ニュース

国内出版5社が電子書籍1200点を、早稲田と慶應義塾の図書館に提供

「早慶和書電子化推進コンソーシアム」の活動

早慶和書電子化推進コンソーシアム

 早稲田大学および慶應義塾大学の図書館は「早慶和書電子化推進コンソーシアム」を立ち上げ株式会社紀伊國屋書店をパートナーに加えているが、今回、活動趣旨に賛同した国内の5つの出版社から2022年10月から1年半の期間限定で約1200点の電子書籍の提供が開始されると発表した。

 電子書籍を提供する出版社は、株式会社岩波書店、株式会社講談社、株式会社光文社、株式会社裳華房、株式会社日本評論社の5社で、約1200点のうち、半数が個人向けのみの提供で図書館向けには提供されていなかったタイトルとなる。

 コンソーシアムでは、出版社との対話を通じて大学図書館の要望を伝え、実際に利用実験を行うことで、電子書籍(和書)の課題を図書館と出版社の双方にとってプラスとなる形で解消することを目指す。

早慶和書電子化推進コンソーシアムを中心とした持続、拡張可能なビジネスモデル実現を目指す

 また、両大学の図書館の利用傾向やその分析に基づいた和書の電子化が可能になるほか、図書館側から電子化希望タイトルを伝えるだけでなく、図書館の現場での利用状況や要望を伝え、提供のあり方を含めて検討してもらうことも狙っている。

 さらに、今回の電子書籍の提供開始で、日本国内における大学図書館に向けた電子書籍の新たな購読モデルの構築にまつわる議論が活発化することを期待し、その結果、多くの出版社が書籍の電子化への関心を高め、日本全体の和書の電子化推進につながることも期待しているという。