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学習管理システムのデータ分析を支援する「AI孔明 on IDX」が登場
2025年4月16日 08:30
AIデータ株式会社は、教育現場向けAIプラットフォーム「AI孔明 on IDX」を2025年4月15日に発表した。同サービスは、CSV形式の成績ファイル、模試結果PDF、教材資料、出席簿などをクラウド型データ基盤「IDX」上に保存・構造化し、生成AIが活用可能な形式へと変換する。
教育現場のICT化が進む一方で、LMS(学習管理システム)に保存された情報はほかのAIシステムとデータ連携させることが難しい側面がある。「生成AIを活用してクラス全体の理解度を可視化したい」「生徒別の学習傾向を分析したい」という場合にデータを自由に扱えないケースもある。
同サービスでは、保存・構造化したデータを最新の大規模言語モデルと連携させることで、AIが「意味ベースでの対話・要約・比較」を実現。教員がAIに対して「この生徒はどこでつまずいているか」「このクラスで理解が遅れている単元は何か」といった問いを自然言語で投げかけることが可能だ。
具体的には成績表や出席簿、課題提出履歴などを構造化し、データの傾向や理由まで読み解いた形でAIが分析を支援する。例えば、PDFファイルやWord形式の教材・問題・解答例をAIが読み込み「どの単元でつまずいているか?」「頻出ミスは何か?」を提示可能だ。さらに、「この生徒の1年間の弱点推移を教えて」「このクラスで最も課題未提出が多い週は?」など、教員の問いに対して、即時に根拠付きレポートを生成する。
また、通知表や課題履歴などの1年分のデータがあれば、3日間でPoC(概念実証)を実施できる。PoCの導入により、中高一貫校や塾からは「AIが出力したレポートが、現場教員の感覚とほぼ一致した」「新任教員でも生徒の弱点を的確に把握できた」といった評価が寄せられているという。
同社は、教員の「検索・分析・準備」時間を削減して指導に集中できる点や、ベテラン教員の直感やノウハウをAIが継承・共有すること、教務部門による学習支援の質とスピード向上を活用メリットとして挙げている。