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総理大臣には「優しい人」を希望!つくりたい法律1位は「暴力禁止」、ベネッセが小学生の政治意識を調査

7月に選挙があることを「知っている」と回答した小学生は、51.2%

株式会社ベネッセコーポレーションは、「進研ゼミ 小学講座」の会員を対象に、小学生の政治や選挙に関する意識調査を実施した。その結果、将来選挙に「行くと思う」「たぶん行くと思う」と回答した児童が全体の5割を超えるなど、子供たちが自分なりに社会への関心を持っている実態が明らかになった。

同調査は、2025年6月27日から29日にかけて、進研ゼミ小学講座会員の3年生から6年生の6,560人(女子4,324人、男子1,677人、性別無回答・その他559人)を対象に実施。自由回答も含め、多様な意見が寄せられた。

「7月に選挙があることを知っているか」という設問には、51.2%が「知っている」と回答。半数近くは「知らない」「わからない」と答え、選挙そのものの認知が限定的であることが判明している。

一方、「18歳になったら選挙に行くと思うか」という問いには、「行くと思う」(27.8%)、「たぶん行くと思う」(23.8%)と、合わせて5割以上が選挙に行くことに前向きな回答を示した。

小学生の約5割以上が、18歳になったら「選挙に行く」と回答

「家族と選挙の話をしたことがあるか」については、「よく話す」「たまに話す」の回答は33.1%にとどまり、「話しをしない」「ほとんど話をしない」が63.2%と多数を占めている。

「家庭で選挙の話をしない」という回答が6割以上

「もし自分が総理大臣になったら」を聞いたところ、「戦争をなくしたい」「平和な社会にしたい」など、平和を願う声が約4割を占めた。そのほか「物価を下げたい」「教育を無償にしたい」など、生活や経済に関する意見も多く寄せられた。

総理大臣になって叶えたいことは「平和実現」が最多

中には、「AIの先生や自販機を学校に置きたい」「授業を全部オンラインにしたい」「推しのグッズを無料配布してほしい」「米農家を支援したい」など、ユニークな発想や現代的な価値観を反映した回答が見られ、社会課題に対して具体的な考えを持つ子供たちの姿がうかがえる。

「どんな人に総理大臣になってほしい?」という設問では、「優しい人/思いやりのある人」という回答が1位に。続いて、「正直な人/嘘をつかない人」「子供や国民を大切に考える人」という回答が多数となった。

小学生が望む、理想の総理大臣は「優しい人/思いやりがある人」

総理大臣にふさわしい人物として最も多く名前が挙がったのは「ドラえもん」。ほかにもSnow Man、工藤新一(「名探偵コナン」)。Mrs.GREEN APPLEなど、小学生に人気のキャラクターや人物・グループが並ぶ。

総理大臣になってほしいキャラクターの1位は「ドラえもん」

「自分で法律を作れるとしたら?」との設問には、「いじめをなくす」「戦争禁止」「ゴミ拾いの義務化」など、社会のルールを改善したいという意識が見られた。一方で、「授業は全部ゲームに」「毎日パフェを食べていい」など、子供らしい視点も。

作りたい法律の1位は「いじめ・差別・暴力の禁止」

最後に、「日本の社会課題の中で、1つだけよくできるとしたら?」について聞いたところ、「地球温暖化や環境の問題」が最多となった。次いで「戦争の不安」「いじめ」など、身近な不安や社会への違和感に関連する項目が挙がった。「貧困」や「少子化」などの社会構造に関心を寄せる声もあり、社会課題を自分の生活に引き寄せて考える様子がうかがえる。

日本の社会課題で最も多く挙がったのは、気候変動や環境の問題

ベネッセコーポレーション 小学生事業本部 本部長の水上宙士氏は「家庭で政治の話題が少ない中でも、子供たちが自分なりに社会を考えていることが印象的だった」と述べ、学力支援に加え「社会や人と向き合う力の育成」にも引き続き注力していく考えを示した。

調査概要
「進研ゼミ 小学講座」の利用者を対象にしたWeb調査
調査対象:全国の小学3~6年生の男女
実施時期:2025年6月27日~2025年6月29日
有効回答数:6,560件(女子4,324/男子1,677人/性別無回答・その他559人)
設問ごとに選択式と自由回答形式を併用。選択式で傾向を把握しつつ、自由回答で子供たちの生の声を抽出