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ゆるラン活、軽さを求めた「リュックorランドセル」で小学生ママが選んだリアルな選択

ランドセル意識調査「小学生と保護者の約9割が重いと実感」

4月上旬、「ゆるラン活」をスタート

1人1台端末環境になってから、軽いランドセルが注目を集めている。多くのブランドが800g台の軽量モデルや、ランドセルとリュックサックのハイブリッドモデルを販売しており、需要は高まるばかり。本稿では筆者自身のランドセル購入レポートに、フットマーク株式会社が行ったランドセル意識調査の結果を交えつつ、ラン活事情についてお届けしよう。

軽いランドセルを求めて出会った池田屋の「エアリュック」

最初に著者の家族構成を紹介するが、わが家は長男(小学4年生)と次男(年長)がいる4人家族である。次男が2025年に小学校に入学するので、著者は今回が2回目のラン活となる。かなり早いが長男のときは2月にランドセルを注文した。選んだのは牛革モデルのランドセルで、重量が約1290g。当時は重さを意識していなかったが、入学してすぐにタブレット端末の持ち帰りが始まった。

長男が通う学校は徒歩5分で着く。しかし、教科書がギューギューに詰まったランドセルを見ると、細身の体形をした長男には文字通り荷が重そうだ。長男に「ランドセル重い?」と聞くと、「腰は痛いけど、頑張る」と何かの修行のような返答が返ってきた。学童に長男を迎えに行くと、ランドセルの重みで電動自転車のハンドルが持っていかれることもしばしば。「置き勉」である程度荷物は減らせるのだが、次男も送り迎えすることを考えると、正直厳しそうと考えた次第だ。

「今よりも軽いランドセルを探そう」、そこからゆるーくラン活が始まった。とはいえ、2人目ともなるとやや腰が重くなるもの。「欲しいと思ったときが買い時」と構えていたところ、池田屋の「エアリュック」が目に飛び込んできた。

池田屋「エアリュック」(公式サイトより)

「ランドセル型リュックを持つ子供が増えている」と聞きつつも、どこかカジュアルな印象を持っていた筆者。しかし、エアリュックは着脱式のカブセが付いているので、一見するとランドセルと変わらない印象。その“新しい”ビジュアルに、(母が)心を奪われてしまった。

重さはわずか650g、カブセを付けても780g(人口皮革製は790g)という超軽量。生地はコーデュラナイロン製で、すり切れや穴あきに強く、耐水性にも優れているという。

別売りのカブセを付けて、自分好みのカラーにカスタマイズできる(公式サイトより)

カラーバリエーションも豊富で、「これはぜひ実際に手を取ってみなくては!」と、次男を連れて直営店にお邪魔してみた。

リュックとランドセル、購入の決め手となったのは子供の使い勝手

エアリュックの売り場に真っ直ぐ進む母を追い抜いて、壁一面に飾られたランドセルに駆け寄る次男。「これがいい!」と勝手に並べ始めたのは、まさかの赤いランドセルだった。

長男に比べ、こだわり派の次男。その選択はいかに

青色が好きで、靴もALL青! な次男の意外なチョイスに驚きつつも…、まずはお目当てのエアリュックとご対面。

手に取ってみると、とにかく軽い! 裏面にも底鋲(すれや汚れを防ぐための金具)がしっかり付いていて、地面に置いてもへたらなさそうだなと安心した。ただ、ダイレクトに物を入れるランドセルと異なり、ファスナーが付いている。

そこでふと、「次男はファスナーの開け閉めに手間取るのではないか?」という考えがよぎってしまう。

これは男子あるある(わが家だけ?)だが、少しでも面倒と感じると「荷物を持って帰るのをやめよう」となるようで、筆箱が空っぽの状態で持ち帰ることは日常茶飯事。次男にファスナーの閉閉を試してもらったところ、やはり手元がおぼつかない様子だった。

そんな盲点に「どうしたものか…」と思案していると、さらに意外な事実。お店の方との会話で、少数ではあるが、リュック型のランドセルを許可していない学校があることを知る。「次男の学校はどうだっけ?」と悩んでいたところ、「軽いランドセルをお探しでしたら…」と重さ1,100g前後のクラリーノ(人工皮革)のモデルを勧められた。

色は次男の心をわしづかみにした赤! ではなく、黒ベースに赤いふちが付いたデザインに着地(ちなみに長男はオーソドックスな紺色だった。どうやら兄弟で好みが全く異なるようだ)。

ランドセルの購入の決め手となったのは、徹底した“子供思い”

エアリュックの購入を希望していた筆者だったが、最終的に選んだのは「No.59 防水クラリーノ カラーコンビ」。次男の希望も大きかったが、決め手となったのは池田屋の“子供思い”な工夫の数々だった。

以下より、小学生男子の母心をつかんだ、リアルな魅力を3つ紹介しよう。どれも「子供の使いやすさ」という視点で考えると大切なことばかり。

「No.59 防水クラリーノ カラーコンビ」のクロ×アカに決定!

