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高校生が大阪・関西万博でランドセルの新機能をお披露目
2025年7月1日 17:00
株式会社セイバンは、四天王寺高等学校の生徒が大阪・関西万博「inochiのペイフォワードWeek Presented by 中外製薬」で発表したランドセル負担軽減機能「ぴたかる」について、試供品を制作したことを発表した。
この機能を考案したのは、姿勢の悪化や重いランドセルを背負うことで心身に不調が起きるランドセル症候群に対し、「無意識下での姿勢改善」で問題の解決を目指した四天王寺高校の生徒たちである。生徒たちは、素材選定や構造の検証を重ね、3Dプリンターを活用したベルト固定型の試作品にたどり着いたという。
「ぴたかる」と名付けられたこの付属品は、現在特許を出願中。ランドセルの中にある荷物を背中側に固定できるのが特徴だ。「ぴたかる」をランドセル内部に装着すると、重心が常に背中側で安定するため、体への負担が軽減。自然な姿勢でランドセルを背負えるため、姿勢の悪化を防ぐことができる。
セイバンは、「ランドセルの荷物の重量化による小学生の姿勢悪化」という課題に取り組む生徒たちの発想と開発への熱意に共感し、試作品製作を技術面からサポート。2025年3月7日に顔合わせを行い、サンプルの製作や検証を経て6月20日に最終サンプルが完成し、6月28日に大阪・関西万博で初のお披露目となった。
生徒たちが特にこだわったのは、「アイデアの具現化」と「他社との差別化」である。当初は、素材を軽くするため、バッグインバッグなどの布製も検討したが、重心の固定が不安定なことや、他社との差別化が図れないことの課題からベルト固定型を採用した。
生徒たちは、今回の万博での発表を「通過点」と捉えており、商品化と販売を目指し、引き続きヘルスケアの課題に取り組んでいく意向を示している。