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親子の幸せは相互に影響、ベネッセ教育総合研究所が6年間の追跡調査から分析
2024年12月19日 10:30
株式会社ベネッセホールディングスの社内シンクタンク「ベネッセ教育総合研究所」は、小学生から高校生までの親子の「幸せ実感」に関するデータをまとめ、2024年12月18日に発表した。
このデータは、東京大学社会科学研究所との共同プロジェクトで、12学年・約2万組の親子の意識・行動について2015年から継続調査している「子どもの生活と学びに関する親子調査」を新たに分析したものである。
親子の幸せ実感の状況では、子供の32.6%、保護者の30.9%が「とても幸せ」と回答し、それぞれの「まあ幸せ」を含めると85%以上が「幸せ」を感じていることが明らかとなった。
また、「とても幸せ」と回答した保護者の子供は46.6%が「とても幸せ」と回答した。一方で「幸せではない」と回答した保護者の子供が「とても幸せ」と感じている割合は、17.6%にとどまっている。
さらに、6年間にわたって同じ親子を追跡調査した結果では、保護者と子供の幸せ実感が相互に影響を与えるという循環的な関係が見られた。以下の図は「子供が小5のときに保護者が幸せを実感する」→「中2の子供が幸せを実感する」→「子供が高2のときに保護者が幸せを実感する」という関係を図示したものだ。
子供が幸せを実感する要因として、「家族との関係」に対する満足度が最も強く関連していることも判明している。
一方で、学習場面では保護者が「勉強の意味や大切さを教える」「結果が悪くても努力を認めてくれる」といった関わり方をしている場合、子供の幸せ実感が高い傾向となった。
なお、保護者が幸せを感じるためには、日常生活の充実が鍵となることがわかった。「趣味やスポーツを楽しむ」「友人や近所の人と話をする」といった活動を日常的に行っている保護者ほど、自身の幸せ実感が高い。
そのほか、子供の幸せ実感と世帯年収の関連が小さいことも判明している。「とても幸せ」と回答した子供の割合は、世帯年収400万円未満の家庭で30.2%、800万円以上の家庭で34.2%と、差はあるものの、大きな違いは見られなかった。