【連載】高橋暁子の「親と先生の気になるネット」
ゲームやLINEのオプチャで子供が被害に、保護者が知るべき実態とは
2026年2月18日 12:03
「原因はスマホ。持ち始める年齢が低年齢化しているせい」。子供の事件や被害増加の原因は、低年齢からスマホを持ち始めているためと言われる。しかし、原因はそれだけではない。本稿では大人と違う子供のネット利用実態について、詳しく紹介する。
お古のスマホや共用のタブレット、ゲーム機でネットにアクセス
モバイル社会研究所「2025年親と子の調査」(2026年1月)によると、スマホを持ち始めた年齢は男子が平均10.4歳、女子は調査開始以降初めて10歳を下回り、9.9歳となった。小学校高学年で所有率は過半数を超え、中学生では8割以上がスマホを持つようになる。10歳前後でスマホを持ち始めており、これが被害やトラブル増加の要因のひとつであることは間違いないだろう。しかし、 「スマホを持たせていなければ安心」とは言えない 。
こども家庭庁「令和6年度青少年のインターネット利用環境実態調査」(2025年3月)を見ると、別の事実が見えてくる。
0〜9歳の子供がインターネットを利用する機器としては、「自宅用のパソコンやタブレット」(40.7%)が最も多く、「ゲーム機」(35.8%)、「スマートフォン」(25.6%)、「契約していないスマートフォン」(20.5%)などが続いた。なお、小学生に限ると「学校から配布・指定されたパソコンやタブレット(GIGA端末)」は59.8%に上る。
「スマートフォン」でのインターネット利用は、全体のわずか4分の1。一方で、契約していない「お古のスマホ」や共用のタブレットなどをWi-Fiに接続して、インターネットを使っていることがわかる。全国の小学1年生以上の子供は、学校からタブレットを貸与されており、自治体によってはフィルタリングが十分に設定されておらず、不適切な利用ができるケースもある。また小学生でも、 ゲーム機でインターネットを介して通信対戦をすることが一般的 となっており、オンラインで他者とつながる機会は確実に増えている。
つまり、スマホを持っていなくても、何らかのインターネット接続環境があり、自由にアクセスできる状況が、今の子供たちの実情である。「まだスマホを持たせていないから大丈夫」とは、必ずしも言えない。
利用規約の年齢制限を守らない弊害も
東京都生活文化スポーツ局が2025年2月に公表した「家庭における青少年のスマートフォン等の利用等に関する調査」によると、スマホを持つ小学1〜3年生と4〜6年生のSNS利用率は次の通りである。
LINEは45.4%/60.2%、YouTubeは41.6%/55.8%と高く、TikTokは10.0%/22.0%、Xは11.6%/13.8%、Instagramは8.2%/15.4%だった。
しかし、YouTubeはもちろん、InstagramやTikTok、XなどほとんどのSNSは規約で13歳以上が利用対象となっており、LINEも12歳以上が推奨だ。InstagramやTikTokは新しいアカウントを作る際に生年月日を登録する必要があり、Instagramは既存ユーザーでも生年月日の登録が義務付けられている。つまり子供たちは、 年齢を偽って登録したり、親のアカウントなどで利用している可能性がある と考えられる。
SNSは13歳以下の利用を想定して設計されていないことから、現状では多くのサービスで利用対象年齢が定められている。 せめて対象年齢になってから利用すべき だろう。また、ティーンアカウントなどの子供を守る保護機能を有効にするには、生年月日を正しく登録する必要がある。
低年齢の子供はゲームとLINEのオプチャで「ネッ友」を作る
ニフティキッズ「ネッ友について」(2024年8月)を見ると、 大人とは異なる子供たちの実態 がよくわかる。
小学生の64.1%、中学生の74.6%は、ネットで知り合った友人、いわゆる「ネッ友」がいる。ネットで見知らぬ人と交流することは、小中学生でも珍しいことではないのが実情だ。さらに、小学生の12.8%、中学生の16.0%が「ネッ友に会ったことがある」と回答している。
同調査では、ネッ友と知り合ったきっかけも尋ねている。最も多かったのは「ゲーム」で44.3%、次いで「LINEのオープンチャット」が25.4%だった。Xは16.2%、TikTokは15.1%、ネット掲示板は11.4%、Instagramは10.5%となっている。
