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子供向け情報教育市場、前年比138%増の352億円に――共通テスト「情報Ⅰ」が需要を後押し
2025年6月18日 15:00
GMOメディア株式会社が運営するプログラミング教育ポータルサイト「コエテコ byGMO」は、株式会社船井総合研究所と共同で、「2025年 子ども向け情報教育市場規模調査」を実施したと2025年6月17日に発表した。
調査テーマ:国内における「情報教育市場」の規模予測
調査方法:
・「コエテコ byGMO」と船井総合研究所による市場関係者へのヒアリング
・「コエテコ byGMO」と船井総合研究所が保有するデータ
・調査機関の公開情報の収集
調査期間:2025年4月1日~2025年5月30日
調査対象:
①民間プログラミング教室市場
・ロボット製作とプログラミングをかけ合わせて学ぶ「ロボット・プログラミング教室」
・プログラミングを学ぶことに特化した「プログラミング教室」
②学習塾における「情報I」受験対策市場(2025年調査より追加)
※2025年度より大学入学共通テストに科目「情報Ⅰ」が新設されたことを受け、同調査より調査対象を拡大
※学校での「情報I」対策教材、また学童・幼稚園などでのプログラミング教材市場は含まない
※子供は、小学生から高校生を対象
同調査によると、2025年の子供向け情報教育市場は、前年から138.7%増の352億円に達した。これは7年連続の成長であり、小学生から高校生を対象としたプログラミング教育や「情報Ⅰ」受験対策の需要が拡大していることが背景にある。特に、大学入学共通テストに2025年度から「情報Ⅰ」が新設されたことが、大きな影響を与えている。
今回の調査では、民間のプログラミング教室を対象としており、当初の見通し以上に民間学童や幼稚園の課外教室、大手教育事業者のプログラミング教材などの市場が拡大していることがわかった。
民間学童だけでも数十億円規模のプログラミング市場であると推計しており、今回は調査対象外としたそれらの市場を含めると、船井総合研究所が発行した「情報教育白書2022年版」で予測した350~430億円、もしくはそれ以上の規模に拡大している可能性もある。
一方で、高校においては民間企業が開発する「情報Ⅰ」の対策講座が普及し、学習塾で「情報Ⅰ」の対策をする高校生は想定より少なかった。当初の想定を上回る規模で学校向けの対策講座が普及した結果、「教材市場だけで少なくとも数億円~10億円前後の規模が形成されている可能性が高い」と同社は推計している。
国公立大学では、原則的に「情報Ⅰ」を課すと2022年に発表したが、2025年度の国公立入試においては、「情報Ⅰを利用しない」「選択科目としての利用」「得点を利用しない」「得点比率を下げる」といった対応が取られたという。その結果、「情報Ⅰ」による合否への影響は、想定よりもかなり小さい形に収まった。
以上のことから、当初の見通しと比較すると15%ほど市場規模が小さく着地したと同社は見ている。市場規模が予測を下回った背景には、「市場の多様化」と「受験市場の普及遅れ」があるが、プログラミング・情報教育に対する消費者からの支出全体では、当初の見通しに近い推移で拡大しているという。