵)
内容紹介:年取った野良猫からどうぶつ島に囚われているりゅうの子供の話を聞いたエルマーは、りゅうの子供を助ける冒険の旅に出発する。どうぶつ島ではライオン・トラ・サイなど恐ろしい動物たちが待ち受けていた。エルマーは、知恵と勇気で出発前にリュックにつめた輪ゴムやチューインガム、歯ブラシを使って、次々と動物たちをやりこめていく。エルマーはりゅうの子供を助け出すことができるだろうか?