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通知表に「見えない成長」も反映を、9割の保護者が非認知能力の可視化を期待 イー・ラーニング研究所調べ
2025年6月27日 12:15
株式会社イー・ラーニング研究所は、同社が実施した「夏休み前・通知表に関する意識調査」の結果を2025年6月26日に公表した。調査対象は、小学生の子供を持つ親と親族に子供がいる人の計373人で、2025年5月3日から5月23日にかけて実施したもの。
同じ調査では、通知表に「非常に満足している」「ある程度満足している」と回答した保護者は27.3%にとどまり、学校側の意図や評価基準が保護者との間で差が生じている可能性が高いことがわかった。
通知表の評価にどんな内容が反映されるといいかを確認する設問では、「好奇心や主体的な学びの姿勢」「他者との関わり方や思いやり」「勉強への取り組み姿勢や努力のプロセス」など、非認知能力に関する回答が上位を占めている。
「成長」や「頑張り」など、点数では測れない部分が通知表に反映されているかを聞いたところ、「あまりそう思わない」「全くそう思わない」と答えた人が全体の7割に達している。この結果から「子供の努力や取り組む姿勢をきちんと見てほしい」「評価に反映してほしい」と考える親が多いことが判明した。
子供の非認知能力(知能・学力以外の人間性、社会性に関するスキル)の重要性に関する設問では、「非常に重要だと思う」(84.2%)、「ある程度重要だと思う」(15.3%)と、9割以上が回答。「学力以外の力」に注目が集まっている。
一方で、成績や点数よりも「過程」や「人間性」を重視する教育観に変わっているかという設問に対し、「とてもそう思う」「少しそう思う」を合わせた回答が6割以上という結果になった。同社は、通知表に反映してほしい項目や、非認知能力に注目が集まっている調査結果を踏まえ、「教育の変化に対して通知表や学校での評価制度も変わるべき」と考えている親が一定数いることが示唆されたとしている。
非認知能力を育むために家庭で意識していることは、「子供が興味を持つことや、新しい挑戦に対する応援の姿勢」「結果よりも努力や工夫を褒めること」「子供の話をよく聞き、共感すること」など、それぞれの取り組みに意見が分かれた。
夏休み前に子供の成長を振り返る上で、何を重視すべきかを確認する設問では、「成績や学力の成果」が最も低く、「新しいことへ挑戦する意欲」の回答が最多に。このことから、「夏休み期間中の非認知能力の向上」を期待している親が多いことが考えられる。
最後に、非認知能力の可視化について聞いたところ、合計で90%の親が「通知表や学校からのフィードバックで評価されると良い」と回答した。同社では、非認知能力を客観的に測定・評価できる指標の確立のほか、子供一人ひとりの「見えない力」を丁寧に伝える新たな評価の形がますます求められると推察している。