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プレゼンを通して「社会に関与する意義」を子供に伝える、アルバ・エデュ×山梨大学が成果発表

一般社団法人アルバ・エデュと山梨大学大学院総合研究部小野田亮介准教授が、「社会への関与を志向したプレゼンテーション授業」の論文を発表

一般社団法人アルバ・エデュと山梨大学大学院総合研究部小野田亮介准教授は、プレゼンテーション授業が「学習者の動機付けに与える影響」を検証した研究成果を発表した。

同研究は、プレゼンテーションを通して社会に関与することの意義を児童生徒に伝え、その上でプレゼンテーションの方法を指導する「社会への関与を志向したプレゼンテーション授業」を実践したものとなる。

具体的には、小学校5年生と6年生、中学1年生の計184人に「主体的に社会に関与することの意義」を伝え、効果的な手法としてプレゼンテーションのコツを授業で指導。児童生徒は、「考える」「伝える」「見せる」の3つの観点からプレゼンテーションの基礎を学び、グループ演習を通じて内容を深めた。

その結果、児童生徒の社会的関与に対する態度と、プレゼンテーションに対する期待や価値の評価がともに向上する結果が得られたという。

さらに、中学1年生99人を対象に行った発展的な授業では、論理構成やストーリーテリングの技術を指導するとともに、資料のビジュアルによってプレゼンテーションの印象が大きく変わることを生徒に説明した。

この授業では、社会への関与態度を高めた生徒ほど、自分のプレゼンテーション能力に対する期待を高める傾向が示された。つまり、社会への関与を達成するための方法としてプレゼンテーションの方法を学ぶことで、動機付けが強く維持・促進される可能性が示された。

同研究の示唆として、児童生徒が「好きなことを自由に表現するプレゼンテーション」から「説得力を高めるための方法に沿ったプレゼンテーション」を実施するときに自らの動機付けが高まると考えられる。また、社会への関与態度とプレゼンテーション能力を育む教育の重要性が明らかになったほか、教科横断的な指導法や教育効果の検討が重要となることを指摘している。

<論文情報>

  • 論文名 社会への関与を志向したプレゼンテーション授業が学習者の動機づけに与える影響
  • 著者 小野田亮介、蝦 真理子、竹内明日香
  • 発表雑誌 日本教育工学会論文誌
  • 掲載日 2024年10月20日
  • DOI https://doi.org/10.15077/jjet.47132
  • URL https://www.jstage.jst.go.jp/article/jjet/48/3/48_47132/_html/-char/ja
  • 助成 JSPS科研費JP21K13691、JP24K06497、および日本財団助成事業「全国の教育現場への話す力を高めるプログラム導入事業」