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英語力を伸ばす「探究型授業」の実践書 『英語授業の設計図』

このコーナーでは、教育や子育て、テクノロジーに関する話題の書籍や、読者の皆さまの学びや情報収集に役立つ書籍を紹介します。
『社会とつながる、自ら学ぶ 英語授業の設計図』(著者:橋本晋作/発行:明治図書出版株式会社/出典:明治図書出版株式会社、以下同じく)

「目まぐるしく変化する昨今の世界で、極端な話、英語はAIやアプリで事足りるのではないだろうか」「英語だけできればそれでいいのか?」。そう考えたのは、渋谷区立松濤中学校で主幹教諭を務める橋本晋作氏だ。同校は、渋谷区教育委員会から英語教育重点校に指定されている。

『社会とつながる、自ら学ぶ 英語授業の設計図』(明治図書出版)は、授業の基盤づくりから探究・協働を取り入れた実践まで、橋本氏が具体的な指導方法を紹介した1冊だ。

橋本氏は、英語力を伸ばす授業づくりに取り組む中で、いつしか「英語だけできればいいのか」などと考えるようになったという。英語力の向上にとどまらず、他者と協働し、試行錯誤しながら課題を解決する力を育てたいという思いから、教室での学びを社会と結び付ける授業づくりを進めてきた。

同書では、授業づくりを木にたとえ、授業の基盤を「幹」、指導の型を「枝」、個々の指導技術を「葉」として整理。指導技術を磨くだけでなく、それを支える基盤と型を整えることが、英語力を伸ばすうえで重要だという考え方だ。この基盤と型を整えるところから、社会とつながる探究的な授業へと段階的に解説している。

第1章では、授業設計の土台となるキーワードを紹介。キーワードは、授業づくりの時間を確保するための「仕事術」、目標から逆算して授業を計画する「バックワードデザイン」「授業の幹・枝・葉」「不易と流行」「授業の4階層」の5つだ。

授業づくりに必要な仕事術やバックワードデザインの考え方を紹介

第2章では、授業の「基盤」を整えるための理論や指導方法を解説する。データに基づく座席・ペア決め、授業アンケート、目的・場面・状況を具体的に設定した教材づくりなど、日々の授業に取り入れられる工夫を紹介。英語で行う授業やICT・生成AIの活用についても扱う。

また、年度初めの授業で生徒と授業の理念を共有することや、授業アンケートの結果を生徒と共有し、授業改善に生かすことの重要性にも触れている。

最初の授業で生徒と共有したい考え方や、データを授業改善に生かす方法を紹介

第3章では、授業の「型」を整え、生徒の英語力を伸ばすための指導方法を取り上げる。年間・単元指導計画の立て方や、インプットとアウトプットを往復する学習、教科書の活用方法などを解説。聞く・読む・話す・書くの4技能や語彙(ごい)指導についても扱う。

年間指導計画については、卒業時に生徒に身に付けてほしい英語力を想定。そこから逆算して各学年の目標を設定する方法を紹介した。

卒業時に身に付けてほしい英語力から逆算して年間指導計画を立てる方法を解説

第4章では、これまでに整えた授業の基盤と型を生かし、教室での学びを実社会へと広げる探究型の授業を紹介する。橋本氏は授業を「正しい授業」「楽しい授業」「英語力が付く授業」「社会とつながる授業」の4階層で整理。英語力を身に付けることを土台に、学んだ英語を使って社会と関わる授業を目指している。

探究型の授業として、「授業の4階層」を提示

具体的には、中学1年生が取り組んだ「ふるさと渋谷フェスティバル」の広告制作や、学校行事の紹介動画を制作する活動を紹介。中学2年生の活動では、旅行業者になりきった海外旅行プランのプレゼンテーションや、外国語指導助手(ALT)に日本の世界遺産を紹介する活動を取り上げた。

中学3年生の活動では、社会や環境に配慮した行動を呼びかけるポスター制作の例を紹介している。さらに、校外学習やイングリッシュキャンプ、修学旅行と英語学習を組み合わせた実践例も掲載。教科書で学んだ英語を使い、実際の相手や目的を意識して取り組む授業づくりを提案している。

第5章では、「ジリツ(自立・自律)した学習者」の育成をテーマに、自由進度学習や協働学習の実践を紹介。おすすめ商品のCM制作や、友達を誘う・誘いに応える会話の動画制作などを取り上げ、生徒が主体的に学ぶための工夫を解説した。

「ジリツ(自立・自律)した学習者」を育てるための実践を紹介

著者プロフィール

橋本晋作(はしもと しんさく)

東京都渋谷区立松濤中学校主幹教諭。英語教育重点校で指導に携わるほか、東京都授業力向上セミナーや大学、自治体の教員研修などで講師を務める。開隆堂出版の令和7年度中学校英語検定教科書『Sunshine』の著者。文部科学省英語教育推進リーダー、東京都中学校英語教育研究会研究部部長などを歴任。令和6年度に東京都、令和7年度に文部科学省の優秀教員賞を受賞。

目次(抜粋)

はじめに
第1章 この設計図のもとになるキーワード
第2章 授業の「基盤」を整える
―「幹」をつくり「正しい授業」と「楽しい授業」を目指す
第3章 授業の「型」を整える
―「枝」をつくり「力がつく授業」を目指す
第4章 授業の「型」を破る
―探究型タスクで「教室を飛び出し社会とつながる授業」を目指す
第5章 生徒に学びを託す
―ジリツした学習者を育てる
おわりに

書誌情報

書名:社会とつながる、自ら学ぶ 英語授業の設計図
著者:橋本晋作
発売日:2026年5月22日
定価:2,310円(本体2,100円+税10%)
判型:A5判
ページ数:168ページ
ISBN:9784184238343
発行:明治図書出版株式会社

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