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エナジード、高校の総合型選抜入試対策の実態調査結果を発表

ポイントは「対策開始時期」「多人数向け講義」「非認知能力の育成と表現」

株式会社エナジードは、総合型選抜入試(旧AO入試)への対策に関して、全国78校の高校の進路担当主任・進路担当者を中心に実態調査を行ない、その結果を発表した。

このレポートでは、各課題への対策に「困っている高校」と「困っていない高校」の違いは、「対策開始時期」「多人数向け講義」「非認知能力の育成と表現」の3つであるという見解を示している。

エナジードでは、「自己認知力」「独創性」「自己決定力」などの非認知能力について、アドミッション・ポリシー(AP)との適合性や、入学志願者の能力・適性や学習に対する意欲、目的意識などを、各高校が総合的に評価・判定することが、重要だが難しい課題と認識。各高校の対策の実態を把握することで、各校の情報共有やエナジードのサービス改善を図るため、調査を実施したという。

【調査結果】

・対策の有無と注力度

各課題に対しての対策有無とその注力度を聞いたところ、「学習計画書」以外は50%以上が“対策有り”と回答した。特に、「小論文」「入学志望理由」「口頭試問(面接)」の3項目は、75%以上が“対策有り”と回答した。

・対策開始時期

各課題への対策開始時期を聞いたところ、全課題で“3年生以降に開始”が50%だった。その中で、“2年生までに開始”の割合を見ると、以下のような結果となり、「入学志望理由」「小論文」の2項目が相対的に対策開始時期が早い。

  • 「入学志望理由」「小論文」:40%以上
  • 「活動報告書」「プレゼンテーション」:30%台
  • 「学習計画書類」「口頭試問(面接)」:20%以下

・困っている課題

特に「困っている・強化したい」課題の有無について聞いたところ、「入学志望理由」「小論文」の2項目の選択率は60%を超えており、相対的に高い事がわかった。エナジードでは、困っている課題ほど対策開始時期が早いのかもしれないとコメントしている。

  • 「入学志望理由」「小論文」:60%以上
  • 「活動報告書」「プレゼンテーション」「口頭試問(面接)」:45〜55%
  • 「学習計画書類」:32%

そこで、各課題で「困っている・強化したい」と選択している高校とそれ以外の高校で、対策開始時期を再整理したところ、以下の4つの課題において“2年生までに開始”の割合に20Pt程度の差があることがわかった。

  • 入学志望理由
  • 活動報告書
  • 小論文
  • プレゼンテーション

エナジードでは、困っている割合が高い課題は全体的に対策の開始時期が早い傾向であるものの、「困っている」と“回答しなかった”高校はさらに対策開始が早い傾向にあるようだとコメントしている。

今回の結果から、「困っている高校」と「困っていない高校」の違いがあるのはなぜなのか、78校から100以上の具体事例の中から、エナジードでは上述を含む以下のような3つのポイントがあるのではないかと結論づけている。

  • 対策開始時期の早さ
  • 個人の趣向や大学の傾向ごとにカスタマイズするだけでなく、多人数向けの取り組みとして仕組み化を行なっている
  • 取り組みの目的を“非認知能力の育成と表現”とすること

これら定量的な結果や各校の具体的な取り組みについての調査と、そこから見出された傾向や仮説をまとめたレポートは、専用ページからダウンロードできる。

【調査概要】

  • 回答数合計:78校
  • 調査期間:2022年9月13日〜9月22日
  • 実施方法:Webアンケートフォームによる回答

回答校の設立分類内訳は以下のとおり。

  • 国立:1校
  • 都道府県立:39校
  • 市立:5校
  • その他、公立:1校
  • 私立:32校

※回答校の97%は、「総合型選抜試験」での大学入試を志願している生徒数の割合が50%以下

主な調査対象課題は以下のとおり。

  • 入学志望理由
  • 学習計画書類
  • 活動報告書
  • 小論文
  • プレゼンテーション
  • 口頭試問(面接)