①軽いのに頑丈なのが魅力

手に取ったときに筆者が驚いたのは、長男のランドセルよりも明らかに軽いこと。フックや背カン、変形防止版のパーツが樹脂パーツで作られており、極限まで軽量化されている。

オリジナル素材や樹脂パーツで軽量化を実現(公式サイトより)

ベルトの留め具にも金属は使われておらず、背負ったときに腕やわき腹に当たらないのが優しい。

肩ベルトは金具が体に当たらない、すっきり設計(公式サイトより)

業界トップクラスだという、頑丈さも魅力的だった。耐荷重は約80kgで、型崩れの心配がない。店頭で次男がランドセルにのしかかってヒヤヒヤしたが、びくともしなかった。

80kgまで耐えられる頑丈さ(公式サイトより)

②出し入れしやすく大容量のポケット

ランドセルにはメインで使う収納部分とは別に、小マチやファスナーポケットが付いているが、長男に選んだランドセルでは結果的に活用できていない。マチを広げるには、バックルを外してゆるめる必要があるのだが、それをせずに手を差し込むと痛い。そのせいか、マスクの予備を入れても、長男が取り出すことはなかった。

小マチにもたっぷり収納できる(公式サイトより)

小マチの幅は着脱しやすいベルトで調整でき、最大で4.5cmまで広がる。上履きや筆箱、体操服も収納可能だ。

「ギボシ式ベルト」で長さを簡単に調節できる(公式サイトより)

ファスナーポケットは学校からよく渡される茶封筒が折れ曲がらずに入るサイズ。ファスナーを開けると、鍵を取り付けられるキーループも付いている。

茶封筒を折れずに収納できるほか、鍵をキーループで付けられる(公式サイトより)

③フタを開け閉めしやすくフックの着脱が簡単

ファスナーの開閉と同じく、使い勝手が気になるのはランドセルの鍵部分。池田屋の場合は、錠前がタテ穴ひとつタイプで、フタを下したときに「カチャ」とスムーズに締めることができた。ロックの位置は、荷物の量に応じてスライドできる3段階になっている。

左右どちらにも回せる、タテ穴タイプの「スライド式ロック」(公式サイトより)

給食のランチョンマットを巾着袋に入れ、フックにぶら下げることが多いのだが、簡単に着脱できるのがうれしい。フックの着脱方法を次男に教えたが、2・3回でスムーズに着脱できるようになった。楽しそうに何度も試す次男の姿が、心なしか頼もしく思える(親バカ)。

袋掛けフックは一定の負荷が加わると本体から外れる仕組みで、安全面にも配慮(公式サイトより)

別売り(税込700円)だが、タブレット端末の持ち帰りを考慮した「PC・タブレット用衝撃緩和シート」が用意されているのもポイントが高い。液晶の割れや端末が破損するのが心配なので、筆者は購入を検討している。

最終的に筆者はランドセルを選んだが、それでもエアリュックの軽量さは魅力的だ。ランドセル選びは子供の好みや特性、学校との距離によって1人ひとり違う。学校がもっと遠く、「ファスナーの開閉もバッチリ!」であれば、きっとエアリュックを選んでいたと思う。

小学生の約9割が重いと実感、約6割の親が通学カバンを変えたいと回答

「RAKUSACKR(ラクサック)」シリーズを展開するフットマーク株式会社は、小学校1年生から3年生と保護者1,200人を対象としたランドセル意識調査を2024年3月に実施し、その結果を4月10日に発表している。

身体への負担を軽減する機能や工夫を追求した「RAKUSACK JUNIOR(ラクサックジュニア)」

それによると、小学生の91.4%が「ランドセルが重い」と感じていると回答。保護者の87%が、「ランドセルが重すぎるのではないか」と感じていることが分かった。荷物を入れたランドセルの重さは平均4.13kgで、昨年度の4.28kgより微減している。

約9割の保護者が「ランドセルが重い」と回答(「ランドセル意識調査」(フットマーク株式会社)より)

また、「子供が通っている小学校では、『置き勉』は禁止されていますか」という質問には、31.5%が「禁止されている」と回答。しかし、禁止はされていないけれど持ち帰りをしている子供が64%という結果になった。主な理由は「家庭学習のため」「何となく持って帰ってきている」が上位だった。

64%の子供が「置き勉」をせずに持ち帰っている

「体への負担がより少ないリュック等があれば、子供の通学カバンを変えたいと思いますか?」という質問には、64.4%の保護者が「通学カバンを変えたい」と回答したという。

64.4%の保護者が「より体の負担が少ないカバンに変えたい」と回答

実は「長男こそ、ランドセル型リュックが必要なのでは?」と思っているが、そう簡単に買い換えられないのも実情だ。ちなみに、小中高生に向けて「ラクサック」を展開しているフットマーク株式会社では、1週間貸出しキャンペーンも実施しているので、一度試してみようかと考えている。

軽さで選ぶのか、子供の使いやすさ、デザインの好みで選ぶのか、最適な答えは家庭によってそれぞれ。しかし、より軽いランドセルに人気が集まる今、多くのブランドが軽量ランドセルやランドセル型リュックを展開しているので、ぜひ実際に手に取り、わが子にとって最適な“相棒”を見つけてほしい。