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Z世代の部活動、「仲の良さ」と「寄り添い型リーダー」を重視

SHIBUYA109がZ世代の部活動に対する意識調査を実施

Z世代の部活動に関する意識調査

 株式会社SHIBUYA109エンタテイメントが運営する若者マーケティング機関「SHIBUYA lab.(シブヤイチマルキュウラボ)」は、Z世代である現役高校生を対象に「Z世代の部活動に関する意識調査」を行い結果を発表した。

 この調査は8月に外部調査パネルによるWebによる調査とSHIBUYA109 lab.の独自ネットワーク「SHIBUYA109 lab.MATE」によるインタビューで行ったもの。対象は東京、神奈川、埼玉、千葉の一都三県の高校生男女で、部活の内容については男性200名、女性239名から回答を得た。質問内容は入っている部活や入ったきっかけや選択理由、活動頻度、部活動のSNSアカウントの有無。さらに、部活の雰囲気や実績、先輩像についても調査している。さらに、別途グループインタビューは合計8名に行っている。

 部活動加入率は男子が75.3%、女子が74.1%で、実際に所属した部活は文化部では吹奏楽、料理、書道、パソコン・プログラミング、写真の順で多く、運動部では陸上、テニス、バドミントン、バレーボール、サッカー・フットサルの順となった。男女別では男子の1位がサッカー・フットサル、女子の1位が吹奏楽となった。

所属部活

 部活に入った理由は、「放課後の時間を充実させたかったから」「過去同じ部活動をしていたから」「仲が良い友達が欲しいから」の順で多く、活動頻度も週に5~6回が37.4%と最も多くなり、頻度についても「適切だ」という答えた人は68.6%にもなった。

部活に入る理由と活動頻度

 部活のSNSアカウントについては、回答者の55.6%がSNSアカウントありの部活に所属し、運用目的として「校外の生徒にも活動を知ってもらうため」が23.5%と最も多くなっている。

部活のSNSアカウントがある

 部活を選択する上で重視していたことについては、運動部では「部員同士の仲が良い」が多く、文化部では「ゆるい部活である」と、傾向が分かれ、実際に所属する部活の状況は「自由な雰囲気である」「人間関係が良好である」など仲が良いことを重視、部活をするモチベーションでも「部活内に仲がいい友達がいる」が多いなど、人間関係重視という結果となった。

部活選びで重視した点
実施の部活
部活をするモチベーション

 また、どのような部活が厳しいか緩いかを聞いた設問では、厳しいほうでは「怒鳴られることがある・多い」「顧問やコーチが主導権を握っている」「練習頻度が高い」などが挙げられ、緩いほうでは「自由な時間が多い・部活に関係ない話がしやすい」「練習頻度が低い」「練習時間が短い」などとなった。

厳しいと感じること
緩いと感じること

 部活の雰囲気と実績では、「たとえチームに亀裂が入ったとしても実績を残す努力をすべきだと思う」が39.1%となるなかで、「チーム実績よりもチームの調和や仲の良さを重視したい」が67.9%で、成果よりも雰囲気重視という考え方が多かった。

部活の雰囲気と実績

 理想の先輩像も「気軽に相談しやすい」「丁寧に教えてくれる」「分かりやすい言葉で説明してくれる」が上位となった。

理想の先輩像

 そして、部活が「ブラック部活」かどうかについては、当てはまらないが71.5%となった。

部活がブラックかどうか

 さらになくなってほしいと思う部活のルールについては自由回答で聞いており、上下関係、頭髪、休みづらさ、禁止事項などに不満があることが分かった。

なくなってほしい部活のルール

 部活についてはグループインタビューでも聞いており、部活に伝統的なしきたりが受け継がれている様子が見られたとしており、部活のSNSの活用で他校とのつながりを作るケースもあることから、SNSは部活のあり方の変化のきっかけになるかもしれないと指摘している。

 また、高校生の理想の先輩像は、1月に実施したZ世代社会人に対した調査「Z世代の仕事に関する意識調査」とほぼ同じになったとし、「周囲を引っ張っていく」リーダーシップから「寄り添い型」リーダーシップへの変換が求められていると分析している。