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発達障害教育の「さくらんぼ教室」が35周年イベント開催、「特性・個性を生きる力に」を発信

株式会社Grow-Sが運営する、発達障害教育の学習塾「さくらんぼ教室」が、開設35周年記念イベントを10月5日に日本教育会館で開催

株式会社Grow-Sが運営する「さくらんぼ教室」は、2025年10月5日に東京都千代田区の日本教育会館にて開設35周年記念イベントを開催し、同教室の生徒や保護者、教育・医療関係者など約700人が来場した。

同イベントでは「特性・個性を生きる力に」をテーマに、信州大学医学部 子どものこころの発達医学教室 教授・同附属病院子どものこころ診療部部長の本田秀夫氏や、中京大学現代社会学部 教授の辻井正次氏が登壇。本田氏は、健康的な自己肯定感は親の期待や希望を叶えることではなく、子供自ら目標を持って「できた」と思えることが重要と指摘。本人が目標を持って頑張ろうという気持ちを育てることが大人の役目と述べた。

信州大学医学部 子どものこころの発達医学教室 教授の本田秀夫氏は、子供自身が目標を持って「できた」と思えることで、自己肯定感や達成感が得られると指摘

辻井氏は「幸せな大人になるために」というテーマで、困ったときに「困った」「わからない」と言えることが強みであることに触れ、推し活や好きなことは、子供が精神的に厳しいときを支えると語った。また、生活の基本となる「衣食住」や「自炊できる」ことは大事で、「自分が元気なうちに子供が一人暮らしの体験をする、子供に家事をさせるなどの経験をさせてほしい」と保護者に語っている。

中京大学現代社会学部 教授の辻井正次氏は、困ったときに「困った」「わからない」と言えることや、生き方を自分で決められるようにする自立体験の重要性を語った

第2部では、「学び」「個性」「自立」をテーマに、同教室から3,600人を代表して24人の生徒が自身の思いや考えについてプレゼンテーションを行った。

発表では、「大好きな電車で漢字検定にチャレンジ」「セミの目の色の違いについて研究を続けて4年目」など、生徒たちが自分の学び方、学ぶことへの思いと自身の成長を会場に発信。「『勉強なんかやりたくない!』と言いながら、本当は心の中でずっとできるようになりたいと思っていた」と発言した生徒もいた。

さくらんぼ教室の代表生徒が、「学び」「個性」「自立」をテーマにプレゼンテーションを実施

社会人生徒の3名は、これまでとこれからについてスピーチ。「社会人として仕事で夢を与えられる人になりたい」「自分らしく頑張ってこられたのは、小中学生時代にいろいろ経験させてくれた母のおかげ」「僕の個性は、まじめでまっすぐ。一般職への試験もチャレンジしていきたい」。家族からのメッセージも読み上げられ、会場は子供たちの成長と未来を見守る家族の温かい思いに包まれた。

生徒や家族の声に対し、「子育てに対して希望が持てた」「先輩のような大人になりたい」「学校卒業した後、自立までの道が見えた」など、生徒・保護者だけでなく、関係各機関からも多くの感想が寄せられているという。

さくらんぼ教室は、「あなたにはできることがたくさんある」「その方法は周りの人と違っていてもよい」「今できないことも、変わっていく」などのメッセージを生徒や保護者に伝え続けてきた。代表の伊庭葉子氏は、「一人ひとりの持つ発達特性や個性は生きる力になる!」という価値観とメッセージを生徒とともに社会に発信し続ける考えだ。