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神戸市、動植物をAI判定できるアプリで市民参加型の生物調査を実施

~カメムシ襲来に備えて生態系を調査せよ!

スマートフォンアプリ「Biome」で市民参加型の生物調査を実施

神戸市は、2024年6月1日から8月31日まで、AIが動植物を判定するスマートフォンアプリ「Biome(バイオーム)」を利用した市民参加型の生物調査「夏休み生きものクエスト2024~神戸で夏の生きものさがし~」を開始した。神戸市全域を対象に、市民が手持ちのスマートフォンを使用して生物調査に参加するもので、子供たちも参加できる。

2023年に大量発生したツヤアオカメムシ

神戸市は都市近郊に里山が広がる自然豊かな都市である一方、外来生物による生態系被害も発生している。特に、ツヤハダゴマダラカミキリやクビアカツヤカミキリが樹木を食害し、枯死に追いやる外来生物として問題視されている。また、2023年には神戸市を含む全国の都市部でツヤアオカメムシが大量発生し、大きな話題となった。今年も昨年以上に大量発生することが危惧されている。

そこで、神戸市は株式会社バイオームと連携。AIにより動植物約93,000種を判定するスマートフォンアプリ「Biome」を活用し、里山の生きものや外来種、カメムシなどの15種類の生物を対象とした市民参加型の調査を実施する。同調査は、「Biome」をダウンロードして、対象の生物を見つけて写真を撮り、投稿することで参加できる。

また、六甲アイランドでは、特定外来生物であるツヤハダゴマダラカミキリの対策として、カミキリポストを設置し、市民が採集したツヤハダゴマダラカミキリを神戸市が回収・駆除する取り組みを行っている。昨年9月に特定外来生物に指定されたツヤハダゴマダラカミキリは、生きたままの移動が禁止されているが、カミキリポストによる防除については環境省の確認を受けており、六甲アイランド内ではこの方法で対策が可能である。

ツヤハダゴマダラカミキリと被害を受けた樹木

ツヤアオカメムシは、夜間に光に強く誘引され、特に紫外線を出す水銀灯や蛍光灯に多く集まるが、これらの照明を昆虫を誘引しにくいLED灯に交換することが有効である。神戸市では、今後も「Biome」を活用した市民参加型調査を継続し、都市部での分布状況を把握し、その結果を市民へ広報するとともに、家庭での対策について普及啓発していく。