レポート

製品・サービス

5歳児とRobloxを始めたら、子供のネット世界が見えてきた

Roblox公式サイトより

Roblox(ロブロックス) 」をご存じですか。「名前だけは」という大人が大部分だと思います。ですが、筆者は週に何度も、5歳の息子と一緒にプレイしています。そして、先月は課金してしまいました。そんな筆者が見た、子供のインターネット世界を紹介します。

息子の口癖は「Robloxやってる? 僕はやってるけど」

基本無料で楽しめる多数のゲームがラインアップされています

我が家の5歳の息子は新しいお友達に出会うと「Robloxやってる? 僕はやってるけど」と口癖のように質問します。小学校入学前の幼児の場合、ほとんどの答えが「やっていない」と少し残念そう。そして、親御さんは少し複雑な顔をします。

ご存じの方も多いでしょうが、Robloxは世界最大級のゲームプラットホーム。基本無料でゲームを遊べるだけでなく、ユーザーが ゲームを作り、公開できるのが最大の特徴 です。

単純にいうなら、 ゲームのYouTube のような存在です。登録すると、アスレチック、RPG、シミュレーションなど何千万種類といわれるゲームをプレイできます。そして、特徴的なのは、それらのゲームがプロでなく、子供を含む一般ユーザーから提供されていることです。

YouTubeと同じように、既存のメディアでは想像できないような自由度の高いゲームコンテンツが日々提供され続けています。これが人気の秘密ですが、 提供されるコンテンツの質や内容に大きなバラツキが発生するのも事実 です。

Robloxがインストールされた5歳の息子のiPad(画僧:筆者提供)

制限を行うことは可能ですが、オンラインチャットにも対応しているため、仮想空間上での人間トラブルが発生することがあります。 個人情報の流出や犯罪に巻き込まれる可能性もゼロとはいえません。

さらに、YouTubeと同じようなシステムで、ゲーム提供者は利益を得ることができます。そして、 ゲーム内通貨「Robux(ロバックス) 」を使って、アバターの服を買ったり、ゲームを有利に進めるアイテムを購入することができるので、子供が親のクレジットカードを勝手に使ってしまうというトラブルが発生しています。

そして、何より多くの親御さんが懸念するのが、ゲームへの依存でしょう。友達とのボイスチャットをしながら、毎日新しいゲームが提供される世界を基本無料で楽しめるので、気が付くと連日数時間プレイしていることも珍しくありません。

5歳の息子が友達に「Robloxをやっている?」と聞くと、相手の親御さんが少し複雑な表情を見せられることがあります。そんな様子を見ると、筆者は、勝手ながら親近感を覚えます。きっとその家庭でも、筆者と同じようにRobloxや子供のインターネットとの向き合い方について、悩んだり、葛藤されたりしているだろうと共感が生まれるからです。

Robloxと実際にどう付き合っていくのか?

玉石混交ですが、基本無料のゲームがほぼ無限に提供されています(画像:筆者提供)

多くの幼児がやっていないRobloxを我が家では解禁していますし、それどころか、やっていても「課金は禁止」という家庭も多いなか、我が家は課金勢です。しかも、5歳の息子だけではなく、筆者自身も週に何度もログインして、息子と一緒にRobloxをプレイしています。

ただし、筆者はRobloxの専門家ではありません。子供とRobloxの付き合い方に悩みながら、試行錯誤している一人の親です。

その中で感じたのは、 Robloxを子供のネットの世界から完全に切り離すのは難しい ということです。なぜなら、RobloxとYouTubeは密接につながっており、子供は両者を行き来しながら楽しんでいるからです。

YouTubeとの親和性が高すぎて、大人としては悩ましい(画像:筆者提供)

小さな子供のいる方なら痛感されているかと思いますが、いまさら子供からYouTubeを完全に遠ざけるのは、簡単ではありません。そして、YouTubeを見ている限り、どこかでRobloxに辿り着く可能性があります。これを完全に防ぐことは難しい、筆者はそう判断したのです。

いうならば、Robloxに膝を屈しました。映画も、テレビも、ファミコンも、パソコンやインターネットも、登場するたびに「子供にはよくない」「危険だ」といわれてきました。しかし、時代の流れに逆らい続けるのは容易ではありません。少なくとも筆者には、息子からRobloxやYouTubeを完全に取り上げる未来は想像できませんでした。

YouTubeで見ていたRobloxを、ついにインストール

Robloxはタブレットだけでなく、スマートフォンにも対応しています(画像:筆者提供)

YouTubeのゲーム実況でRobloxの動画を散々見ていた息子は、インストール前からすっかり興奮気味でした。「てきと」や「タコボンド」などがやっていたゲーム「ブレインロットを盗む」を、自分もやりたいと話し続けていたのです。

実際にRobloxをインストールすると、しばらくは保育園と習い事の時間以外、ほとんど自分のiPadを抱え込んで遊んでいました。ところが、よく見ていると、Robloxだけをやり続けているわけではありません。

Robloxで遊んでいたかと思えば、しばらくするとYouTubeへ。そして、動画を見た後は、妻や筆者のところにやってきて、「検索をして」と頼み、次に遊ぶゲームや見る動画をセレクト。また、しばらく没頭というパターンです。

