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「ICT機器を使う授業は楽しい」と8割が回答、子どものICT利用に関する調査2023

東大社会科学研究所とベネッセ教育総合研究所

ICT機器の利用頻度

 東京大学社会科学研究所と株式会社ベネッセコーポレーションのベネッセ教育総合研究所は「子どものICT利用に関する調査2023」結果の速報を発表した。約8割の子どもが「ICT機器を使う授業は楽しい」という回答を得た。

 両者は2014年に「子どもの生活と学び」の実態を明らかにする共同研究プロジェクトを立ち上げ、小学1年生から高校3年生までの同一の親子モニター約2万1000組を対象に、以後、複数の調査を実施して12学年に渡る親子の意識や行動の変化を明らかにしてきた。

 今回の「子どものICT利用に関する調査2023」はこのプロジェクトのモニターの小学4年生から高校3年生9182名を対象に、2023年2月から3月までICT機器利用に関する意識や実態調査したもの。

ICT機器の利用頻度
ICT機器の利用に対する意識

 それによると、学校で約3割が週5日(ほぼ毎日)使用しているとの回答が最も多く、ICT機器利用の授業は楽しいと思うかは「とてもそう」と「まあそう」の合計が約8割となった。なお、ICT機器利用の意識と成績の関係はみられなかった。

 利用方法では「調べ学習」が全体の87.1%と多いが、小学校高学年、中学生、高校生と学校段階が進むにつれて利用方法の傾向が変化する。「写真や動画を撮影する」や「教科の練習問題を解く」は進級するにつれて低くなるが、反対に「学習内容を暗記する」や「テストを受ける」などは進級すると利用率は高くなる。

ICT機器の利用方法

 また、ICT機器の利用の効果実感では、週3日以上利用している人と、週2日以下の利用の人とでは、利用頻度が高いほうが効果を実感している。

ICT機器の利用の効果実感

さらに、教員によりICT機器の指導を受けているかどうかを得点化して指導高群、指導中群、指導低群に3等分、そのうえで効果を実感しているかどうかを数値化したものの比較では、指導が手厚いほど効果を実感していることが分かった。

教員による指導の影響

 一方、ICT機器の利用の課題としては、全体で「目が疲れる」が63.4%と最も多く、次いで「インターネットにつながらなくて困ることがある」が62.8%。「ICT機器を壊してしまわないか不安」が51.2%などとなった。

ICT機器の利用の課題認識

 なお、調査速報では、年ごとの授業でのPCやタブレットの利用率などの調査結果を発表している。

年ごとの授業でのPCやタブレットの利用率