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Google for Education、AI活用アクセシビリティ機能を拡充

Googleの公式ブログ「AI を活用した Google for Education のアクセシビリティ機能のご紹介」より

Googleは、アクセシビリティへの理解と関心を高めることを目的とした「Global Accessibility Awareness Day」(2025年5月15日)に合わせて、ChromebookおよびGoogle Workspaceにおけるアクセシビリティ機能の拡充について公式ブログを公開した。

同ブログによると、世界には2億4,000万人の子供たちが発達の特性や障がいを抱えており、学習に何らかの困難を感じているという。Googleは、すべての子供たちが自分らしく学べる環境づくりを目指してアクセシビリティ機能を強化しており、Google WorkspaceやChromeOS、Chromebookに、AI技術を活用した多様な支援機能を組み込んでいる。

2025年に提供が始まった「フェイスナビ」は、顔の表情や動きでChromebookを操作できる機能。手の操作が難しい場合でも、頭の向きや口の動きでマウス操作が可能となる。AIによる3Dメッシュ技術により、精密なジェスチャー検出が実現されており、ほかの支援機能と組み合わせることで、ハンズフリーでの操作が行える。

Chromebookのフェイスコントロール

また、読字が困難な児童生徒向けには「リーディングモード」が提供されている。これは、WebページやPDFから抽出したテキストを読みやすく表示する機能であり、テキストの読み上げやハイライト表示も可能。AIとOCR技術を活用したChromeVoxスクリーンリーダーにより、日本語を含むPDF文書の読み上げにも対応している。

さらに、上位機種である「Chromebook Plus」にはAIを活用した文章読解サポートが搭載されており、ページの要約、複雑な表現の言い換え、内容に関する質問への応答といった支援が可能だ。

そのほか、写真や画像からテキストを抽出する機能に加え、動画や音声通話に自動で字幕を表示し、100カ国語以上にリアルタイムで翻訳する機能も搭載されている。音声入力機能についても改善が進み、キーボード操作が困難な児童生徒であっても、円滑に文字入力を行えるようになっている。

兵庫県立播磨特別支援学校では、これらの機能を組み合わせて、児童生徒がそれぞれに合った方法で学びに取り組める環境づくりが行われている。ある生徒はGoogleドキュメントを使って文章を書く一方で、別の生徒はGoogleスプレッドシートでアイデアをまとめる。どのツールを使うかは生徒自身の選択に委ねられており、教師は個別最適な学習をサポートできるようになったという。