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生成AIを活用した探究指導モデルを開発、宝仙学園で実証授業を開始 IGS
2024年12月5日 08:25
Institution for a Global Society株式会社(以下、IGS)は、生成AIを活用した探究指導モデルについての実証授業を、2024年10月から宝仙学園順天堂大学系属理数インター中学校・高等学校で開始したことを発表した。
同取り組みでは、中学1年生の7クラスにおいて、IGSの非認知能力測定ツール「Ai GROW(アイ・グロー)」のデータをもとに生成AIが作成した指導案を活用した。新たな視点からの授業設計やアプローチが導入され、生徒の積極性向上や教員の準備時間削減といった成果が報告されているという。
同校の探究主任である米澤貴史氏は、「インスピレーションを得られるだけでなく、授業の資料作りにかかる時間を短縮できている」「今後の実証授業でも、より効果的な方法を模索し、生徒にとってワクワクと楽しい授業、気付きを与えられる授業を作っていきたい」とコメントしている。
IGSは、文部科学省の「令和6年度 次世代の学校・教育現場を見据えた先端技術・教育データの利活用推進(最先端技術及び教育データ利活用に関する実証事業)」に採択され、生成AIを活用した探究指導モデルの開発を進めている。この実証事業では、生徒の非認知能力や数理科学的スキルのデータをもとに、先生の負担軽減と生徒一人ひとりに合わせた探究活動の実現を目指している。
Ai GROWは、生徒一人ひとりの強みを可視化・育成するための非認知能力測定ツール。2019年4月にリリースされ、2024年10月末時点で、国内外の小学校・中学校・高等学校400校以上、国内では43都道府県へ導入されている(累計)。
またAi GROWは、生徒の自己評価に加えて、生徒同士が評価をする「相互評価」の方法を取り入れているのが特徴である。さらに、人が人を評価する過程で生じやすい、忖度や性格の甘辛などの不要な評価の偏りをAIが補正することで、非認知能力を含む25種類もの能力を、公正に可視化できるという。