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3万人以上が参加、起業プログラム「高校生Ring」のグランプリが決定

「高校生Ring AWARD 2024」のファイナリスト

 株式会社リクルートは、アントレプレナーシップの参加型教育プログラム「高校生Ring」の最終審査会「高校生Ring AWARD 2024」を2月15日に開催し、グランプリと準グランプリを決定、グランプリには長野の佐久長聖高等学校が選ばれた。

 「高校生Ring」は、リクルートの社内新規事業提案制度「Ring」のノウハウを基に、高校生にアントレプレナーシップを身に付けるための学びを届ける参加型教育プログラム。4回目となった2024年大会には、全国164校3万2244万人のエントリーがあり、1次審査から3次審査を経て5組がファイナリストに残り、今回の最終審査会が行われた。

 ファイナリストに残った5組は、50音順で愛知工業大学名電高等学校、佐久長聖高等学校、桜丘学園桜丘高等学校、鳥取城北高等学校、山口県立周防大島高等学校。

グランプリ 佐久長聖高等学校

 グランプリとなった佐久長聖高等学校のプランは、天気予報アプリ「one's weather」で、天気に対して一人ひとりの感じ方を蓄積、片頭痛や花粉症の情報、自身の感じ方から「あなた温度」を表示して服装なども提案するというもの。

グランプリとなった佐久長聖高等学校の生徒

 プレゼンテーションでは、16度という気温をどう感じるかを問いかけ、サービスを発案したきっかけを説明した。「今日は暖かいだろうと上着を持って行かなかったが、寒い思いをした」ことや気圧による片頭痛、花粉症の飛散状況と薬の調節などに困った体験から、アプリのパーソナライズ対応に力を入れたという。

 マネタイズについては、アプリの課金とクリック報酬型広告とした。

準グランプリ 山口県立周防大島高等学校

 準グランプリの山口県立周防大島高等学校は、発達障がい者が日常で抱える困りごとをサポートするアプリ「HAZAKURA」。

準グランプリとなった山口県立周防大島高等学校の生徒

 自身がADHDであることからAIがサポートツールになると考え、マルチタスクが苦手といった特徴に対し、マルチタスクの内容をシングルタスクに変換して教えてくれる機能やAIによるメンタルケアの機能を備えた、困りごとを解消できるサービスだとしている。

 「HAZAKURA」という名前は「葉が花を支えるように人々の助けになりたい。桜のような笑顔で日々暮らしてほしい」という願いから付けたもので、利用者にとってAIが相棒のような存在になることが理想とした。

非認知能力も大事、今後も「高校生Ring」の活動を広げる

 リクルートの販促領域プロダクトマネジメント室(まなび)Vice President 池田脩太郎氏は、スタディサプリというオンライン学習サービスを提供するなかで、基礎学力だけでなく、アントレプレナーシップをはじめとする非認知能力も大事だと考えたとし、同アワードを提供する理由を述べた。

 特に「アントレプレナーシップは、起業家だけではなく、さまざまな職業に就く人が主体的に課題を解決する際に重要な能力」として、課題解決力を身に付けるには身近な「半径5メートル以内の問い」に目を向けることが大事だという。

リクルート 販促領域プロダクトマネジメント室(まなび)Vice President 池田脩太郎氏

 また、池田氏は「『チャレンジしたことが面白かった! やりがいを感じた!』など、参加者がアントレプレナーシップの思いに火が付いた瞬間があるのではないか。その経験が、これからの人生で情熱を持ち何かに取り組むきっかけにつながればうれしく思う」とコメントし、今後も「高校生Ring」の活動を広げていく思いを語った。