【連載】高橋暁子の「親と先生の気になるネット」

小学生が熱中するロブロックス、親子で共有したいリスクとルールとは

ネットは日々変化し、子供たちを取り巻く環境も大きく変わっています。本連載では、ITジャーナリスト・高橋暁子さんが、保護者や先生が知っておきたい最新のネット事情をわかりやすく解説します。

ゲーム版YouTube「Roblox(ロブロックス)」をご存じだろうか。ゲームを遊ぶだけでなく、作成・共有もできるオンラインプラットフォームだ。2025年時点で世界全体のユーザー数は1日平均1億4400万人で、 13歳以下が約40%を占めている という。日本でも小学生を中心にユーザーが急増しており、企業や自治体が交流の場や学びの場として活用する一方で、小学生などの低年齢の子供たちが被害に巻き込まれている。

交流、自己表現、稼ぐこともできるゲームプラットフォーム

「小学生の息子のクラスでロブロックスが流行している。遊んでいないと話題に入れないらしい」と、小学生の子供を持つ保護者に聞いた。「友だちと一緒に遊ぶ約束をしているけれど、危なくないのか。遊ばせていいのか、悩んでいる」。

ロブロックスは、スマホ・PC・ゲーム用タブレットなどで無料で遊ぶことができる。ロブロックスというゲームがあるわけではなく、YouTubeに多くの動画があるように、多数のゲームが集まったプラットフォームである。公開されているゲームには、さまざまなジャンルがあり、対戦型やシミュレーションゲームなどの終わりがないタイプのゲームも多い。

アプリ内には数千万以上のゲームが並び、企業だけでなく個人が作成したものも多い。ユーザー自身がゲームを作成、公開でき、プログラミング知識などがなくても、比較的容易にゲームが作成できる開発環境も整っているのだ。

ロブロックスの人気ゲームのトップ画面(出典:ロブロックスのWebページ)

自分自身の分身であるアバターを通じて、ほかのユーザーとチャットやボイスチャットなどによる交流も可能だ。 アバターをカスタマイズすることが人気 で、ロブロックス内ではどのゲームにも同じアバターで参加することができる。友だちと同じサーバーに入って遊んだり、チャットしたりと交流の場となっている。

アイテムは無料で手に入るものもあるが、購入したり、自分で作成・販売して ゲーム内通貨「Robux(ロバックス)」を稼ぐこともできる 。ロバックスは現実の通貨に換金もでき、生計を立てているクリエイターもいる。

この他人と交流でき、自己表現したり稼いだりもできるゲームプラットフォームに、多くの小学生がはまっているというわけだ。

SNS的側面が招くトラブルと、自由な交流に潜む詐欺リスク

ロブロックス上では、児童に対する性的グルーミングの報告が急増している。

2024年4月、フロリダ州の10代の少女がロブロックスとDiscordに対して、性的虐待と搾取の被害を受けたとして、両社を訴えた。少女は12歳から両親の許可を得てロブロックスを使い始めたが、年上の男性ユーザーが少女に性的な写真や動画を送るよう強要、送った写真を元にさらに搾取を受けたという。その結果、少女は重度の鬱状態となり、日常生活に支障をきたすほどの状態に陥ったと報告されている。

2020年9月には、性犯罪者として登録されていた男が、ロバックスと引き換えに8歳の少女に性的動画を送りつけて逮捕された。2021年6月には、ロブロックスのチャットを利用して7歳から12歳の少女数名に性的画像を送らせ、引き換えにロバックスを渡していたこともわかっている。中には、ゲーム内で加害者が少女になりすまして子供たちに近づくケースもあったという。

フォートナイトやロブロックスで人気の『STEAL THE BRAINROT』では、レアアイテムを販売すると持ちかけ、PayPayなどのデジタル決済で支払わせた後、アイテムを渡さずに連絡を絶つ詐欺も報告されている。

アクセス遮断・禁止が続くロブロックス

ロブロックスをめぐっては、安全性への懸念から アクセス遮断や禁止などの規制を設ける国 も出てきている。2024年8月、トルコではロブロックスに対してアクセス遮断を実施。そのほか、ロシアやイラク、中国では米国を拠点とするプラットフォームとしてアクセス遮断によるロブロックスの規制が行われている。米ルイジアナ州、テキサス州は、子供の安全対策が不十分として同社を提訴している。

