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見守りIoTツールで発達障害のある中高生の自立支援を検証、コクヨとシーアイ・パートナーズ

見守りIoTツール「Hello! Family.」を利用して発達障害のある中高生の自立支援を検証

コクヨ株式会社は、株式会社シーアイ・パートナーズと共同で、2024年5月から7月にかけて、発達障害を持つ中高生を対象にした自立支援の実証実験を実施した。

同実証では、シーアイ・パートナーズが運営する進路支援型放課後等デイサービス「すたありっと東住吉(以下、すたありっと)」で、見守りIoTツール「Hello! Family」を利用し、子供たちの自力通所や忘れ物の防止など、日常生活の自立度や施設職員の活動に関する検証を実施した。

Hello! FamilyシリーズのGPSキーホルダー「はろここ」は、子供たちが支援施設や学校に通う際、保護者や支援者が遠隔で現在地や経路を確認できる機能を提供している。同ツールの利用者からは、「保護者や施設職員の安心材料となり、子供に通所をチャレンジさせる後押しとなる」という意見が寄せられた。

GPSキーホルダー「はろここ」を付けて支援施設に通所する様子

さらに、忘れ物を防ぐための持ち物タグ「はろたぐ」、外出時にメッセージを送付できるIoTボタン「はろぽち」、やることリストを確認できる小型モニター「はろもに」を利用し、時間管理の意識付けや行動の習慣化などに取り組んだ。

持ち物タグ「はろたぐ」を日誌に装着して検証を実施

すたありっとの施設担当者による効果測定では、子供が持ち歩く日誌に「はろたぐ」を付けてから忘れ物の発生率が約60%減少し、「はろここ」を併用した場合は、忘れ物が70%減少した。

「はろたぐ」「はろここ」の利用による忘れ物回数の変化

同担当者は、大人が管理して見守るのではなく、子供たちの「『はろたぐ』を付けた」という意識や「日誌を持ち歩く」という意識が高まり、忘れ物の回数が減ったとコメントしている。

また、これまでは通所に関して保護者とすたありっとで連絡を取り、子供の様子をその都度ヒアリングしていたが、「はろぽち」を利用することで的確な支援が可能となり、子供たちの遅刻率が50%減少したという。

さらに、「はろもに」の利用結果では、やることリストを確認することで、忘れ物が減り、配布物を保護者に渡す率が80%上昇するなどの効果が確認された。

すたありっとの施設担当者は、これらのツールが子供の通所訓練だけでなく、家庭での生活リズムの把握やサポートにも役立ったと評価。「はろここ」や「はろぽち」を通じて、子供たちが予定を守る力を付けることができたとしている。

コクヨの見守りIoTツール「Hello! Family.」