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大学1・2年生の約6割が「キャリアの方向性が定まっていない」と回答~マイナビ調査

マイナビ 大学生低学年のキャリア意識調査(26・27年卒対象)

株式会社マイナビは、「マイナビ 大学生低学年のキャリア意識調査(26・27年卒対象)」の結果を発表した。同調査は、大学1、2年生の男女1,022名に、現時点の仕事や就職活動に関する考えを調査したもので、今回で7回目となる。

調査結果のトピックスとしては、大学卒業後に自分が就きたい仕事・キャリアの方向性が「決まっていない」と回答した学生が約6割。方向性を定められない理由は「これだというものに出会えていないから」「やり方が分からないから」が上位だったことがわかった。

また、大学1、2年生の74.2%が、将来「お金に対する不安」があると回答しており、将来について学びたいテーマの回答が「お金について」が最多となった。成人年齢が18歳に引き下げられたことについては、メリットの方が多いと思う学生が37.2%。さまざまな契約が自分でできることにメリットを感じる一方で、トラブルへの懸念もあるようだ。

■調査の概要

  • 調査対象:18歳~20歳の大学1、2年生
  • 調査方法:WEB調査(アンケートモニター提供元:GMOリサーチ株式会社)
  • 有効回答数:1,022名
  • 文理分類:文系男子193名 文系女子342名 理系男子156名 理系女子331名
  • 調査期間:2023年12月15日~2023年12月21日
    ※調査結果は、端数四捨五入の都合により合計が100%にならない場合がある

■決断できない理由「これだというものに出会えていないから」

大学1・2年生に、卒業後に自分が就きたい仕事・キャリアの方向性について聞いたところ、「全く決まっていない」「どちらかといえば、決まっていない」と答えた学生は59.5%で、前回調査の57.1%と比べて2.4ポイント微増した。理由は「これだというものに出会えていないから」が47.5%で最多、次いで「(方向性を定める)やり方が分からないから」で32.2%となった。

現時点において、大学卒業後に自分が就きたい仕事・キャリアの方向性が定まっているか
<仕事・キャリアの方向性が決まっていない学生限定>将来の仕事・キャリアの方向性を定め切れていない理由

また、キャリアの方向性が決まっていない学生は、決まっている学生と比較して、自分の特技や強み、適性について把握していない割合が18.5ポイント高く、「全く分からない」「どちらかというと分からない」という回答が52.8%で半数を超えた。

キャリアの方向性が決まっているかどうか×現時点で、自分の特技や強み、適正についてどの程度把握しているか

■74.2%の大学生が「お金に対する不安」があると回答

将来について不安に感じていることを複数回答で聞いたところ、74.2%が「お金に対する不安」と回答した。また、将来もっとも不安なことを一つ選んでもらった結果も「お金に対する不安(34.5%)」が最も多かった。

自分の将来に対して不安に感じていること・もっとも不安に感じていること

不安を解消するために現在実施していることは「アルバイト(69.2%)」「ポイ活(64.4%)」「貯蓄(61.8%)」が上位となり、将来に関することで現在学んでみたいことも、「お金について(66.7%)」が最多となった。

「お金に対する不安」を解消するために現時点から行っていること・将来に関するテーマの中で現在、学んでみたいと思っていること

現在の大学1・2年生は将来に対して金銭的な不安が大きく、不安に対する備えとしてアルバイトやポイント活動など、学生のうちから取り組みやすいことを実践していることが分かる。

■成人年齢の引き上げ、メリット・デメリットに感じる部分は?

18~20歳の学生に、成人年齢の引き下げについて聞くと、「メリットの方が多いと思う」「どちらかというメリットの方が多いと思う」と回答した学生は37.2%。「デメリットの方が多いと思う(29.3%)」学生を上回った。

成人年齢が18歳に引き下げられたことにより、早く成人年齢を迎えたことについての印象

メリットの方が多いと思う理由で、「一人暮らしをするときに制限がなくなった」「自分で契約できることがあり、責任感が伴うようになった」という回答があった一方で、デメリットの方が多いと思う理由として「大人としての責任を問われるということになるが教育活動が追い付いていないと思う」「自分で契約を結べるようになったことによるトラブルがある」などのコメントも見られた。

早く成人年齢を迎えたことについて、どのような点にメリット/デメリットを感じたのか

自分でさまざまな契約ができるようになったことや、それに伴って責任感が芽生えるようになったことは前向きにとらえているものの、判断力やリテラシーが充分ではない状態で契約ができてしまうことへの懸念や、トラブルへの心配もあるという声が挙げられた。