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小学生向け「目標達成ノート」をMetaMoJiが開発、大谷翔平選手も実践した原田メソッドを搭載

左から、株式会社MetaMoji 代表取締役社長 浮川和宣氏、株式会社原田教育研究所 代表取締役社長 原田隆史氏、株式会社MetaMoji 代表取締役専務 浮川初子氏、株式会社MetaMoji 法人事業部 事業部長 植松 繁氏(撮影:編集部)

株式会社MetaMoJiは、2025年12月11日に都内で記者発表会を開催し、「生涯の学びを支援する環境」の開発構想と、学校で利用する「MetaMoJi ClassRoom 3」の新たな学習支援機能を発表した。

同社は、生涯の学びを支えるのは「考える力」「実践する力」「『考える力』と『実践する力』の習得を支えるAI」であると捉え、各分野の専門家と共同研究を実施。メジャーリーガーの大谷翔平選手も実践した目標達成手法「原田メソッド」を搭載した「目標達成ノート」と「習慣ノート」の開発に至ったという。

大谷翔平選手が花巻東高等学校時代に実践していた「オープンウインドウ64」(出典:株式会社MetaMoji)

「目標達成ノート」は、2026年春の製品発表を目指している。国内企業600社・50万人が実践した「原田メソッド」を採用し、小学生でも取り組める形にした点が特徴。オープンウインドウ64(行動目標)や4観点分析といった考え方を取り入れ、長期目標を図で整理する「夢の設計図」を使いながら、段階的に目標を考えられる構成となっている。

AIを利用して目標を詳細化できる「目標達成ノート」(出典:株式会社MetaMoji)

小学生が継続して利用できるように、候補から自分の考えを深められる「AIアシスト」、自分の振り返りができる「週間ビュー」、モチベーション向上のための「寄り添いAI」といった機能も実装予定だ。

「AIアシスト」や「寄り添いAI」によって小学生が継続できるように工夫(出典:株式会社MetaMoji)
「目標達成ノート」と「習慣ノート」の位置付け(出典:株式会社MetaMoji)

一方の「習慣ノート」は、目標設定の土台となる基礎習慣の習得を目的としており、「帰宅後に学校の宿題に取り組む」「国語の応用問題にチャレンジする」「算数のドリルを毎日3ページやる」といった目標を設定。目標の作成と実行して記録、振り返って改善というサイクルを繰り返す仕組みとなっている。

目標設定の土台となる基礎習慣の習得を目指す「習慣ノート」(出典:株式会社MetaMoji)
「目標達成ノート」で長期目標を設定(出典:株式会社MetaMoji)
「習慣ノート」でAIのアドバイスから日々の目標を設定(出典:株式会社MetaMoji)

「習慣ノート」は、MetaMoJi ClassRoom 3の標準機能として、2027年4月から無償提供される予定だ。メタモジドリルとの連携によって習慣化を促進するほか、や、学習特性(認知特性)に応じた学習方法のアドバイス機能も含まれる。

株式会社MetaMoji 代表取締役専務 浮川初子氏(撮影:編集部)

株式会社MetaMoji 代表取締役専務の浮川初子氏は、「人が成長するには、目標を持ち、計画を作って実践する循環こそが原動力になる。そして、目標を実践し続けるためには『考える力』の学びの土台が欠かせない」と述べている。

さらに、浮川初子氏は、「生徒の理解度や興味に合わせて最適な学びを提供する『ハイブリッド型AI』を学びの基盤として提供。AIは人が考える力を発揮するための『伴走者』であるべきで、そのための『寄り添いAI』を追求する」と語った。

株式会社原田教育研究所 代表取締役社長 原田隆史氏(撮影:編集部)

原田メソッドの開発者である、株式会社原田教育研究所 代表取締役社長の原田隆史氏は、目的・目標を立てることと学習習慣の形成、振り返りの日誌を書くことが「自立型人間」を育成する柱となると強調。

さらに、紙媒体ではデータの蓄積や管理がしにくいことに触れ、原田メソッドの仕組みをより使いやすく・続けやすく・可視化しやすくしたと説明し、デジタルによる記録の一元化や「成果の見える化」に関してMetaMojiへの期待を述べている。

株式会社MetaMoji 法人事業部 事業部長 植松 繁氏(撮影:編集部)

また、株式会社MetaMoji 法人事業部 事業部長の植松 繁氏は、デジタル庁・総務省・文部科学省・経済産業省が掲げた教育DXロードマップの学習環境を提示し、学習支援とドリルで教育DXを後押しすると説明した。

具体的には、協働的な学びと個別最適な学びを推進するため、MetaMoji ClassRoomとメタモジドリルを連携させ、学びの足跡を可視化するダッシュボードを新規開発するという。

教育DXロードマップが指し示す学習環境(出典:株式会社MetaMoji)
MetaMoji ClassRoomとメタモジドリルを連携させ、ダッシュボードを新規開発(出典:株式会社MetaMoji)

メタモジドリルでは、2026年4月(小学校/漢字・計算・情報)、2027年4月(小学校/主要5教科、情報)、2028年4月(中学校/主要5教科、情報)の3段階に分けて小中学校9年分のドリルを提供予定だ。

メタモジドリルの製品計画予定(出典:株式会社MetaMoji)
学校向け製品ロードマップ(出典:株式会社MetaMoji)
株式会社MetaMoji 代表取締役社長 浮川和宣氏(撮影:編集部)

株式会社MetaMoji 代表取締役社長の浮川和宣氏は、日常的に使う漢字だけでも5,000文字以上があり、日本語は文化的資産として誇るべき豊かさを持つ反面、日本語入力の複雑性が思考の障壁になっていると指摘。MetaMojiの手書き入力技術がこの障壁を取り除き、自然な思考ツールとして機能してきたと説明した。

今後は、人々がミッションを持ち、深く考え、行動する「自律的な人間」を支援することで、日本の強化に貢献したいというビジョンを語った。

MetaMoJiは、人の学びを支えるため、文章力育成や図解による思考力、生成型AIと知識型AIを組み合わせた教育AIの研究も進めているとしており、関連する研究内容や製品の詳細を今後段階的に発表するという。