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石川県の高松中が探究教材「MiraPASS」を導入──AIとの対話で主体性を育て、教員の負担を軽減

石川県かほく市立高松中学校が、ミラッソ株式会社が開発する探究教材「MiraPASS」を導入

ミラッソ株式会社は、石川県かほく市立高松中学校において、同社が提供する探究教材「MiraPASS(ミラパス)」が本格的に導入され、授業での活用が始まったと2025年10月31日に発表した。

MiraPASSは、現役の起業家による映像教材とAIとの対話型ワークを組み合わせた探究学習・キャリア教育サービスである。生徒は起業家の体験をもとにした講義を視聴し、映像と連動したAIチャット「みらいワーク」を使って自分の興味関心を深掘りしていく。

起業家による動画を視聴する高松中学校の生徒たち

例えば「好きなことは何か?」「なぜそれに興味があるのか?」「社会のどんな課題を解決できるか?」といったAIからの問いに答えることで、生徒は思考を言語化し、自分だけの探究テーマを具体化していくことが可能だ。

映像と連動したAIチャット「みらいワーク」で自分の興味関心を深掘り

授業では、生徒が1人1台のパソコンで集中して映像を視聴し、その後AIとの対話を通じて思考を言語化するワークを実施。教室ではタイピング音が響き、生徒たちが真剣な表情でAIに向き合う様子が見られたという。ある生徒は「昆虫が好き」というひと言でAIが提示した「食糧問題とどう結びつくか考えてみよう」という問いから新たな視点を得ていた。

自分の考えを言語化

今回の導入により、「生徒が自分の興味に合ったテーマを見つけられない」「探究の進め方がわからない」といった課題や、教員の教材準備・個別指導の負担が大きいという現場の悩みに対応することが可能になっている。

起業家が自らの経験を基に「ビジョンの描き方」「サービス企画」「プロジェクトの進め方」など解説

高松中学校 1年学年主任の上谷由喜氏は、「教員だけでは把握しにくい社会のニーズや市場の動向を知ることができ、授業づくりのヒントを多く得られた。準備の負担が減り、働き方改革の面でも非常に助かっている」とコメント。問い返し形式で生徒の思考を広げて、「自分で考える力」を育てる構成を評価した。

ミラッソは、学習イベントや出張授業を通して「心に火を灯し、未来をWakuWakuさせる体験」の提供をミッションとした教育事業を展開。高松中学校での導入をモデルケースとして、全国の小学校・中学校・高等学校への展開を進める方針だ。

提供プログラムの概要