ニュース

学校と民間教育のスタディログ連携、スタディプラスが総務省調査のレポートを発表

「スタディログの一元化は個別最適な学びを提供できるようになる」

 スタディプラス株式会社は、総務省の令和4年度「教育分野における情報信託機能の活用に係る調査」の成果報告レポートをまとめたとして内容を発表した。総務省が学外教育データの標準化を目指すなか、学内・学外の教育データを統合して個別最適な学びの実現などに向け、スタディログの提供に関する実証調査・机上調査を行ったものとなる。

 実証事業ではスタディプラスの教育機関向け学習プラットフォーム「Studyplus for School」を6カ月以上利用し、スタディログを活用した指導を行っている学校や塾の先生と、その先生が指導する生徒へのアンケート調査を行った。

 今後も「Studyplus for School」を活用して生徒に学習指導をしたいかという問いでは、「当てはまる」「どちらかといえば当てはまる」と回答した割合が学校の先生で88%、その生徒が77%、塾の先生が100%、その生徒が96%となり、スタディログの共有と活用を支持した。

 具体的なメリットでは「学習者の学習内容・学習量・成績等の学習状況を把握することで、学習者それぞれの状況に応じた指導、アドバイスの個別化、指導頻度の向上を実現できる」などと回答があったほか「(連携のために情報を蓄積する)情報銀行にデータを一元化させるためには、各データの管理者にデータ連携のインセンティブがあることが必要」や「多くの学習は紙教材で行われており、スタディログを手動で作成することが、生徒・先生双方の負担」などの課題も明らかになった。

 また、スタディログ連携のため、教育分野で情報信託機能を活用するために必要な制度として、現在の情報銀行認定制度(情報銀行認定申請ガイドブック)と、教育分野で定められている「教育情報セキュリティポリシーに関するガイドライン(令和4年3月)」などを比較、今後の定めるべき制度や課題を整理した。

 課題は「未成年の同意取得」ではデータ連携等の同意手続きをするなか、年齢の変化で保護者等の法廷代理人等から同意を得る必要がなくなったときの「同意取得の対象変更に関する明文化を推奨」としたほか、利用者に同意のコントローラビリティを提供するための情報提供の相手先について明文化、情報銀行認定制度とは異なる形で利用者が情報提供先を指定するなど、利用者の安心安全を担保するガバナンスの仕組みを整備するのが適当だとした。

スタディプラスが考えるスタディログの一元化及び利活用のイメージ

 なお、スタディプラスでは、「学習者のあらゆる学びの記録をパーソナルスタディログとして一元化・可視化することで、学校・学習塾の先生はそれぞれのカリキュラムを越えて、一人ひとりの考えや悩みに寄り添った指導ができるようになり、学習者に個別最適な学びを提供できるようになる」とメリットを挙げている。