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横須賀高校とNTT、水泳と陸上競技におけるコツやクセの運動解析で共同研究

研究成果を国際会議で発表

神奈川県立横須賀高等学校と日本電信電話株式会社(NTT)は、水泳と陸上競技の部活動の運動解析に関して共同研究を行った。

研究結果として、水泳のクロールの体幹・上肢運動や、陸上競技のクラウチングスタートにおけるセットポジション時の上肢・下肢の荷重分担に関する特徴的な動作を発見した。

これらの成果は、横須賀高校の水泳部の生徒3名が医工学分野において最大規模の国際会議EMBCでポスター発表し、陸上競技部の生徒3名が中高生を対象とした国際コンテストGlobal Link Singapore (GLS)にて発表する。

横須賀高校は、文部科学省よりスーパーサイエンスハイスクールの指定を受けて、研究の第一線で活躍する研究者との研究活動の体験を通じて、研究の知識や研究プロセスを学んでいる。

一方、NTTでは、運動のコツを運動時の姿勢変化や生体情報から抽出し、そのコツを電気刺激などの感覚刺激によって直接伝達する技術 「運動能力転写技術」の研究開発をしている。そのために、モーションキャプチャや、表面筋電センサ、床反力計などの計測システムが実験環境に備わっている。

今回、横須賀高校とNTTは、高校部活動を対象とした多様な部活動の運動のコツやクセの発見に向けて共同研究に着手した。

■水泳部の研究内容

陸上で、トレーニング器具のチューブトレーニングセットを取り付け、マーカー30点を赤外線カメラ11台によるモーションキャプチャシステムで3次元計測し、上半身14箇所の筋活動を表面筋電センサで計測。収集したデータを可視化することで、生徒自身が気づいていなかった動作のクセを確認した。

生徒たちの異なる条件の泳ぎ方で比較したところ、生徒たちが気づいていなかった特徴的な動作が確認された。例えばクロールにおいて、体幹の捻り動作には左右差が小さい一方で、肩と肘の高さの最大値に左右差があり、この差は肩甲骨の動かし方の違いによるものであるという発見をした。

■陸上競技部の研究内容

クラウチングスタートにおいて速いスプリンターほど身体質量中心がスタートラインに近い傾向があるとする文献を参考に、上肢・下肢の荷重分担における上肢荷重を高めることもその傾向に近くなるという仮説を立て、検証した。

マーカー23点を赤外線カメラ11台によるモーションキャプチャシステムで3次元計測し、全身16箇所の筋活動を表面筋電センサで計測。また、床反力計を左右の手それぞれに配置することで上肢にかかる荷重を計測した。

上肢荷重の増加にともない身体質量中心とスタートラインの距離が近づく傾向があったことが確認され、仮説を支持する結果が得られた。加えて、上肢荷重の増加に伴う筋活動にも多様なパターンがあることが確認された。