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SIEのロボットトイ「toio」×東京高専でロボットSIer教材を開発

ロボットトイ「toio」を利用した卓上自動搬送システム教材を開発

東京工業高等専門学校(以下「東京高専」)は、株式会社ソニー・インタラクティブエンタテインメントのロボットトイ「toio(トイオ)」を活用したロボットSIer教材を共同開発したことを発表した。

開発した教材は、ロボットトイ「toio」の技術を利用した卓上自動搬送システム教材である。複数のロボットをソフトウェアで制御し、協調して動かす群制御のほか、現実の環境を仮想空間に再現するデジタルツインの技術を活用している。

東京高専では、独立行政法人国立高等専門学校機構の「Society 5.0型未来技術人財」育成事業の一環として、同教材を使用した演習を「デザイン工学」の授業として今期より実施している。

過去に実施したデザイン工学の公開授業では、学生が模擬的な搬送ロボットシステムの開発に取り組んだ。顧客の要望を想定し、要求定義と仕様策定・設計・実装・テストなど、プロジェクトマネジメントの手法に沿って開発を進め、ロボットSIer(システムインテグレータ)について学んでいる。

デザイン工学の授業の様子

さらに、グループワークでロボットの動作を確認。次回実施する公開授業でレビューを行い、実機審査会を経て授業は終了する。

現在、デザイン工学は機械工学科5年生の必須科目だが、数年後には、ほかの学科の学生も選択科目として受講できるようになるという。

「toio」は小さなキューブ型移動ロボットで、光学センサーを内蔵し、専用マットと組み合わせることで絶対位置を用いた制御が可能だ。Bluetooth通信による簡単な命令で指示に通り繰り返し正確に動くため、STEAM教育やロボットプログラミング教材として活用されている。

キューブ型移動ロボットの「toio」

また、カード型プログラミングやビジュアルプログラミングのほか、JavaScriptやPython・Unityなど、多様なプログラミング方法をサポートしているのが特長である。

東京高専では、専門知識だけでなく、論理的思考力や問題解決能力の習得によって、「真摯な姿勢」「論理的な思考力」「的確な実行力」を兼ね備えた未来の技術者を育成することを目指している。

東京高専正門