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内田洋行、京大開発の学習履歴分析ツール「LEAFシステム」を販売開始
2025年5月7日 14:30
株式会社内田洋行は、京都大学 学術情報メディアセンター教育情報学研究分野が開発したラーニング・アナリティクスツール「LEAFシステム」について、初等中等教育機関向けに販売を開始した。
同システムは、デジタル教材の閲覧履歴や学習履歴などを分析し、個々の学習者に合わせた指導を可能にする。価格は、児童生徒一人あたり年間600円(税別)で、人数により変動。別途導入費用が必要となる。
内田洋行教育総合研究所と京都大学は、LEAFシステムの実証研究で、児童生徒の理解度向上や教職員の負担軽減に関するデータを収集・分析。2022年には文部科学省のデジタル教科書実証事業に採用されている。今回の製品版では、同システムのユーザーインターフェースと機能を刷新し、より直感的に操作できるようにした。
同システムの構成は、デジタル教材配信システム「BookRoll」、データ分析ツール「ログパレット」、学習履歴データベース「LRS」の3つ。
BookRollは、教職員が登録したデジタル教材(PDFファイル)を児童生徒がWebブラウザーで閲覧できるシステム。児童生徒は、教材にマーカーを引いたり、メモを書き込んだりすることが可能だ。これらの活動はLRSに蓄積される。
ログパレットは、LRSに蓄積された学習ログを分析・可視化する。児童生徒が引いたマーカーを教材に重ねて表示する「マーカーヒートマップ」の利用のほか、マーカー部分の単語を集約する「ワードクラウド」の生成も可能。また、手書き(ペンストローク)分析では、児童生徒の筆跡を再現して学習過程を把握できる。
同システムでは、同社の学習eポータル「L-Gate」と連携し、IDやパスワードを入力しなくても自動ログイン(シングルサインオン)で利用可能だ。同社は、国際技術標準xAPIに基づいて、今後はL-GateとLEAFシステムの学習ログをLRSに集約し、児童生徒の個別最適な学びに資するデータの利活用を提案するという。