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子供の成果物からAIが所見を自動生成、ClassCloud開発のMikulakが特許を取得
2025年7月25日 12:03
株式会社Mikulakは、同社の学習・校務一体型サポートアプリ「ClassCloud」において、子供の成果物からAIが所見を自動生成する技術に関する特許を取得したと2025年7月24日に発表した。
ClassCloudは、ホワイトボード形式で授業や学習を支援し、そのデータを基に校務全体を包括的にサポートする教育アプリである。同特許を用いた「所見生成機能」は、ClassCloudにて2023年6月からリリースされている。
同機能は、成果物をワンタップで読み込み、クラス全体の所見を一括で自動作成する。教員はその出力を叩き台として編集するだけで済むため、文書作成にかかる負担が大幅に軽減される。さらに、成果物をすぐに確認できるため、教員が根拠を辿りながら責任を持って所見を切り取ることが可能だ。
Mikulakは、所見生成の意義について「教員が子供と向き合う時間を作る」ことが目的であることを強調。同機能のリリース時には、「所見は先生が0から書くべき」「AIに手伝ってもらったら先生が子供を見取らなくなる」「教員の能力が低下する」といった否定的な意見も見られたが、現在では肯定的な評価が多数を占めているという。
特に、同機能を利用する教員からは「以前の1割程度の時間で作業が終わるようになった」「自分が見落としていた子供の活動を把握することができた」「今までは所見の完成がゴールだったが、より良い所見を目指すようになった」といった声が上がっている。
東京学芸大学附属小金井小学校の鈴木秀樹氏は、「ClassCloudが備える『学習履歴からの所見の自動生成機能』は、児童生徒の学びを真摯に見取り、それを教育活動に活かそうとする教師にとって大きな助けとなるに違いない」と語り、「『自分一人で全てを把握する!』と意気込んで破綻するより、『生成AIでも何でも使えるものは全て使って有益なフィードバックをしたい』と考える方が現代の教育にフィットする」と述べている。
同特許は「所見」という枠に限らず、「成果物からの個人の評価」「単元内の変容の評価」なども権利範囲となっている。同社は、分割出願によるさらなる範囲の特許取得を目指す方針だ。