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横浜市、市立小351校に「Yomokka!」を導入――約17万人の児童が自由に読書できる環境を実現
2025年7月3日 12:45
株式会社ポプラ社は、横浜市立小学校・義務教育学校・特別支援学校351校に対し、読み放題型電子図書館「Yomokka!(よもっか!)」を導入したと発表した。対象は約17万人の児童で、6月30日に行われた市長定例記者会見でも取り組みが紹介されている。
今回の全校導入に先立ち、2024年7月から市立学校9校で1年間の試行導入を実施。その結果、児童1人あたりの電子書籍の平均読書冊数が月20.7冊となり、全国平均の13.8冊と比べ、読書量が約1.5倍となる成果を得られた。また、学校図書館の来館者数や本の貸出数も増加しており、電子書籍が本への関心を高める効果も確認された。
試行校の子供たちからは、「貸出中で読めないことがない」「友達が読んでいて『面白そう!』と感じたときにすぐ読めた」という感想が寄せられており、教職員からは「子供たちが読書の習慣を身に付けるのに役立っている」「子供たちが自ら進んで調べる場面が増えた」とのコメントが挙がっている。
Yomokka!は、ポプラ社が提供する本と学びのプラットフォーム「MottoSokka!(もっとそっか!)」を通じて提供されるサービスで、物理的制約を受けずに本が読める点や、同じ本を複数人が同時に読める点などが特長。児童の読書意欲を高めるための機能として、文字サイズや背景色の変更、音声読み上げなどのアクセシビリティ機能も搭載した(絵本などを除く)。
さらに、クラス全員が同じ本を読んで感想を共有したり、朝の読書タイム・調べ学習などに利用したりするなど、授業などで本を活用することが可能だ。読み放題の本は、2025年7月時点で出版社43社による約5,000冊をラインアップ。学校図書館における本の不足を補い、児童の多様な興味に応える構成となっている。