それに対しロブロックスは、チャット機能をする際には 顔写真撮影による年齢確認を必須とする対策 を開始した。

顔写真の判定により、ユーザーは9歳未満、9〜12歳、13〜15歳、16〜17歳、18〜20歳、21歳以上の計6つのグループに振り分けられ、振り分けられる年齢層がユーザーに通知される。基本的にユーザーは同じ年齢層のユーザー同士でチャットできる設計になっており、必要に応じて近い年齢層のユーザーともやりとりできる仕組みだ。

例えば12歳と推定されたユーザーは9〜12歳のグループとなり、15歳以下のユーザーとのみチャットができる。16歳以上のユーザーは、推定12歳のユーザーとチャットをすることはできない。また、9歳未満のユーザーは、年齢確認が完了しても保護者が同意しない限りチャット機能は利用できない。13歳以上のユーザーは、現実世界で知り合いの18歳以上のユーザーも、「信頼できるつながり」として登録するとチャットできるようになる。

ルール違反の発言をしたユーザーに対して、問題ある発言は「#####」といった形で表示されるフィルタリング機能も備えている。さらに、AIを活用して不適切な発言を投稿前に別の発言に置き換える試みも開始している。

ルールと親子間の会話、リスクの共有が大切

小学生の子供から「ロブロックスをやりたい」と言われたら、どうすればいいのか。安全面を考えると禁止したいと思う保護者は多いだろうが、 子供が隠れて利用すると危険性はより一層高まる。保護者が一方的に制限しても、子供が納得していない場合は制限をかいくぐろうとする可能性もあり、かえってリスクが高まる。

子供の利用を認める場合は、保護者が心配していること、実際に起きている事件やトラブルなどを伝えた上で、ルールを決めて開始しよう。

具体的には、「年齢を正確に登録する」「ゲーム内ではリアルの友だちとだけつながる」「チャットはしない/リアルの友だちとだけチャットする」「利用時間は1日○時間まで」「課金はしない/課金の上限額は○円まで」などになるだろう。子供の年齢と利用状況などに応じて、話し合って決めてほしい。

ロブロックスには、ペアレンタルコントロール機能が用意されている。ゲームの種類のうち、暴力・ギャンブル・アルコール・恋愛など、利用できるコンテンツを制限できる。そのほか、チャットできる相手の制限のほか、友だちリストの管理、課金上限金額の設定、利用時間の制限も可能だ。詳しくは、 「保護者向けロブロックスガイド」 を参考にしてほしい。小学生などに利用させる場合は、ぜひ活用したい機能だ。

「保護者向けRobloxガイド」(出典:ロブロックスのWebページ)

保護者もアカウントを作り、子供と一緒にプレイしてみよう。子供と一緒にプレイすると、なぜ楽しいのか、どこが危険なのかが理解しやすくなる。また、一緒にプレイすると、保護者がゲームの話し相手になることで、 子供がゲーム内でどのような交流をしているのかを自然に把握できる というメリットもある。

すでに子供が利用している場合は、「遊んでみたいから教えて。おすすめのゲームと遊び方を教えて」と子供に聞くのもおすすめだ。子供が何にどのくらいはまっているのか、交流している相手などについても知ることができるだろう。危険な利用が垣間見えたら、アドバイスとして伝えるようにしてほしい。

一番大切なことは、 困ったことがあったら必ず相談してもらえるように子供に伝えることだ 。「絶対に味方するから何でも相談してほしい」と伝えておこう。

ロブロックスそのものが危険なのではなく、多くのオンラインサービスやゲームと同様に、多様な大人も混じっているということだ。ロブロックスを使わせなくても、ほかのサービスで被害に遭う可能性もある。周囲の大人は、そのようなサービスにおけるリスクを正しく理解し、子供の良き相談相手となることが、トラブルを防ぐための大切な一歩になる。

©2026 Roblox Corporation. Roblox、RobloxロゴおよびPowering Imaginationは、米国並びにその他の国における登録商標および非登録商標です。

高橋暁子

ITジャーナリスト。 LINE・Twitter・Facebook・InstagramをはじめとしたSNSなどのウェブサービスや、情報リテラシー教育などについて詳しい。元小学校教員。『若者はLINEに「。」をつけない 大人のためのSNS講義』(講談社+α新書)、『スマホで受験に失敗する子どもたち』(星海社新書)ほか著作多数。書籍、雑誌、ウェブメディアなどの記事の執筆、監修、講演、セミナーなどを手がける。http://akiakatsuki.com/