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Pepperが小3にプログラミングを指導、追手門学院小で教員補助なしの実証授業を実施

予備検証授業の様子

学校法人追手門学院は、大阪市中央区にある追手門学院小学校で、教員の補助なしに人型ロボット「Pepper」が小学生に授業を行う実証実験を2025年9月26日(金)に実施する。対象は小学3年生約36名で、学習指導要領に沿ったプログラミング教育(A領域)に基づき、プログラムで豆電球を点灯させる課題に取り組む。

この取り組みは、ロボットが教員の代わりを務めた場合に、児童がどの程度授業内容を理解できるかを検証するものである。授業では、Pepperがプログラミングの仕組みや手順を説明し、児童はその指示に沿って課題を進める。

同実証実験を主導するのは、追手門学院ロボット・プログラミング教育研究推進室の福田哲也室長と、同小学校教諭の神田孝央氏である。福田氏は、追手門学院大学や併設の中学校・高校においてPepperが進行役を務めるワークショップを実施してきた。従来は、ロボットが「教員の補助」や「部分的な担当」となることが多いが、今回はロボットが単独で授業を展開する点が最大の特徴。

今回の実証は、国が掲げるSociety 5.0の実現に向けた教育の可能性を探るものでもある。児童がロボットによる授業をどの程度理解できるかを検証し、教員による授業との比較を通じて効果を測定。実証を通じて、ロボットと教員が協働する授業モデルの確立を目指し、教員が児童に寄り添って指導する学習者本位の教育環境を整えることで、より柔軟で多様な学びの場の創出につなげたい考えだ。