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現役教員が起業に挑戦、クラフトビール醸造の取り組み
2025年1月23日 14:00
株式会社Dragon Brewingは、クラフトビール醸造に関する取り組みと今後の計画を2025年1月21日に発表した。
同社は、東海中学校・東海高等学校(愛知県名古屋)の現役教員5名が中心となって設立した会社である。「生徒たちに正解のない課題解決にもっと挑戦してほしい」という思いから2023年に校内で「ビジネス愛好会」を立ち上げた教員たちが、「まずは自分たちが起業に挑戦すべき」と考え、理科・英語・国語の教員に社会人を加えたチームが会社設立に携わっている。
このプロジェクトの発端は、2024年3月に開催された「Startup Dragon-Gate」というビジネスコンテストでの優勝だった。このコンテストで得た賞金を基に事業を開始。教員たちはビール離れが進む現代において、甘めで軽い健康に配慮したビールを造ることができないかと考え、島根県のマイクロ・ブリュワリー「石見麦酒」で醸造修行に参加した。
Dragon Brewingでは、新たなビールを造るだけでなく、新たな教育の形や学校を中心とした新たなビジネスモデルを提供することを目指している。リーダーシップや課題解決能力、仲間と協働する力が求められるようになってきているが、学力が重要視され、偏差値の高い大学合格を目標とする生徒たちも多い。
そのようなキャリア観に風穴を開けるべく、教員自らが起業に挑戦し、その学びを生徒たちに還元することで「アントレプレナーシップ(起業家精神)を生徒に身に付けさせたい」というのが取り組みにおける目標の1つだという。
なお、今回のクラフトビール醸造事業は、ほぼすべて学校の保護者やOBらとのネットワークを活用している。醸造所として使用するのは、学校行事などの撮影を行う名古屋市東区の永井写真館の社宅である。入居者がいない同物件の改築については、設計・建築会社を経営する保護者に依頼する予定だ。
学校の教員がクラフトビール事業で保護者やOBとのつながりを強め、その学びを教育現場に還元しようという同プロジェクト。6月には醸造免許を取得して、来夏にフルーツビールを販売することを目指しているという。