一般的に、大人がネットで知らない人と知り合うきっかけはInstagramやXなどが多く、ゲームやLINEのオープンチャットで知り合うケースは少ないといえる。これに対し、小中学生では、InstagramやXなどのSNSの利用はまだ限定的である一方、ゲームやLINEの利用は広がっているため、ネッ友との出会いの場にもなっているというわけだ。
LINEのオープンチャットで「小学生」「中学生」と検索すると、小学生、中学生向けのトークルームが多数作られており、子供たちが集まってやりとりしている様子が見られる。オープンチャットは匿名で利用でき、連絡先交換も禁止されているので、適切に使えば問題はない。しかし、 こっそりと連絡先を交換している子供が少なくない のが現状だ。
LINEは、日本では電話やメールに代わる連絡手段となっており、家族間の連絡用にも使われている。筆者は「LINEは使わせたいが、オープンチャットなど不要な機能のみ制限できないか」と聞かれることが多い。しかし、 現状でできるのはLINEを使わせないか、あるいはオープンチャット込みでLINEを使わせるかの二択 だ。オープンチャットのみの制限はできないので、保護者の指導や見守りが必要だろう。
オンラインゲーム経由での犯罪に巻き込まれる被害が増えている
ニフティキッズの調査「ゲームについて」(2024年10月)によると、一緒にゲームをプレイする相手は「リアルの友だち」(67.0%)が最多である一方で、「おうちの人」「ネットの友だち」「知らない人」もそれぞれ約3割に上がっている。このことから、ネッ友や知らない人とゲームをすることは、子供の間で一定程度広がっていることがうかがえる。
小中学生の間では、「フォートナイト」のような対戦型オンラインゲームが流行している。見知らぬ人同士でのチームプレイもよく行われているが、同じチームになった相手とは、ボイスチャットやテキストチャットでやりとりできる仕組みがある。
その結果、 ゲームを通じて子供が犯罪に巻き込まれる被害が急増 している。また警察からオンラインゲームに関する注意喚起が行われたこともある。手口は、ゲームを通じて親しくなり、「一緒に遊ぼう」「うちに来ない?」などと誘ったり、ゲームのアイテムをあげる口実でわいせつ行為を求めたり、名前や裸の写真などを送らせた後で「ネットに拡散する」と脅すなどの手口が多いという。
報道によると、2025年にミャンマーで保護された高校生は、オンラインゲームで知り合った男に誘われて「かけ子」の闇バイトに加担させられていた。また、2024年に性的映像送信要求で逮捕された17歳の少年は、オンラインゲーム内で女性の声でボイスチャットして小学生女児と親しくなり、互いの顔写真を交換。顔写真をネットにさらすと脅してわいせつ画像を送るよう要求していた。
警察庁によると、2024年度に子供が犯罪に巻き込まれるきっかけとなったサービスで最も多いのはInstagramで31.0%、次いでXが26.8%だった。オンラインゲームは6.6%、TikTokは5.5%、KoeTomoは5.2%、LINEは3.9%となっている。
例えば10歳の女児は、TikTokで動画を褒めてきた男と親しくなった。「会いたい」とDMを送られて数回会っていたものの、意を決して拒否したところ、「会ってくれないと家の前で死ぬ」と脅されて会いに行き、ホテルに連れ込まれてわいせつ被害に遭ったとされる。
InstagramやXは中高生にも人気が高く、複数アカウントが作成できるほか、匿名で利用可能だ。大人の間でも被害やトラブルが多いので、イメージしやすいかもしれない。また、TikTokは10代の子供たちに人気が高い上、やはり同様の特徴があるので、やはり大人がイメージしやすいといえる。
しかし、オンラインゲームやLINEはどうだろうか。ランクインしている理由は、低年齢の子供たちが比較的利用しやすく、ネッ友を作るきっかけとなっていることが影響していると考えられる。
子供たちは、大人とは違う環境でインターネットを利用している。利用を認めるのであれば、知らない人とやりとりしたり、会ったりした結果、被害に遭った事件などを伝え、リスクを教える必要がある。その上で、 「あなたが心配だから、知らない人とはやりとりしないでほしい」「知らない人に会いに行かないでほしい」 と伝え、約束を決めた上で見守る姿勢が求められるだろう。

































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