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GIGAスクール構想による教育効果を感じている親は約4割、イー・ラーニング研究所調査
2024年3月29日 06:30
株式会社イー・ラーニング研究所は、子どもがいる親を対象に「NEXT GIGAと子どもの携帯端末についての調査」を実施した結果を発表した。
調査結果では、GIGAスクール構想による子どもの教育への効果を感じている親は約4割に留まり、NEXT GIGAについて知らない親が9割以上だった。
また、子どもが日常的にPCやスマートフォンを持つべきだと考える親は6割以上だった一方で、トラブルや時間の浪費に繋がるなどの懸念点も多かった。
子どもたちに身につけてほしいものとして多かったのは「正しい情報を選ぶスキル」だった。そして子どもがインターネットを安全に利用するために親の知識を学ぶ場がほしいと考えている親が9割以上いた。
【調査概要】
- 調査方法:紙回答
- 調査地域:全国
- 調査期間:2024年2月3日(土)~2024年2月28日(水)
- 調査対象:子どもを持つ親、親族に子どもがいる方 計437人
・GIGAスクール構想の子どもに対する効果を感じている親は約4割に留まる
GIGAスクール構想について「児童・生徒1人1台の学習用端末や校内ネットワーク環境整備など、子どもの教育に対する効果を感じますか」という問いについては、「はい」と回答した人は約4割(170)に留まった。
一方、「効果を感じる」と答えたうち、「どのような点にGIGAスクール構想の効果を感じますか(複数回答)」という問いでは、2割以上が「子どもがPCやスマートフォンの使用に慣れてきたから」(117)や「学校の教材がデジタル化しているから」(109)といった理由をあげており、子どもの日々の学習方法の変化からGIGAスクール構想の効果を感じている親もいることがわかった。
・「NEXT GIGA」は9割以上が認知していない
「2024年より、前年までに整備したネットワーク環境をより最新にアップデートしていく「NEXT GIGA」という言葉が新たに出てきていますが、「NEXT GIGA」を知っていますか」という問いに対しては、9割以上(399)の親が「いいえ」と回答した。文部科学省が積極的に「NEXT GIGA」を進めていく動きを見せる中で、まだ各家庭にはその動きの認知が広がっていないということが考えられる。
・小学生以下の子どもに日常的にPCやスマートフォンを持たせることに6割以上が賛成
「小学生以下の子どもが日常的にPCやスマートフォンを持つことについてどう思いますか」の質問では、「日常的に持たせるべきだと思う」が6割以上(272)となり、「学校のみに限るべきだと思う」(165)と考える親よりも多いことがわかった。
また、日常的に持つべきだと思うとする理由としては、「幼いうちに使い慣れておくべきだと思うから」(187)が第1位で最も多く、次いで「学習などに必要だから」(169)が2位となった。
・PCやスマートフォンなどの端末の懸念は「高額請求などのトラブル」
その一方で、小学生以下の子どもにPCやスマートフォンなどの端末をもたせる懸念点として、6割以上の親が「高額請求などのトラブルに巻き込まれる点」(265)と回答。次いで「インターネットやSNSに時間を浪費してしまう点」(252)と、「知らない人と連絡が取れてしまう点」(252)が同票となった。
・身に付けてほしいのは「正しい情報を選ぶスキル」
「今後、日常的に携帯端末を使用しインターネットに触れ始める年齢が若年化していくと考えられますが、その上で子どもたちに今後必要な知識やスキルは何だと思いますか(複数回答)」について、最も多い回答は「膨大な情報の中から正しい情報を選ぶスキル」(306)で6割以上となった。さらに、「インターネット上での犯罪や攻撃から身を守るスキル」(275)や「PCやスマートフォンを正しく操作するスキル」(252)も6割前後と多かった。
・9割以上が、親向けに子どもによる安全利用について学ぶ場を希望
さらに、9割以上の親が、親向けに子どものPCやスマートフォンなどの安全利用について学ぶ場がほしいと考えていることがわかった。
その学ぶ方法としては「子どもと一緒に参加できるワークショップへの参加」(257)や「リアル開催の講座への参加」(213)など、オフライン空間で直接学ぶ機会の回答が多かった。