ニュース

IGS、中高向け「探究力測定」のパッケージを販売開始

探究型学習で伸びるスキル・能力を多面的に評価・データ化

Institution for a Global Society株式会社(IGS)は、探究型学習で育成する探究力を評価する、「探究力測定」のパッケージを、中学・高等学校向けに2022年5月30日から販売開始した。申込〆切は6月30日で、初回実施校は割引となる。監修は東京学芸大学大学院 教育学研究科 教授・学長補佐の西村圭一氏。

背景としては、2022年度全面実施の新学習指導要領により、全国の高校で「探究型学習」の授業が開始したことがある。しかし、探究型学習で伸びるスキル・能力の評価は、従来の知識を問うテストでは難しいため、生徒が自己成長を感じづらく、評価に課題感を持つ教師が増えているという。

この状況について監修の西村氏は、探究の学習自体を評価することが目的ではなく、生徒の資質・能力を伸長するための手段だとし、そのプロセスを評価することが大事だとコメントしている。

そこでIGSは「探究力測定」を開発。シミュレーターによる絶対評価と生徒同士の相互評価を組み合わせることで、探究型学習で伸びるスキル・能力を多面的に評価・データ化できるようにした。

探究力測定では、探究型学習で伸びる「スキル」である「自律的探究力」と、「能力(行動特性)」である「協働的問題解決力」に分類。それぞれに合った2種類の評価ツールを「探究力測定」パッケージとして提供する。

〇「自律的探究力」を、シミュレーターテスト「数理探究アセスメント」で測定

数理科学的ものの見方・考え方に関するスキル。西村氏監修による「数理探究アセスメント」で測定。シミュレーターによるテストを通して、「課題設定力」「実験計画力」「考察力」「創造力」を、絶対的評価で可視化する。

〇「協働的問題解決力」を、AIを活用した相互評価ツール「Ai GROW」で測定

多様な人々と議論し、お互いの能力を発揮しながら問題解決に向かう力。IGSが国内外250校以上に提供してきた、AIを活用した相互評価ツール「Ai GROW(アイ・グロー)」によって、6つの行動特性を可視化する。具体的には、「個人的実行力」「決断力」「表現力」「柔軟性」「共感・傾聴力」「協働性」を、生徒同士で評価し、評価の偏りをAIが補正したスコアで算出する。

また、個人レポートは、「評価をされるため」ではなく「“どう伸ばすか”を考えるため」のレポートになるようにデザインされている。

そのほか、測定後の振り返りが重要であるため、「振り返りワークショップ(WS)」を実施できるよう、WSの手順書とワークシートがついている。

このように、測定時に教師の採点はなく、振り返りWS準備の負担も軽減されるため、教師の働き方改革にも寄与するという。

すでに、熊本県立宇土中学校・宇土高等学校、高松第一高等学校、山口県立宇部高等学校、東京都立大泉高等学校附属中学校、徳島県立脇町高等学校、名古屋中学校・高等学校、福井県立高志高等学校の7校でモニターを実施している。モニター校からは、「教育効果の可視化により、不足している指導箇所がわかった」「探究型学習における、生徒の強み・課題がわかった」といった声が上がっているという。