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デジタルラボとAI PCで教育が進化、「Intel Connection Japan 2026」で戸田市と石川高専が事例を紹介
2026年2月12日 06:30
インテル株式会社は、「Intel Connection Japan 2026」を2026年2月3日に東京都港区の虎ノ門ヒルズで開催した。同イベントでは、AI PC向けインテル Core Ultra シリーズ 3 プロセッサーを中心に、基調講演や各種セッションと展示を実施している。
AI PCの分科会セッション「教育現場を変えるAIと最新の取り組み」では、AI PCの進化が日本の教育をどのように変えていくかをテーマに、埼玉県戸田市や石川工業高等専門学校が取り組み事例を紹介した。
ローカルで動作するAI PCが、学校現場でのプライバシー保護と利便性を両立
教育向けのセッションでは、インテル株式会社 業務執行役員 インダストリー事業本部 パブリックセクター事業統括部長の荒木義満氏が登壇。AIの利活用とAI教育の重要性に触れ、「インテルでは、デジタルラボ構想という形でデジタル人材の育成に注力をしている」と講演の意義とインテルの役割を紹介し、登壇者を紹介した。
最初に登壇したのは埼玉県戸田市教育委員会 教育長の戸ヶ﨑勤氏で、同氏は、戸田市が進める教育改革の中で「経験と勘と気合」というこれまでの教育を「3K」と表現した。これからは教員の指導技術における技の可視化など、データと客観的な根拠に基づくエビデンスベースの教育を重視しており、その中心がAIでは代替が難しい能力を育成し、授業や生徒指導を科学するという姿勢を挙げている。
具体的な取り組みとして、2016年から「1人1台端末」をGIGAスクール構想より先に導入し、「まずはやってみる(Just Do It)」の精神でICT活用を推進してきたことを強調。全ての小中学校の全教室から黒板を撤去。代わりに電子黒板やプロジェクターを全小中学校に導入し、デジタルとリアルな学びを融合させる環境を9年かけて構築。メタバースを活用した美術の授業や、低学年からのプログラミング教育など、多様な学習形態が日常化しているとした。
また、従来のパソコン教室は「STEAMキャンパス(メディアルーム)」へと名称を改め、最新のCPUやGPUを搭載したハイスペックPC、3Dプリンター、レーザーカッターなどを備えた「クリエイティブなアトリエ」に生まれ変わらせた。児童生徒が最新のテクノロジーに触れて「ワクワクする学び」を自発的に進める拠点となっている。
一方、学校のデジタル化による働き方改革では「戸田市版ゼロトラスト」で教員用のPCを1台に統合するなどの構想を説明した。
AIについては、戸ヶ﨑氏は教員を代替するものではなく、個別最適な学びを支える相棒としての可能性を指摘。仕事がAIで代替される動きが今後さらに加速するとし、AIを活用する能力の育成を進める。
戸田市では小学校1年生からAIを活用した授業を試行しており、通信環境に依存せずローカルで動作するAI PCが、学校現場でのプライバシー保護と利便性を両立させる鍵になると述べた。
情報の基礎は全員が学び、専門分野とAIを掛け合わせた実践的なものづくり
続いて、石川工業高等専門学校(石川高専)から准教授の小村良太郎氏が登壇。専門分野の知識と高度なIT・AIスキルを併せ持つ「DXエンジニア」の育成プログラムについて講演した。石川高専では、20年以上前から今のBYODという形で学生がノートPCを持参し、その環境を使って自学自習の仕組みを整えている。その中で電子情報工学科以外の学科の学生もサイバーセキュリティの“いろは”がわかるような教育を導入してきた。
そこで、全国のほかの高専と協力しながら石川高専がとりまとめ、情報、サイバーセキュリティ、AIについて、情報系学科以外も含めたすべての学科の高専生が学ぶべき最低限の目標を策定している。
石川高専では、1つの専門に特化した人材を超え、情報と他分野の専門を融合させた人材の育成を掲げている。実現のため、2025年度から「先進科学融合コース」を新設、1年生から情報の基礎を学び、高学年になるにつれて機械や電気などの専門分野とAIを掛け合わせた実践的な「ものづくり教育」を展開しているという。
その結果、文部科学省の数理・データサイエンス・AI教育プログラム(MDASH)のリテラシーレベルの第1号認定、応用基礎レベルも設定初年に認定が行われた。
これらの教育を支えるため「AI Career Tech Center」を2025年4月に設置。同センターには、NPUを搭載したAI対応のノートPCが配備され、学生はクラウドに頼らず、ローカル環境でリアルタイムなAI推論を学ぶことができる。
小村氏は、クラウドでのAI利用は教育現場では不安があることから、ローカルでAIが動き、持ち運びもできるNPU搭載ノートPCで学習ができることは便利だと紹介、さらに、エンジニアにとってもEdge AIが大事であることを強調した。
AI Career Tech Centerでは、AIの基本と仕組みやディープラーニングの構成などを学び、AIに携わるプロジェクトの推進方法を学ぶため、AIのツールキットを使ったプログラミングを行う。その結果、学生はAI活用マインドが向上。約90%がこれから活用しようと思い、AI活用を具体的にイメージする力が備わった。
2026年度は、2年生から3年生でAIを含む情報活用能力を育成し、4年生から5年生で専門性を生かしたDXエンジニア教育を進め、地域への展開も考えているという。
インテルのAI支援プログラムに参加した日本代表2人を表彰
最後は、インテル コーポレーション APJ ガバメント・パートナーシップ&イニシアチブ シニア・ディレクターのシュエタ・クラナ氏が登壇し、AI時代に求められる能力「デジタル・レディネス」の重要性と、それを具体化する支援プログラムについて説明。2025年の「AI Global Impact Festival」に日本代表として参加した2人を紹介した。
アタルヴ・クルカルニさんが開発した「KaiGo AI」は、深刻な介護士不足という課題に着目したシステム。高校2年生の夏に参加したボランティア活動で介護士と関わったこと気づいた課題をAIで解決できると考えた。
利用者の発言から感情を判断して、介護士の声で応答を生成するもので、介護士を置き換えるのではなく、離れた場所にいても利用者が安心できる支援を提供することを目指したもの。インテルのAI導入ツールキット「OpenVINO」を活用し、低スペックなデバイスでも動作するよう最適化されている。
専門学校生の入谷修司さんは、訪日観光客向けの食事の多言語メニュー作成システム「Itadaku」を開発。日本語メニューの解読や、アレルギー・宗教上の食事制限の確認が困難という問題を解決することを目指したものだ。
すでに多言語の食券自動券売機はあるが、コストがかかるなど飲食店の負担が大きい。そこで、OpenVINOによる高度な機械翻訳を実装して、小規模な飲食店でも導入しやすい低価格なシステムとし、誰もが安心して食を楽しめる障壁のない環境作りを目指したという。






























































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