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AIを「思考の相棒」へ、中学生が校内生成AIの新機能を提案

アルサーガパートナーズ株式会社が、千代田区立九段中等教育学校の生徒による生成AIワークショップの成果発表会を1月23日に開催(出典:アルサーガパートナーズ株式会社、以下同じく)

アルサーガパートナーズ株式会社は、千代田区立九段中等教育学校の生徒を対象とした生成AIワークショップの成果発表会を1月23日に開催した。開催場所は、アルサーガパートナーズ本社。

テーマは「AIをフル活用して『otomotto(校内生成AI)』の新しい機能を考えよう」。生徒たちがグループごとにアイデアを考案し、アルサーガパートナーズのエンジニアや副社長に向けてプレゼンテーションを行った。

otomotto(オトモット)は、教育現場での安全な生成AI活用を目的に開発された、校内利用に特化した教育用生成AIツール。九段中等教育学校が文部科学省の「リーディングDXスクール」に指定される中で導入され、アルサーガパートナーズが開発・運用を支援している。

アルサーガパートナーズは、九段中等教育学校が授業の一環として実施する「企業訪問」の訪問先の1つとして、DXや生成AIをテーマにしたワークショップを行っている。2025年11月に実施したワークショップでは、DXの基本的な考え方や既存のデジタル技術が社会やビジネスをどう変えてきたのかを学んだ。

今回はその集大成として、実践編となる「新機能の提案」に挑戦。生徒たちは2つのグループに分かれ、otomottoに追加する具体的な機能を検討した。発表会では、アプローチの異なる2つのグループが、それぞれの視点から導き出したアイデアを発表している。

・1班:AIを「検索ツール」から「思考の相棒」へ
1班の提案は「思考を深めるパーソナライズ検索機能」。現在のチャット型AIの使われ方を分析し、「知識はすぐに手に入るけれど、考えが深まっている実感はあるだろうか」という問いから、AIを“答えを返す存在”ではなく、“思考を広げる存在”として再定義した。

提案内容は、点と点をつなぐ体験。ユーザーが検索した内容に対し、AIが「次に知るべきこと」や「異なる視点」を予測して選択肢をボタン形式で提示し、思考の連鎖を止めない仕組みを考案している。

一方で、履歴に依存しすぎることで視野が狭くなることや、予測が外れたときの使いづらさなど、AIが抱える課題にも目を向け、情報の偏りを防ぐため、「データの定期リセット」や「用途別チャットの切り分け」も提案した。

1班の提案

・2班:徹底した市場調査から見えた「隠れたニーズ」
2班の提案は、調査データが導いた3つの機能。学年全体約160名のうち、約100名にアンケート調査を実施した結果、開発者たちも知り得なかった「生徒たちはotomottoを主に文章添削にしか使っていない」「実はテスト勉強や時間・スケジュール管理にこそ悩んでいる」というリアルな実態を突き止めた。

これを元に、3つの機能を提案した。

  • 目的別ナビゲーション:「otommotoで何ができるかわからない」という層に向け、用途に合わせて機能を提示するツール
  • 自動スケジューリング機能:「時間が足りない」という悩みを解決するため、個人の都合に合わせて学習計画を自動作成する機能
  • テスト対策機能:教科書やテスト範囲をアップロードすることで、予想問題や解説を作成する機能。
2班の提案

アルサーガパートナーズ副社長の松濤 徹氏は、「1班のアイデアは『こうあるべき未来』を自分たちの視点で提示し、2班はユーザーの課題をデータで捉え、そこから解決策を導こうとする『マーケットイン』の姿勢があった」と発表を振り返り、生徒たちを講評。さらにプレゼンテーションに関するアドバイスを送った。

アルサーガパートナーズ副社長 松濤 徹氏による総評