「ブレインロットを盗む」の紹介画面より

よく観察していると、息子はYouTubeでお気に入りのYouTuberがやっているゲームをチェックし、Robloxでプレイ。逆に、Robloxで遊んだゲームの実況動画をYouTubeで検索しているのです。完全な相互関係。 MinecraftとYouTube動画の関係を、さらに進化した状態 だといえるでしょう。

しかも、Robloxのゲームには、YouTubeで子供たちに大人気の「イタリアンブレインロット」などがあちこちで登場します。夢中にならないわけがありません。ところが、しばらくすると、2つの問題が発生しました。

「いっしょにやってほしい!」「Robuxを買ってほしい!」問題

息子の操作レベルに追い付くためにパパはPS5のコントローラーを使用(画像:筆者提供)

1つ目は、「パパ、一緒にやってほしい」問題でした。Robloxの大きな魅力の1つは、自分のアバターを操作し、ほかのプレイヤーと一緒に同じゲームが楽しめること。YouTubeでは、多くのYouTuberが複数人で楽しそうにプレイしており、息子もその様子を見ています。

とはいえ、息子の身近には、まだ一緒に遊べる友達がいません。そのため、「パパ、一緒にやって」と言い出すのは想定内でした。こうして我が家では、ちょっとしたごほうびとして、パパが息子と一緒に遊ぶ「付き添いRoblox」が始まりました。

最初は、「パパもっとちゃんと動いて」から始まり、現在は「パパ、活躍しすぎないで、僕よりうまくなるのは禁止」と、付き添いRobloxはなかなか大変です。ここにも、パパなりの苦労がいろいろあったのですが、ここでは割愛します。

なお、Roblox Corporationは、16歳未満のユーザーを対象とした新しい年齢別アカウント「 Roblox Kids 」と「 Roblox Select 」を2026年6月17日から日本で開始しています。Roblox Kidsの対象は5~8歳で、チャット設定を親が有効にすることもできますが、我が家はチャットを禁止に設定しています。

課金のハードルを下げず、子供も理解しやすいようプリペイドカードを利用(画像:筆者提供)

2つ目は、ゲーム内通貨「Robux」への課金問題です。息子の数少ないRoblox友達も非課金で、我が家が初めて課金した際には、その親御さんから「とうとう課金勢になったのですね」と言われました。それくらい、親にとっては難しい問題で、筆者もかなり迷いました。

我が家もしばらくは非課金で遊んでいました。しかし、息子は、誕生日プレゼントでも、お手伝いや習い事のごほうびでも「Robuxがほしい」と繰り返し頼んできます。我が家では、誕生日プレゼントやごほうびは、一定金額以内であれば、本人が欲しいものを選べるようにしており、5歳の息子は、この自由をRobuxに換金したいといいます。

そこまで希望するなら、ゲーム内でのお金の使い方を考える機会にしてもよいのではないか。そう判断し、息子が貯めていたごほうび4,000円分でRobuxを購入しました。これが、我が家で初めてのRobloxへの課金です。なお、筆者が購入した時点では、レートは1Robux=約2円程度でした。

RobloxとYouTubeのある子供のインターネット

筆者も結構ハマっている「ゾンビアリーナを生き残る」。面白いです

Robloxを許可して、Robuxを購入したことで、我が家は課金ありのRobloxとYouTubeを行き来する、子供のインターネット世界が展開されています。それによって、何かが変わったかといえば、これまでYouTubeで怒られていた5歳の息子が、Robloxでも怒られています。

筆者が「わかった、君がそういう態度なら、一緒にRobloxはやらない!」と言うと、これが予想以上に効果てきめんです。YouTubeやRobloxそのものを禁止しなくても、息子はびっくりするほど約束を守るようになりました。

課金については、我が家は息子にもわかりやすいように、コンビニなどで購入できる プリペイドカードを利用 してます。誕生日プレゼントや習い事のごほうびにその都度購入して、息子のアカウントに追加しています。

息子は、それを楽しみに習い事をがんばっていますし、パパと一緒に遊ぶために約束を守ろうしてくれるのは、とてもありがたい。ですが、良いことばかりではありません。

PS5だけでなく、ノートパソコンでPS5のコントローラーを使ってもプレイが可能(画像:筆者提供)

息子は、時間ギリギリまでRobloxで遊びたがりますし、YouTubeは相変わらずです。近いうちには「チャットを使いたい問題」も出てくるでしょう。さらに、渡したRobuxを何に使っているかといった点も心配です。

現在のところ、筆者も一緒にプレイしているため、Robuxの使い道や、どのようなゲームで遊んでいるかもだいたい把握できています。とはいえ、自由度の高い仮想世界には、親が予見できない危険もあるでしょう。

その一方で、最近では「ゲームを作ってみたい」と言い出しました。長期休みの自由研究に 「Robloxでゲームを作ってみた」 をテーマに挑戦するのも面白いかもしれない。そんな楽しい未来も想像しています。

齋藤千歳

元月刊カメラ誌編集者。新しいレンズやカメラをみると、解像力やぼけディスク、周辺光量といったチャートを撮影したくなる性癖があり、それらをまとめたAmazon Kindle電子書籍「レンズデータベース」などを出版中。まとめたデータを元にしたレンズやカメラのレビューも多い。使ったもの、買ったものをレビューしたくなるクセもあり、カメラアクセサリー、車中泊・キャンピングカーグッズなどの記事も執筆。現在はキャンピングカーを「方丈号」と名付け、約9㎡の仕事部屋として、車内で撮影や執筆・レビューなどを行っている。